トルコ国民投票、賛成が51% 大統領が勝利宣言
2017-04-17 14:50:45 From:日経 コメント:0 クリック:
トルコで16日、大統領権限を強化する憲法改正の是非を問う国民投票が行われた。即日開票され、高等選挙評議会が同日深夜、改憲賛成派が勝利したとの暫定結果を発表した。アナトリア通信によると、賛成が51.4%と承認に必要な過半数に達した。エルドアン大統領は「国民は歴史的な決断を下した」と勝利宣言した。
開票率99.9%の段階で賛成は51.4%、反対は48.6%となり、賛成が僅差で反対を上回った。エルドアン氏は16日夜、最大都市イスタンブールで演説し「ギアを上げて、より迅速に(トルコを)発展させる」と宣言した。
だが、最大野党の共和人民党(CHP)は不正が行われたと投票結果に異議を唱えた。野党は高等選挙評議会が急きょ、公式の押印を欠くなどした投票用紙を有効と認める決定を下した点を特に問題視しているもよう。投票箱の最大6割の票について数え直しを要求する意向を表明した。
国民投票で問われた改憲案の柱は大統領権限の大幅な強化だ。承認が確定すれば、2019年11月に実施見通しの大統領選挙後、現行の議院内閣制から大統領が国家元首と行政の長を兼ねる体制に移行する。新体制では大統領が国会の解散権や司法の人事権を掌握。2期10年の多選制限を事実上緩和し、14年から大統領を務めるエルドアン氏が29年まで続投することも可能となる。
エルドアン氏は大統領への権限集中による迅速な意思決定が、トルコの経済成長に必要な「安定と信頼をもたらす」と主張してきた。ただ、野党は三権分立を形骸化させ、「個人支配」を招くと反発している。
改憲賛成派の勝利で早期選挙の懸念が後退したことを市場は好感。トルコの通貨リラは17日、一時1ドル=3.62リラ台と14日終値に比べて約2.8%上昇した。
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