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タイ通貨バーツ、下げ幅拡大 国王の「容体悪化」で不透明感広がる
2016-10-11 18:20:29   From:日本経済新聞社   コメント:0 クリック:

11日の外国為替市場で、タイの通貨バーツの相場が対米ドルで下げ幅を広げている。現地時間15時ごろ(日本時間17時ごろ)に一時、1米ドル=35.26バーツ近辺を付け、7月8日以来の3カ月ぶり安値を付けた。9日、タイの王室が同国のプミポン国王(88)に関して「容体が不安定」と発表した。タイの国王は、国民の絶大な尊敬を得ており、政治や経済活動にも影響を与えている。今後のタイ経済や金融市場の見通しに不透明感が高まり、バーツの売りを誘っている。

 バーツは10日も大きく下げていた。9日の王室発表を受け、10日朝方に「パニック売りのような状態になった」(邦銀)との指摘が出ている。今後、経済活動が滞る可能性があるため、輸入企業などが米ドルを確保する動きがあるとの見方もある。

 タイの株式も売られている。10日は前週末7日に比べ3.1%安で終えた。売買高は通常の1.5倍程度に膨らんだ。外国人投資家は買い越しで落ち着いた反応だったが、国内の機関投資家が売りに動いた。11日は午後に下げ幅を広げ、下落率は10日比で1%に迫っている。

 プミポン国王の健康状態は、タイ王室の9日の発表として現地メディアや通信社などが一斉に伝えた。血圧の低下が確認されているという。王室が国王の健康状態を明らかにするのは非常に珍しい。国王は病気療養が続き、ことし6月の在位70年祝賀行事に姿をみせていなかった。

 プミポン国王は「王室プロジェクト」として農産物の品種改良などに取り組み、地方開発を進めてきた。タイ国内で頻発するクーデターに際しても仲裁に動くなど、政治や経済の安定をもたらすために大きな役割を果たしてきた。こうした活動で国民からの求心力は非常に高く、ツイッター上にはこの数日、国王の健康回復を願う投稿が相次いでいる。

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