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中国「70後」「80後」「90後」、仕事観に天地の開き
2013-09-03 17:59:38   From:   コメント:0 クリック:

ネット上では、次のような公式が流行っているという。▽「70後(1970年代生まれ)」=残業オタク、「80後(1980年代生まれ)」=残業拒否、

ネット上では、次のような公式が流行っているという。

▽「70後(1970年代生まれ)」=残業オタク、「80後(1980年代生まれ)」=残業拒否、「90後(1990年代生まれ)」=出社拒否

▽「70後」=貯蓄依存、「80後」=借金依存、「90後」=親依存

▽「70後」=宴会で社長の近くに坐りたがる、「80後」=宴会で社長の近くを避ける、「90後」=社長は自分だと思っている

これらの公式は、3つの異なる世代のそれぞれの仕事観を如実に反映している。大学を卒業した「90後」が入社して1カ月が経過した。3世代の社会人に、入社したての頃の感銘や経験について尋ねてみた。もちろん彼らの話を聞いただけで、それぞれの世代に「レッテル」を貼ってしまうのは早計ではあるが。彼らは入社早々さまざまな叱責や非難を浴びたことは確かだが、彼らにもそれぞれ長所があり、自分自身の向上を目指している若者達であることに変わりはない。広州日報が伝えた。

○「90後」代表・媛媛さんの「出社拒否」

ネット上で流行している上述の公式について、媛媛は「まったくその通り」と同意を示している。彼女は出社拒否を経験した。別に会社に行きたくない訳ではなく、自分にとっての「天職」が今の仕事ではないと気づいたからだ。学校を卒業して7月に社会人の仲間入りをした彼女は、早々と「転職」を経験した。最初に入った会社で試用が始まり2カ月も経たないうちに、彼女は「仕事があまりにもつまらない。この会社に私の未来はない」と感じ、会社の「2カ月間の試用期間を経て、正社員に採用する」という規定があったにも関わらず「転職」した。自分が心に抱いている「理想的な仕事」について、「私はやり甲斐のある仕事がしたい。挑戦する価値があるものにチャレンジしてはじめて、自分自身の価値を実現できる」と媛媛さんは語った。理想の仕事を追い求めるため、彼女は昨年11月に大学でインターンシップ・プログラムが始まった後、3回続けて実習する職場を換えた。その理由はすべて、「仕事内容が自分に合っていないから」という、自分に対して最も説得力のあるものだった。「正直言って、私は細かい点にはあまりこだわらない。例えば、『初任給が低い』『仕事が辛い』『職場環境が良くない』などといったマイナス点は、全て受け入れられる。でも、仕事そのものの面白みや将来性は、私にとって絶対的な条件」と彼女は強調した。媛媛さんによると、周りにいる「90後」のクラスメートの多くは、彼女と同じような考え方だという。

【コメント】かなり恵まれた安定した生活環境の中で育った「90後」には、もう一つのとりわけ恵まれた状況がある。何かにつけ、「薄給のためにぺこぺこする」ことを拒否する機会や「自分は何を本当にやりたいのか、自分の得意分野は何なのか」を熟考する機会が与えられるという点だ。上の世代と比べ、彼らはより柔軟な求職方法や自分に相応しい求職観を持っている。理想を追い求めるのは決して悪いことではないが、一家の大黒柱となる責任も、「90後」が担うべき社会的責任である。この責任に対する覚悟がなければ、単なる「すねかじり族」に成り果てる恐れがある。

○「80後」代表・帥さんの「残業拒否」

「80後」の若者・帥さんは、有名大学を卒業後、グローバル500強企業でのインターンシップをスタートさせた。最初の1カ月は研修期間で、彼は毎日、真面目に講義に耳を傾けた。入社してすぐに新入社員が覚えなければならないことは山ほどあるため、会社は、毎日7時から8時半までを新入社員自習タイムとした。このため、研修内容の復習に時間が取られ、夕食も遅れることは当たり前のことだった。

インターンシップ期間中のある日も、社長は新入社員に残業を命じた。帥さんは、残業をしないという選択もあるかと社長に直接尋ねた。社長が質問した理由を聞き返すと、彼は、「今日習得すべき内容は、全てやり終えたから」 と答えた。インターンシップを終え、彼の正式採用は見送られた。「残業は、健康を損なわず、充実したライフスタイルを送る上でプラスにはならない。残業をするかしないかが、その社員が仕事に打ち込んでいるかどうかの評価指標とは成り得ない。それは不健全な評価方法だ」と考えている帥さんは、公務員採用試験を受験することに決めた。公務員なら、毎日午前9時に出勤し、就業中はみっちり働いて午後5時に仕事を終え、「90後」や「70後」の仲間と一緒に、テーブルゲーム・ビリヤード・バー・カラオケなどを楽しみ、毎月給料を遣い果たす「月光」生活を送ることができる。

【コメント】「70後」と「90後」に挟まれた「80後」が受ける競争社会のプレッシャーは最も過酷といえよう。自分達の前には常に「70後」という模範がいて、後ろからは「90後」の新人が追いかけて来るため、80後は息をつく暇も無いほど追い込まれる。「80後」は、「頑張って仕事をする一方、どうやってプライベート生活を確保するか」に頭をひねり、自分の生活が仕事によって独占されることを断じて拒否している。「80後」は、ライフ・ワーク・バランスを最も重視する世代と言えるだろう。「80後」はすでに働き盛りの年代に差し掛かり、次第に各職場で責任のある職に就くようになり、理性的に物事を判断し、感情に激することもなくなっている。

○「70後」代表・厳さんの「残業オタク」

職場でベテラン社員と呼ばれるようになった厳さんは、入社当時のことを振り返りながら次の通り語った。

「入社当時は、先輩社員の顔色を常に伺い、一日も早くチームの一員として認められようと努力したものだ。しかし、『90後』にはこのようなそぶりは全くなく、自分のやるべき事が終わればさっさと退社してしまう。職場での人間関係において、彼らに特徴的なのは、自己中心でチームや組織に対する関心が少なく、自分がどう思っているかを大切にするという点だ。入社したころ、我々の世代にも共通点があった。上手にお世辞を言い、ベテラン社員にくっついて歩き、できるだけ早く職場の環境に溶け込もうと努力した。『90後』の若者と接するうちに、彼らは意識的に世渡りの知恵をつける、あるいは先輩社員と良好な関係を築く努力をする必要性を全く感じていないことが分かった。私たちの入社当時は、毎日のように残業した。自ら望んで残業したものだ。私たちの世代の責任感と集団への帰属意識は、今の若者よりずっと高い。私が所属している販売課には計19人の課員がおり、うち7人が『80後』で12人が『70後』だ。両世代の違いを最も顕著に感じるのは、残業に対する考え方。『70後』は、何の迷いもなく残業するが、『80後』はさまざまな口実をつけて残業から逃れようとする」。

「入社当時に仕事への情熱や使命感が育つかどうかは、管理職の激励や報奨が大きな鍵を握っている」と厳さんは指摘する。会社側は、入社したばかりの新入社員を、「自分とは無関係な存在」として冷淡に接するのではなく、彼らが会社という「身体」にとって「新鮮な血液」であり、必要不可欠な存在であることを強調する必要がある。業務ミーティングを開くたびに、管理職は新入社員の意見に耳を傾け、彼らから出された提案の一部は上層部に通し承認を得る。これらを実践することで、彼らの業務能力は格段に高まるに違いない。

【コメント】「70後」が社会人になった時代には、特に高学歴者は「天の寵児」ともてはやされ、企業で重用された。彼らはその後、一歩ずつ実力をつけ、今日の管理職の座に上ってきた。彼らの企業に対する思い入れは、後輩たちとは比べものにならないくらい大きいため、職場においては、「頑張り屋」というイメージが定着している。

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