中国語  日本語
ホーム > 国際 > 記事全文

「少子高齢化」:日本経済の長期低迷の大きな原因
2012-02-10 14:22:10   From:   コメント:0 クリック:

現在1億2800万人の日本の人口は今後毎年20-100万人減少し、半世紀後には8674万人になる。これは厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所...
現在1億2800万人の日本の人口は今後毎年20-100万人減少し、半世紀後には8674万人になる。これは厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所が1月30日に公表した「将来推計人口」の数字だ。(文:陳言・日本企業研究院執行院長/日本問題のコラムニスト)

 日本経済が長期低迷から抜け出せない原因として、1990年代のバブル経済崩壊の影響以外に、少子高齢化が挙げられる。

 ■人口減少が始まった

 社会生活全体が豊かになると、老後に備えて子どもを産み育てる意味が薄れ、出生率が低下する。これは豊かになった国全てに共通の現象だ。日本は世界的にも豊かな国であり、出生率の低下自体は自然なことだ。だが日本の場合、その「少子化」がかつての高度経済成長と同様、あまりにも急速に進行している。0-14歳の子どもは2060年には、現在の半分足らずのわずか719万人となり、人口全体に占める割合も1割を切ると推計される。

 女性が生涯に産む子どもの平均数は現在1.35人だが、人口減少を食い止めるには少なくとも2.07人にまで引き上げる必要がある。だがこの数字の達成は、現在においても将来においても困難だ。

 まず、日本では晩婚が極めて一般的になっている。男性の初婚年齢は1980年の27.8歳から2009年には30.4歳に上昇、女性は25.1歳から28.6歳に上昇した。近年では35歳以上で第1子を産む高齢出産が増加傾向にある。晩婚と高齢出産によって自ずと出生率は低下する。

 また、失業率が高まり、サービス業が余る中、幼稚園や保育園の数だけは絶対的な不足が続いている。国の認可した幼稚園や保育園は数が限られ、費用が高く、託児時間も短い。大多数の幼稚園は午後3時までなので、働く女性が仕事に専念するのは難しい。企業側の配慮も決して十分ではない。しかも中国と異なり日本は核家族化が進んでいるので、祖父母が孫の世話をするケースも一般的でなく、育児のプレッシャーは若い夫婦に全てのしかかる。産児制限をせずとも、日本女性が生涯に生む子どもの平均数は1.35人。今後いくらかは増加しても、2.07人を上回ることはあり得ない。日本の人口減少はすでに不可逆的だ。人口の急減によって既存の生産能力は大量に余り、社会的には慢性的な経済低迷となって現れる。
 ■深刻化する高齢化

 東京の地下鉄に乗っていて北京との大きな違いを感じるのは、東京の人は白髪まじりの人を見ても席を譲らないということだ。車内を見渡すと乗客のほぼ半数が白髪や白髪まじりで、黒髪の人々でごったがえす北京とは大違いだ。

 現在日本では65歳の高齢者が全人口の23%を占めており、半世紀後には40%前後になると推計される。言い換えるなら、50年後に同じように東京の地下鉄に乗ると、白髪や白髪まじりの人はすでに半数ではなく、5人中2人になっているということだ。これはまた、勤労世代2人で高齢者2人と子ども1人を養わなければならない事態の到来も示唆する。個人の生活への圧力は言うまでもなく、社会全体も耐えきれない圧力に直面するだろう。

 高齢化の進行によって、年金制度や高齢者医療・介護制度にも必然的に変化が生じる。緩やかなペース、高コストが今後日本社会の主流となる。高齢者介護サービスなどの新産業が新たな市場を生み、飲食、公共交通、医療機関は社会の高齢化に伴い、新たな経営方式や設備を導入することになる。これは新たな需要と社会的進歩ももたらすだろう。だが日本にとって、このような経済モデルはこれまで経験したことのないものであり、その社会・経済的な規模や効果はまだ予測困難だ。

 おおむね導き出せる結論は、日本経済が低迷を脱する上で急速な高齢化はマイナスだということだ。

 ■特に良い点のない民主党政権の少子高齢化対策


 ■特に良い点のない民主党政権の少子高齢化対策

 少子高齢化問題が深刻さを増していることは、先日発表された報告書からも明らかだ。だが民主党内閣はこの問題で成果を上げられるのだろうか。日本メディアの報道を見ると、政府は有効な政策を打ち出していないというのが大方の見方だ。

 野田佳彦内閣は消費税率引き上げによっていくつかの問題を解決しようとしている。だが社会保障と税の一体改革、つまり消費税引き上げによって、出生率を低下から上昇へ転換することは、現在の社会全体の福祉システムから見て、期待しにくいようだ。日本メディアは野田内閣に出生率上昇に向けて具体的政策を打ち出すよう催促しているが、国の財政赤字が危険水準を目前にする中、状況を一変させる力は内閣にはない。

 最も有効な方法は育児手当や出産奨励関連手当の支給だ。民主党は2009年の衆議院選でこうした公約を打ち出し、国の税収の8分の1に相当する5兆円を拠出する準備をした。だが民主党政権の過去3年足らずの経過を見ると、5兆円というのはそう簡単に出せる額ではなかった。こうして選挙公約は絵に描いた餅となった。

 日本が国の門を開き、世界各国から移民を受け入れるかどうかは、まだ不透明だ。優秀な人材だけなら、制度設計の初期段階で可能だ。だがすぐに米国や欧州のような状況が生じ、制度設計外の移民が大量に日本に流入する。日本社会が単純労働者の移民、さらに文化、宗教、言語の多様化を容認するとは考えにくい。こうして見ると、日本が今後人口面から経済的条件を改善し、低迷から成長への転換を果たせる可能性は高くない。これ以上低迷が続かないようにするだけでも、すでに大変なことなのだ。

熱に関連する単語の検索:

前の記事:15日から中印国境問題特別代表会合
次の記事:日立 中国・アジア・太平洋エリア総裁を新設

分享到: 收藏