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ハロウィーン 熱狂なぜ 「聖地」渋谷で聞く 「SNSで自慢」「仮装で友達に」
2016-10-31 11:59:33   From:日経   コメント:0 クリック:

ここ数年、秋を彩るイベントとして定着したハロウィーン。米国では子供たちを主役とした悪魔払いの年中行事だが、日本では若者らが仮装を楽しむお祭りになった。なぜそんなに変身したいのか――。“聖地”となった東京・渋谷で、思い思いの衣装を身に着けた人たちに聞いてみた。
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 血まみれの花嫁、ゾンビ――。渋谷駅前のハチ公広場に29日夕方、仮装した若者らが集まってきた。絵本「ウォーリーをさがせ!」のウォーリーの格好をした東京都江東区の会社員、大野慎太郎さん(20)は同じ赤と白のストライプのシャツの集団を見つけ、ハイタッチを交わす。

 上京2年目で念願の初参加。「仮装していれば知らない人とも友達みたいに交流できる。仕事のストレス発散になって楽しい」と笑顔だ。

 

交差点が大混雑

 

 

 「魅力的な仮装に夢中になる気持ちは分かるが、安全のためにどうか聞いてください」。特殊車両に乗った警視庁「DJポリス」が、すいている道路に誘導しようと呼び掛けるが、ハチ公広場から繁華街「センター街」などにつながるスクランブル交差点は、夜になると若者らで混雑した。

 「友達がSNS(交流サイト)に上げる写真を見て楽しそうだと思って来た」。センター街の片隅で、横浜市の女子大学生(21)はスマートフォンで友達と記念撮影。半袖のドレスで白雪姫になりきり、「寒くてもかわいい格好がしたかった」と満足そうだ。

 28日夜にセンター街で同級生4人とプリントシールを撮っていた大学4年の上沼百恵さん(21)は、今年で仮装は3回目。「目立つのが好き。フェイスブックなどで共有して褒められるのがうれしいし、仲間でわいわいするのも楽しい」と話す。

 警視庁は29日と30日夜、交通規制を実施した。スクランブル交差点付近から「道玄坂」方面と「文化村通り」方面に続く2区間が車両進入禁止になると、あっという間に仮装者で埋め尽くされた。深夜になると缶ビールを片手にほろ酔い気分の参加者が行き交った。

 

店舗は困惑も

 

 

 熱狂のなかで、街の関係者からはため息も聞こえる。センター街にあるドラッグストアの入り口付近は、撮影のために照明を求める仮装者が陣取っていた。客の入店を塞ぐ格好となり、男性店長(28)は「売り上げが落ちてしまう」と困り顔だ。

 渋谷駅のコインロッカー前では、その場で着替えた荷物を入れ、メークを始める場面も見られた。店舗のトイレを使う人もいるため、渋谷区は更衣室を2カ所に設置したが、人はまばら。スタッフの関根圭哉さん(31)は「宣伝が足りなかった」と肩を落とす。

 30日も仮装者でごった返した渋谷。10年ほど前まで渋谷区内に住んでいた佐藤秀雄さん(84)は妻と見物に訪れ、「すごい盛り上がり」と驚いた表情。「マナーをしっかり守って楽しんでほしい」と話した。

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