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安保理、非難決議案の採決先送り シリアの化学兵器使用疑惑
2017-04-06 13:17:49   From:日経   コメント:0 クリック:

国連安全保障理事会は5日、シリア北部の空爆で同国アサド政権により化学兵器が使用された疑惑を受け緊急会合を開いた。米英仏3カ国が4日の空爆での化学兵器使用を非難する決議案を理事国に配布したが、ロシアの反発で5日の採決については先送りした。
5日、安保理で写真を掲げロシアやシリアを非難するヘイリー米国連大使=国連提供
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5日、安保理で写真を掲げロシアやシリアを非難するヘイリー米国連大使=国連提供

 4月の安保理議長国である米国のヘイリー国連大使は「ロシアがアサド政権に影響を及ぼせるなら、このおぞましい行為をやめさせなければならない」と訴え、安保理が協調できなければ米国は「自国で行動をおこすしかない」とクギを刺した。

 ヘイリー大使は化学兵器による攻撃の被害者の写真を掲げ「この攻撃は野蛮なアサド政権の新たな卑劣な行為だ」と主張。「ロシアがアサド政権を守る限り、アサド政権には化学兵器の使用をやめる動機はない」と指摘し、アサド政権への圧力を強めるよう訴えた。

 英仏など欧米の大使も同様に化学兵器使用を非難したが、ロシアのサフロンコフ次席大使は「非難決議案を採決する特別な理由はない」と反論。非政府組織(NGO)などが化学兵器が使用されたとの報告を「でっち上げた」と主張し、決議案を採決するなら「完全に異なる文章に変更する必要がある」と強調した。

 米英仏が配布した決議案は、4日のシリア北西部での化学兵器の使用を「最も強い言葉で非難する」とし、アサド政権に飛行計画や記録、ヘリコプター部隊の指揮官の氏名の提出に加え、空軍基地への立ち入りを認める義務を明記。化学兵器禁止機関(OPCW)にできるだけ早く調査結果を提出するよう求めた。

 アサド政権を支持するロシアはシリア危機を巡る安保理決議案にたびたび拒否権を行使して廃案に追い込み、反体制派を支援する欧米と対立を深めてきた。今回も両者の対立は鮮明で、決議が採択されるかどうかは不透明だ。

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