中国語  日本語
ホーム > エンタメ > 記事全文

卓球伊藤美誠(上)強心臓 成長の原動力 強烈フォアで「最低でも銀」
2016-07-05 09:28:09   From:日本経済新聞   コメント:0 クリック:

   リオデジャネイロ五輪前最後の国内での試合となった、先月の卓球ワールドツアー・ジャパンオープン。中国の誇る世界女王、丁寧に1―4と完敗した伊藤美誠(スターツ)の口ぶりは敗者のそれではなかった。「どっちが勝ってもおかしくない試合だった。丁寧選手とは、どっこいどっこいになってきたと思う」

 

最年少で五輪へ

 

 4月の五輪アジア予選でも対戦し、金星を挙げていた記憶が言わせた面もあったろう。それでもビッグマウスはいつも周囲を驚かす。女子監督の村上恭和は半ばあきれて言う。「いいプレーだけ覚えて、やられたプレーは忘れちゃう。強くなるにはいい性格かも」。この後、翌日に丁寧との対戦を控えた日本選手に「対応能力は低いから」と助言したというおまけ付き。

 物おじしない性格こそ、伊藤を急成長させた原動力だろう。昨年9月、石川佳純、福原愛とともに五輪の団体戦メンバーに内定。その8カ月前は世界ランク41位だったが、ツアー最年少優勝、世界選手権シングルス8強の進撃でロンドン大会代表の平野早矢香らを追い抜いた。15歳9カ月での五輪はアテネ大会の福原に並ぶ日本卓球界最年少だ。

 早熟な選手が多い日本卓球界にあって、伊藤が頭一つ抜け出したのはハートの強さだけが理由ではない。「年齢の割に下半身がしっかりしていて、フォアハンドが強い。福原や石川もあそこまで打てなかった。そこがラケットコントロールのうまさだけで勝ってきた若い選手との違い」と村上。前陣でのカウンターブロック、相手を惑わすバックハンドレシーブとともに豪胆なフォアのスマッシュは代名詞になりつつある。

 初出場だった世界選手権団体戦(2月28日~3月6日、クアラルンプール)。2012年ロンドン五輪、14年東京大会に続いて日本が銀メダルを獲得したリオ五輪の前哨戦で、伊藤の存在感は大会を通して増していった。

 

大役任され逆転

 

 1番手を務めた準々決勝は、1次リーグで敗れていたドイツとの再戦。石川、福原を差し置いて難役を任され勝利をつかんだ。劇的だったのは北朝鮮との準決勝だ。第1試合で敗れ、再び出番が回ってきた第4試合。カットマンを相手に第1ゲームを落とし、第3ゲームも18―20で競り負けたところから残り2ゲームを連取して逆転勝ち。強心臓で鳴らす15歳も、涙を抑えることができなかった。

 この粘りにも村上は驚いた。「カットマンに勝つには(チャンスボールを狙う)度胸と(慎重につなぐ)忍耐、そしてクレバーに分析しないといけない。それを全部やりきった。普通は18―20で落とした時点で終わり」。独特のムードに包まれる団体戦。五輪代表に選んで以降、一抹の不安を感じてきた村上も「リオのメドが立った」と自信を深めている。

 「一番の目標である東京五輪のためにもリオで一度経験しておきたい」と伊藤が語っていたのは1年余り前のこと。目線が上がった今、「経験するだけの舞台じゃない。最低でも銀メダル」と言い切る。妹分には収まらない風格が漂い始めている。


熱に関連する単語の検索:卓球 伊藤美誠 成長

前の記事:すでに尿検査も…涙で謝罪した高島礼子がやっぱりつらすぎる
次の記事:火星回る2つの衛星 巨大な天体、衝突で誕生 東工大・神戸大など解析

分享到: 收藏