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糖尿病患者 初の1000万人 16年、高齢化・肥満増で
2017-09-21 20:44:40   From:日経   コメント:0 クリック:

 糖尿病が強く疑われる患者が2016年に推計1千万人に上ったことが21日、厚生労働省の国民健康・栄養調査でわかった。高齢化の進展などで前回の12年調査から50万人増え、初めて1千万人台に。糖尿病が悪化すると腎臓機能が低下し人工透析が必要になり、多額の医療費がかかる。自治体などによる糖尿病の重症化予防の取り組みが急務となっている。

 

 調査は無作為抽出した約2万4千世帯を対象に行い、うち20歳以上の約1万1千人について過去1~2カ月の血糖状態を示す「ヘモグロビンA1c」を測定。糖尿病が強く疑われる患者や、検査値が正常と異常の間にあり「可能性を否定できない」予備軍を全国にあてはめて推計した。

 糖尿病患者は、調査を始めた1997年の690万人から右肩上がりで推移している。有病率の高い高齢者人口の増加とともに、運動不足や食生活の乱れなどで肥満が増えているのが原因とみられる。

 患者は全体の12.1%(男性16.3%、女性9.3%)を占め、男性の有病率は50代で12.6%、60代で21.8%、70歳以上で23.2%。女性は50代で6.1%、60代で12.0%、70歳以上で16.8%だった。

 患者のうち、治療を受けている人は男性で78.7%、女性で74.1%。いずれも増加傾向にあるが、自覚症状がない患者も多いという。

 一方、予備軍は07年の1320万人をピークに減少し、16年は12年よりも100万人少ない1千万人と推計した。厚労省は08年度から始まった40~74歳を対象とする特定健康診査(メタボ健診)などにより予防効果が出ているとみている。

 糖尿病は視力や腎機能の低下、手足のしびれなどさまざまな合併症を引き起こす。重症化し人工透析が必要になれば、1人あたり年間約500万~600万円の治療費がかかる。医療費を抑制するため、厚労省などは糖尿病の重症化予防を重点目標に掲げている。

 国民健康・栄養調査は毎年、肥満の状況や食生活、運動習慣の状況も調べている。肥満は国際的に肥満度を示す指標「BMI」で算出。BMIは体重(キロ)を身長(メートル)の2乗で割り、18.5~25未満は「ふつう」、25以上は「肥満」と規定されている。

 25以上の割合は男性31.3%、女性20.6%で、いずれも15年より増加した。1日当たりの野菜摂取量は276.5グラムで、過去10年間で最少だった。1日当たりの歩数は、男性6984歩、女性6029歩で15年よりも減った。

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