英、EU離脱に追い風? 安倍首相、TPP参加「歓迎」に
2018-10-09 13:08:07 From:日経 コメント:0 クリック:
安倍晋三首相が英フィナンシャル・タイムズ(FT)紙のインタビューで「英国の環太平洋経済連携協定(TPP)参加を心から歓迎する」と述べたことについて、英国内では欧州連合(EU)からの離脱への追い風になるとの見方が広がっている。
BBCは「離脱派はEUを出た方が有利な貿易協定を締結できると主張していた。首相の発言は離脱派に好感されるだろう」と報じた。大衆紙サンは「離脱の強硬派を勇気づける」と分析。首相の発言がヤマ場を迎えるEUとの交渉の好材料になるとの見方を示した。英政府も8日、フォックス国際貿易相が「安倍首相の発言を歓迎する」とコメントし、TPP参加に向けた検証作業を進める考えを改めて示した。
ただ英国のTPP加盟は簡単ではない。TPPに後から入る国は、すでに先行して11カ国が合意した項目を全て受け入れるのが原則だ。英国内には「TPPは参加国が幅広く、英国がそのルールに合わせるのは難しい」との意見もある。
英国は離脱後、無関税などを定めるEUの単一市場と関税同盟から抜ける予定だ。だが英・EU間の交渉は膠着しており、交渉次第で関税同盟に残る可能性もなくはない。この場合、EU域外の国との独自の経済協定の締結が許されず、TPP交渉は進まなくなる。
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