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第2回中国美術品里帰りオークション
2012-09-15 15:21:08   From:日中新聞日本語版526号   コメント:0 クリック:

 株式会社全日本オークション(代表取締役社長:左明貴子)は8月30日から9月1日まで東京・六本木の泉ガーデンギャラリーで「第二回・中...


 株式会社全日本オークション(代表取締役社長:左明貴子)は8月30日から9月1日まで東京・六本木の泉ガーデンギャラリーで「第二回・中国美術品里帰りオークション」(下見会・オークション)を開催した。このイベントは日本国内に存在している中国美術品を里帰りさせるというもので、大陸・香港・台湾の収集家・投資家・コレクターを日本に招き、開催してきたもので今年から春・秋の2回にわたって開催している。

 現在、中国富裕層の美術品に対する投資意欲には目を見張るものがあるという。特に日本に渡来している中国古美術作品は、秀品が多いため、中国人コレクターや投資家の垂涎の的となっている。1点が数億円もする作品を購入する投資家やコレクターは数多いのが現状だ。
 ㈱全日本オークションでは、こうしたニーズに対応するために中国美術品の専門家・中国と日本のコレクターや投資家及び各界の有力者らとの緊密なネットワークをベースにして設立した。
 今年春(2月25日)に行われた公開オークションには中国の芸術品418点と多数に上った。このオークションでは3億3000万円の取引が行われた。しかし、今回に秋の公開オークションは286点と減少した。欧州経済危機に起因する世界同時不況で中国の芸術品市場も40%の急落となっている。しかし、代表取締役社長の左明貴子さんは「量に対しては拘っていません。あくまでも質を重視していますから」という。 
 今回の公開オークションでは8月30、31の両日に下見会を行い、公開オークションンは9月1日午前10時から行われた。会場には多数の中国人コレクターや投資家が詰めかけ、熱気であふれていた。
 左社長は「自分の目で贋作か本物かを、しっかりと確認して欲しいということで、当社では2回にわたって下見会を行っています。他のオークションでは下見会を開催せず、いきなりオークションというところもあります。しかし、当社は懇切丁寧なお客様サービスを心掛けています」
 オークションは芸術品の収集はもちろん、豊富な買い手リストを保有していなければ成り立たないビジネス。全日本オークションの場合は中国大陸・香港・台湾の投資家やコレクターを5000人も擁している。
 問題はこうした人々に価値ある作品をいかに提供するかが課題だ。その意味で日本での芸術品収集は重要な仕事になる。左社長は「日本のコレクターの皆さんは中国の文化が好きで中国の芸術品を大変大切にされています。その一方でご自分は長年にわたって十分鑑賞したので、他人に譲って是非鑑賞していただきたいと手放される方も多いですね。素晴らしい作品を本当に大事にしてくださる方に鑑賞していただくことは文化の伝承にもつながります」という。 

芸術作品と人的交流に拍車懸ける
オークションを通じて文化伝承を

 左社長は、芸術品のオークションの仕事を通じて投資家やコレクターの人たちの芸術を愛する心に惹かれたという。また、同時に大変勉強になったという。「私どもを信頼して作品を預けてくださるわけです。そのこと自体に責任感の重さとエネルギーをいただいています。大変やりがいのある仕事だと自負しています」と左社長。
 芸術品を愛する多くの人との出会い、そして優れた作品との巡り合い。芸術品を日本で探すのは並大抵の苦労ではないが、「絶えず頑張ろうという気持ちにさせていただいています」という。
 今回の大きな目玉は日本の政治家(故人)が生前に中国対外友好協会から贈られた画家・関山月(1912年~2000年)の絵画が2000万円で落札されたこと。さらに画家・黄永玉(1924年~)が950万円、毛沢東のサイン入り年賀状が950万円で落札されたことだ。
 前出の日本の政治家にはこんなエピソードもあった。半世紀前に日中貿易を切り開いた中国の政治家・南漢辰氏は1面の菊花石の「すずり」を日本に残していた。保管していたのは前出の日本の政治家の養女。南氏は中国政府の重鎮で中国人民銀行の初代総裁も務め、中国国際貿易促進委員会主席として50年代から民間協定による日中貿易を推進した。
 養女によると日中国交正常化の8年前に東京で開かれた中国製品見本市で代表団団長として来日した南氏が展示品の「すずり」を日本の政治家に渡した。この「すずり」に対して南氏は「国宝級」と語ったという。
 南氏は3年後に勃発した文化大革命で迫害を受けて死去した。日本の政治家も93年に亡くなった。養女はこの「すずり」は中国に帰すべきだと思っていたところ、左社長の存在を新聞記事で知り、「日中史の財産として、中国の人々が共有できる形にしてほしい」と要請した。この「すずり」はこのほど左社長が仲介して北京の中国国家博物館に「日中史の財産」として贈呈された。
 左社長は「日中国交正常化40周年という記念すべき年に大変意義ある催しを行うことが出来て感激しています。芸術作品を通じて日本と中国の友好が末永く続くことを祈っています。私は日本が大好きです。芸術作品と人的交流を通じて日中がますます仲良くなることを願っています」と語った。

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