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中国の「市場経済国」認定 欧州議会「反対」決議
2016-05-13 09:01:37   From:日本経済新聞   コメント:0 クリック:

欧州議会は12日、中国は「市場経済国」として認める条件を満たしておらず、欧州の産業や雇用を守るため、厳しい反ダンピング(不当廉売)措置がなお必要だとの決議を採択した。
【ブリュッセル=森本学】欧州議会は12日、中国は「市場経済国」として認める条件を満たしておらず、欧州の産業や雇用を守るため、厳しい反ダンピング(不当廉売)措置がなお必要だとの決議を採択した。中国を巡っては世界貿易機関(WTO)協定で「非市場経済国」と扱う条項が12月に失効する。自動的に市場経済国へ移行するとの中国の主張に理解をみせる欧州委員会に議会がクギを刺した。

 決議は賛成546票、反対28票、棄権77票の圧倒的な多数で採決された。欧州連合(EU)は「市場経済国」の認定のために、財産権の尊重や国家から独立した金融セクターの存在、株主保護など5つの独自基準を設けている。決議では、中国が市場経済国としてのEU基準を満たすまでは、反ダンピング措置で標準的な国より厳しく扱う必要があると訴えた。

 中国は2001年のWTO加盟の議定書で、当初15年間はダンピング調査などで厳しい条件を課される「非市場経済国」として扱われることを受け入れたが、その根拠条項が12月に失効する。

 欧州委はこれまで認定に柔軟な姿勢をにじませてきた。失効後も中国を市場経済国と認めなければ、中国側からWTO協定違反だと訴えられる懸念があるためだ。ユンケル欧州委員長が目玉に掲げる域内投資計画「ユンケル・プラン」への投資マネーの供給役として期待する中国への配慮もありそうだ。

 こうした欧州委の柔軟姿勢に対し、欧州では産業界を中心に認定に反対する声が強まっている。危機感を高めているのが鉄鋼製品などを巡る中国の過剰供給の問題だ。認定すれば中国製の安値品にあえぐ域内産業がさらに打撃を受けて「最大350万人の雇用が奪われる」と、欧州域内の主要な産業団体でつくる「イージス・ヨーロッパ」は訴える。

 欧州委は7月中旬をメドに、欧州議会や加盟国に認定の是非を巡る提案をする方針。欧州議会の決議には欧州委の提案に先だって雇用や産業の保護を求め、欧州委に慎重な判断を迫る狙いがある。決議そのものに法的な拘束力はないが、正式に認定する場合には議会の承認が必要なため、今後の議論に影響を与えそうだ。

 EU加盟国の間では認定の是非を巡って、自由貿易を伝統的に重んじてきた英国や北欧などが容認姿勢をみせる一方、フランスやイタリアは反対の構えで足並みがそろっていない。強まる認定への反対論を受け、欧州委では、中国を市場経済国として認める一方で、ダンピング対策を強化する案も浮上してきた。

 一方、欧州議会が中国を市場経済国と認めるべきではないとの決議をすることに、中国外務省の陸慷報道局長は11日の記者会見で「期限が来れば必ず『非市場経済国』として扱うことを取り消す。これはすべてのWTO加盟国の義務だ」と述べた。12月に自動的に市場経済国に移行するとの従来の主張を繰り返した。


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