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中国の大学院生募集規模、30年で50倍に 質の維持が課題
2012-07-14 17:31:08   From:   コメント:0 クリック:

中国の教育部と発展改革委員会が5月に共同で発表した2012年度の大学院生募集計画に関する通知によると、中国全土の大学が今年、新たに募...

   中国の教育部と発展改革委員会が5月に共同で発表した2012年度の大学院生募集計画に関する通知によると、中国全土の大学が今年、新たに募集する大学院生の規模は58万4416人で、うち博士課程の学生が6万7216人、修士課程の学生が51万7200人。一方、2003年の教育統計データによると、新たな大学院生募集規模は26万8925人で、うち博士課程の学生が4万8740人、修士課程の学生が22万7人だったため、今年の募集規模は同年の1.17倍、博士課程1.37倍、修士課程1.35倍となった。中国紙「中国青年報」が報じた。


   5月29日付の北京のタブロイド紙「京華時報」によると、中国人民大学高等教育研究センターや中国大学評価課題グループは「今年の『中国の大学トップ50』リストを詳しく調べると、中国の大学では11年に博士課程を設置する学科が急増している」と指摘。統計によると、教育部やほかの部に所属する大学81校で同年、博士課程を新設した学科は1019学科以上、うち最も多い大学では60学科に達した。


   しかし博士課程が急増していることに関して、同グループの瀋健氏はメディアの取材に対して、「11年に博士課程が急増したことは、中国の大学が飛躍的に発展していることの証しではない。授業の質などに重きを置かず、盲目的に拡大させた結果で、社会資源を無駄遣いし、重複設置を招いているだけでなく、博士課程の学生に対する教育の質の低下を招いている可能性がある」と指摘している。


   21世紀教育研究院の楊東平院長も「仮に大学院生の募集規模拡大が教育の質に影響を与えておらず、単に数が増加しているだけなら、大学院生という学歴の価値が下がってしまう」と警笛を鳴らす。


   一方、中国の政府系ニュースサイト「中国網(チャイナネット)」の1月の報道によると、中国の大学院生の募集規模は、同募集が再開された78年から、わずか30年あまりの期間に、50倍以上に拡大。北京大学や清華大学(北京)、復旦大学(上海)、浙江大学など中国を代表するトップレベルの大学の大学院生の人数も早々に、本科生(4年制)の人数を超えている。


   時事評論家の侯金亮氏は最近、「現在、多くの大学が『研究型大学』の構築を目指し、大学院の設置を争っている。そして『研究型』といわれている大学の主な評価材料は院生の募集規模が本科生に肩を並べていること、しいては超えていることとなっている。しかし、実際には、多くの大学がソフト面でもハード面でも急速に増加する大学院生の受け入れ態勢を整えられていないのが現状だ。教師の質などに深刻な欠如が見られるだけでなく、最も基本的な部分である学生寮でさえ足りていない。このような状態が続けば、エリート教育を施すべく大学院生教育が大衆化してしまう。そして、手にすることのできる学歴が本科生より高いという以外は、能力や専門分野で特に際立った点がないという大学院生が多い」と指摘した。

  (人民網日本語版)

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