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女性政治参画法案など先送り 今国会、事実上の閉幕
2017-06-16 09:52:02   From:日経   コメント:0 クリック:

 通常国会は会期末の18日を前に16日で事実上の閉幕を迎える。女性議員の増加を促す政治分野における男女共同参画推進法案のほか、違法民泊への罰則強化を狙いとする政府提出の旅館業法改正案などが審議時間が確保できず、成立は次の国会以降に持ち越す。党首討論は2000年の制度導入以来、初めて1回も開かれない異例の通常国会になる。

 超党派の議連を中心に成立を目指した政治分野における男女共同参画の推進に関する法律案は、選挙で各党に男女の候補者が「できる限り均等」とする努力義務を課す内容。諸外国に比べても低い女性議員の比率を高める狙いだ。

 しかし法案を審議する衆院内閣委員会では、学校法人「加計学園」(岡山市)の獣医学部新設を巡る質疑が課題になった。そのため与野党が一致している法案にもかかわらず、最終的に審議時間が確保できなくなった。

 無許可で営業した場合の罰則を強化する政府提出の旅館業法改正案も持ち越しになる。今国会では、住宅に旅行者を有料で泊める民泊を全国で解禁する住宅宿泊事業法が成立した。外国人観光客が増える中、違法な民泊サービスの問題への対応も同時に進める狙いだったが間に合わなかった。

 自民、公明両党がまとめたギャンブル依存症対策の基本法案も先送りとなる。政府が次期国会での提出を目指すカジノを含む統合型リゾート(IR)実施法案に先立ち、与野党で成立を目指したものの、会期中に野党と調整する時間を確保できなかった。

 政府提出法案では、働く時間でなく成果に賃金を払う「脱時間給」制度の創設や裁量労働制の拡大を盛り込んだ労働基準法改正案も成立しない。ホワイトカラーの生産性の低さは経済成長を妨げている。法改正による後押しが遅れる。

 受動喫煙対策を強化する健康増進法改正案は提出を断念した。喫煙可能な飲食店の範囲を巡り厚生労働省と自民党の溝が埋まらなかった。2019年のラグビーワールドカップや20年の東京五輪が念頭にあるが、法改正の遅れで準備期間が短くなる。

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