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英与党「移民制限を優先」 市場、強硬離脱を警戒 ポンド、31年ぶりの安値迫る
2016-10-04 13:28:32   From:日本経済新聞社   コメント:0 クリック:

3日には移民制限の実現のために英国が欧州単一市場から退場する「強硬離脱」への警戒から通貨ポンドが大幅下落した。
英与党保守党で、欧州連合(EU)からの離脱交渉に向け、厳格な移民制限を求める声が強まっている。メイ首相が2日始まった党大会で移民政策の重要性を強調し、デービスEU離脱担当相は最優先課題との認識を示した。3日には移民制限の実現のために英国が欧州単一市場から退場する「強硬離脱」への警戒から通貨ポンドが大幅下落した。
3日、英保守党大会に参加するメイ首相(左)(バーミンガム)=ロイター
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3日、英保守党大会に参加するメイ首相(左)(バーミンガム)=ロイター

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 デービス氏は2日夕方の演説で、離脱により「移民数を削減する」と表明。「国民投票で明らかになった国民の意思は移民へのコントロール確保だ」と繰り返した。今後の離脱交渉で移民制限策の実現を最優先にする姿勢を鮮明にした。

 閣僚らに先立ち2日に演説したメイ氏も「英国は移民制限を実行できる主権を取り戻す」と述べた。「二度と移民を制御する権限を失いはしない」などと語り、移民制限に取り組む意思を強調してみせた。

 保守党内は移民制限を実現するためには単一市場退場も辞さない「強硬離脱派」と、単一市場へのアクセスを最大限確保する「穏健離脱派」に割れている。伝統的にEUに懐疑的な姿勢が強い保守党では、所属議員の約3分の2が国民投票で離脱に投票したとされる。これまでメイ氏が離脱戦略を明確にしていなかったことに対して党内から不満が出ていただけに、党大会の場で、国民投票で争点だった移民制限を強調し、求心力を図った面もある。

 メイ氏は演説で移民制限を強調しつつも、企業活動の重要性にも言及。その上で「強硬派も穏健派もない。英国にとって最善の条件を勝ち取る」と述べた。首相官邸関係者は「メイ氏が単一市場の退場を決めたということは一切ない」と説明する。3日演説したハモンド財務相は、「離脱後も英企業が引き続き単一市場に最大限にアクセスできるようにする」と話し、経済重視の姿勢を強調した。

 それでも警戒がぬぐえないのは、移民制限と単一市場残留の両立という英政府の希望が極めて高いハードルだからだ。EU側は「移動の自由」という欧州統合の基本理念をゆがめる移民制限を実行したいならば、単一市場の利用は認めないという立場を崩していない。

 2017年3月末までに始まる離脱交渉で、移民制限の是非を巡りEU側との隔たりが改めて浮き彫りになれば、英政府内や保守党内の離脱強硬派が「単一市場退場もやむを得ない」として強硬な離脱を求める声が一気に高まる恐れはある。

 外国為替市場の参加者は早くも「強硬離脱」に伴う貿易面での影響を瀬踏みし始めている。英ポンドは3日、対ドルで一時1ポンド=1.28ドル台前半に下落し、国民投票直後の7月上旬につけた31年ぶりの安値に迫った。

 オランダ金融大手INGのエコノミスト、ジェームズ・ナイトレイ氏は「ポンドは英国の経常赤字やスコットランドの独立問題、ポンドの準備通貨の地位という3つの観点からリスクを抱える」と説明。EU単一市場からの離脱は、こうした問題を一層悪化させるとみている。

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