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清原被告に有罪判決‥判決で言い渡された「執行猶予」の仕組みとは?
2016-06-01 14:32:18   From:まとめ   コメント:0 クリック:

●覚せい剤取締法違反罪に問われた清原被告の裁判

覚せい剤取締法違反罪に問われた元プロ野球選手清原和博被告(48)

東京地裁(吉戒純一裁判官)は5月31日、懲役2年6月、執行猶予4年(求刑懲役2年6月)の判決を言い渡した。

・裁判官は「社会内で更生の機会を与えるのが相当」とした

 

判決は「現役引退後に目標を失い、プロ野球の監督になれない心の隙間を埋めるという動機を酌むことはできない」と指摘。

一方で「プロ野球を代表する打者として活躍するなど社会的貢献をしてきたが、

事件が大きく報道されて社会的制裁を受けており、社会内で更生の機会を与えるのが相当」と述べた。

・また、裁判官が清原被告に異例の呼びかけも行った

Photo by Brand X Pictures / Stockbyte

 

またその後、裁判官が「あなたは決して1人ではありません。この法廷にも来てくれた佐々木(主浩)さん、根強いファンが更生を望んでいることを忘れないでください。

息子さんたちのためにも、やめるという強い意志を持ち更生してください」と語りかける場面もあった。

・最後は、傍聴席に向けて謝罪した

 

執行猶予4年、懲役2年6月の有罪判決が言い渡されると、清原被告は吉戒裁判官に向かって頭を下げ、

体を反転させると、傍聴席に向けて「このたびは申し訳ございませんでした」と消え入りそうな声で謝罪した。

●今回の判決で付けられた「執行猶予」とは?

Photo by Comstock Images / Stockbyte

 

有罪判決に基づく刑の執行を一定期間猶予し、 その間に罪を起こさないことを条件として、刑罰の執行から免れさせる制度です。

懲役の刑に執行猶予が付いている場合には,裁判が確定しても,被告人は直ちに刑務所に入れられてしまうということにはなりません。

執行猶予の制度が初めて我が国に採り入れられたのは,明治38年ですが,次第に適用範囲が広げられ,また,改善されて現在のような形になりました。

・「執行猶予」の主な事例

例えば、懲役2年の場合、実刑判決ということで、すぐ刑務所へ、ということになります。

ところが、懲役2年執行猶予3年ということになると、ただ単に3年間執行が猶予されるだけでなく、

の間に他の刑事事件を起こさなければ、そもそも懲役2年という刑の言渡し自体がなかったことになるのです。

つまり裁判で「懲役」とか「禁錮」といった有罪判決を言い渡されても「執行猶予」がつけば、その法廷から自由の身になって、そのまま一般社会に戻れるわけです。

・「執行猶予」が付く条件

重い死刑(刑法11条)とか、逆に、非常に軽い拘留(刑法16条)・科料(刑法17条)といった刑の場合は、執行猶予はつきません。

執行猶予がつく場合としては、以前に禁錮(刑法13条)以上の刑を受けたことがない者が、3年以下の懲役(刑法12条)・禁錮、50万円以下の罰金にあたる罪を犯したとき、などに限定されている

前科があって、以前に懲役刑や禁固刑になったことがある場合で、その執行が終わってから5年以内の場合などは執行猶予が付くことはありません。

●「執行猶予」が取り消される場合

Photo by Stockbyte / Stockbyte

 

たとえば,懲役1年,執行猶予3年の判決を言い渡されてから2年後に懲役2年の実刑判決を受けると,

「必ず」執行猶予が取り消されてしまうので,執行猶予が取り消された懲役1年と新たに犯した罪の懲役2年,合計3年も刑務所に入らなければならなくなるのです。

取り消された場合は、執行猶予が付けられた判決で定められた懲役刑 または禁錮刑に加え、今回の刑が加算され、刑の執行を受けることになります。

・交通違反の場合はどうなるの?

なお、駐車違反や制限速度超過などの交通違反は、刑事罰ではなく行政処分ですから、執行猶予中の身分と関係はありません。

ただし、道路交通法違反として懲役または禁錮刑を言い渡された場合には、執行猶予の取消しが問題になります。

●執行猶予が付いた場合でも「保護観察」を付ける場合がある

執行猶予が付いた場合でも、裁判所は「保護観察」を付ける場合があります。

保護観察とは,犯罪をした人または非行のある少年が,社会の中で更生するように,保護観察官及び保護司による指導と支援を行うものです。

具体的には、月に2回程度保護司の面接を受け、生活状況などを報告し、指導を受けます。

刑務所等の矯正施設で行われる施設内でのしょぐうに対し,施設外,つまり,社会の中で処遇を行うものであることから,「社会内処遇」と言われています。

・保護観察の監督に従わない場合、執行猶予が取り消されることも‥

保護観察所の監督に従わなかった場合には、執行猶予が取り消される場合があります。

保護観察がつくと、日常生活の様々な場面で、許可を取らないといけなくなり厳しい環境で執行猶予を過ごすことになります。

●執行猶予中にできること、できないこと

●6月からは「刑の一部執行猶予」制度始まる

 

6月1日以降に言い渡される判決からは、薬物使用者らを対象に懲役刑や禁錮刑の一部を執行後に残りの刑期を猶予する「一部執行猶予制度」がスタート。

対象は3年以下の実刑判決で、例えば、懲役2年の実刑のうち6か月の執行を3年間猶予するという判決の場合、

1年半後に刑務所などから出て、3年間、事件を起こさなければ、残りの刑期は効力がなくなります。

 

実刑判決か執行猶予判決か判断が微妙な場合に言い渡す「中間刑」の位置付けではなく、これまで実刑と判断されてきたケースに適用される。


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