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解を探しに 私の居場所(1) 「ヒルズに憧れ」今も 六本木、誇りで生きる
2016-08-30 16:24:27   From:日本経済新聞社   コメント:0 クリック:

東京・六本木の雑居ビルの一室で、羽田野真寛さん(27)は「10年後の夢」を語り始めた。
「全国から外車で集まった取引先と、ヒルズのオフィスで会議をする。かっこいいでしょ?」。東京・六本木の雑居ビルの一室で、羽田野真寛さん(27)は「10年後の夢」を語り始めた。
六本木ヒルズ近くのレンタルオフィスで起業した羽田野さん(東京・六本木)
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六本木ヒルズ近くのレンタルオフィスで起業した羽田野さん(東京・六本木)

 ついたてに隔てられたわずかなスペースには机とパソコンだけ。六本木ヒルズまで徒歩10分の「1坪オフィス」には、羽田野さんの会社を含め20社ほどが入居する。「いつかはヒルズ族に」と夢見る若い起業家たちの出発地点だ。

 羽田野さんが友人と農業支援企業「Educo」(エデュコ)を立ち上げたのは今年1月。きっかけは農家だった祖父母の引退だ。「このままでは日本の農業がダメになる」と「もうかる農業」を目指し起業した。「六本木のことなら日本中の農家が知っている。大金を稼ぎ、若い人から憧れられる農業の象徴にこれ以上の場所はない」。銀行からは「レンタルオフィスでの開業は印象が良くない」と言われ、8行に口座開設を断られたが、六本木にこだわった。

 いまの月商は数十万円。家賃4万5千円と諸経費を除くと給料は出ない。それでも「ヒルズを見上げたり、若い起業家をみかけたりすると、『絶対に成功してやる』と元気が湧いてくる」。

 ライブドアや楽天、ヤフー。勢いのあるIT企業が入居し、成功した起業家らが競って居を構えた「六本木ヒルズ」。今年開業13年を迎えた。

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