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ランサムウエア攻撃、昨年50%の急増 ベライゾン調査
2017-04-28 17:37:49   From:日経   コメント:0 クリック:

 米ベライゾンが調査、発表している年次「データ漏洩・侵害調査報告書」によると、被害者に金銭(身代金)を要求する「ランサムウエア」を用いたサイバー攻撃が昨年1年間で50%も増加した。最も被害が大きいのは金融サービス、医療、公共部門だ。

 ランサムウエアは、知らぬ間にファイルを暗号化してコンピューターやサーバーをフリーズさせておき、企業や個人のデータを復元する代わりに金銭を要求するものだ。被害に遭った企業や個人が要求金額を払ってしまうため、ハッカーらによるこうした悪質なソフトウエアの使用は増加の一途をたどっている。

 

ランサムウエアは知らぬ間にファイルを暗号化してコンピューターやサーバーをフリーズさせ、データを復元する代わりに金銭を要求する(写真はイメージ)
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ランサムウエアは知らぬ間にファイルを暗号化してコンピューターやサーバーをフリーズさせ、データを復元する代わりに金銭を要求する(写真はイメージ)

 医療産業は昨年、ランサムウエアの攻撃対象のトップ3に入った。患者の命に関わる治療・健康データを取り戻すためなら医療機関は身代金を支払うということにハッカーが気付いたからだ。カリフォルニアのハリウッド長老教会派医療センターは今年2月に、1万7000ドル(約189万円)の身代金をビットコインで支払った。

■80カ国以上で2千件の侵入

 ベライゾンの報告書は、犯罪者の最新の戦術を突き止めることを目的に、80カ国以上の2000件のサイバーセキュリティー侵入について調査したものだ。また、中東や東欧の国々のハッカーが企業のネットワークに不法侵入して知的財産を盗むといったサイバースパイ活動が増加している点も指摘している。

 ベライゾンのグローバル調査マネジャー、デーブ・オスターターク氏は、ランサムウエアは、より長時間システム内に潜伏し、人々の弱みにつけ込んで、コンピューターを感染させるためのリンクをクリックさせるように仕向ける仕組みで、より洗練されてきていると話す。

 同氏は「マルウエア(悪意のあるプログラム)で現在5番目によく見られるタイプがランサムウエアだ」と話した。2014年の22位からランクは上昇している。

 また、同氏は、サイバー犯罪者は、あらゆるモノがインターネットにつながる、いわゆる「IoT」につながった機器さえもランサムウエアを用いた攻撃の対象にしていると指摘した。最近では、米大統領就任式のわずか数日前に首都ワシントンの警察の監視カメラが停止したり、サンフランシスコで乗車券を読み取る機械がランサムウエアに感染し、公共交通機関の利用を無料にせざるをえなくなった例などがあった。

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