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南海トラフ地震の痕跡か 明日香村・都塚古墳 地割れや石室の亀裂
2016-05-27 09:29:18   From:日本経済新聞   コメント:0 クリック:

  ピラミッドのような階段状の大型方墳と判明した奈良県明日香村の都塚古墳(6世紀後半~7世紀初め)で、地震の影響とみられる亀裂や地割れがあったことが分かり、26日、村教育委員会と関西大が発表した。

 南海トラフで起きた宝永地震(1707年)、または安政東海・南海地震(1854年)の可能性が高いといい、米田文孝関西大教授は「遺跡の被災情報は地域防災に役立つ重要なデータだ」と話した。

 調査結果は今年3月に刊行された都塚古墳発掘調査報告書に掲載した。

 村教委などによると、北西側の墳丘裾で、長さ4メートル以上、幅約20~60センチ、深さ約60センチ以上の北西方向に延びる地割れの痕跡が確認された。

 横穴式石室でも、大型石材に亀裂や剥落が7カ所見つかった。亀裂の向きが南東―北西方向にそろっていることから、経年劣化や造成時の破損ではなく、急激で巨大な荷重がかかったのが要因という。

 墳丘の地割れと石室の亀裂の向きも一致することから、震度6弱以上の同じ地震による被害とみられ、史料などから2つの地震の可能性が高いと判断した。

 飛鳥地域では、高松塚古墳や牽牛子塚古墳などでも地割れの跡が確認されており、同様に地震の影響とみられている。

 また、石材について採取から運搬、墳丘築造の作業過程と総重量を分析し、延べ約3万人が動員されたとの試算も明らかにした。村教委の西光慎治調整員は「破格の労働量で大王陵墓をしのぐクラス。飛鳥を掌握していた有力者の墓と考えられる」としている。


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