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第25回日本映画批評家大賞、主演女優賞に多部未華子さん、主演男優賞に浅野忠信さん
2016-05-30 15:14:59   From:篠原功   コメント:0 クリック:

「映画は国の宝、その時代を生きる人々の心の鏡」――第25回日本映画批評家大賞が5月26日午後6時から東京芸術劇場で華やかに行われた。

  

フォトセッション

第25回日本映画批評家大賞
 
主演女優賞に多部未華子さん、主演男優賞に浅野忠信さん
 
 「映画は国の宝、その時代を生きる人々の心の鏡」――第25回日本映画批評家大賞が5月26日午後6時から東京芸術劇場で華やかに行われた。新人女優賞に『ソロモンの偽証』に出演した藤野涼子さん、新人男優賞に同じく『ソロモンの偽証』に出演した板垣瑞生さん、『グラスホッパー』に出演した山田涼介さんが選ばれた。このほか主演女優賞に『ピースオブケイク』に出演した多部未華子さん、主演男優賞に『岸辺の旅』の浅野忠信さんが選ばれた。また、ダイヤモンド大賞には吉永小百合さんと山田洋次さんが選ばれた。
 
 最初に特別賞が贈呈された。まず、数々のドラマを刻んできて63年間の幕を閉じた豊島公会堂。さらに松永武さんが1997年、映画研究のために約60年わたって収集してきた映画芸能関係の資料を北九州市門司区の自宅で無料公開してきたが、2009年にこれらの資料をすべて北九州市に寄贈、「映画の街・北九州」を誕生させた松永文庫。76歳で初監督作品『ゆずり葉の頃』で監督デビューした中みね子さんにそれぞれ贈られた。
 また、新人監督賞に松永司さん(『ハッピーアワー』、選考委員特別賞に監督の濱口竜介さん(『味園ユニバース』)、編集賞に伊藤伸行さん(『天空の蜂』)、脚本賞に真辺克彦さん(『ソロモンの偽証』)、撮影賞に町田博さん(『FOUJITA』)、ドキュメンタリー作品賞に『氷の花火~山口小夜子』がそれぞれ選ばれた。
 松永さんの受賞ではタレントのうつみ宮土里さんが花束を持ってステージに現れ、夫の愛川欽也さんは、映画が大好きで、観ること、作ることに懸命だった。32歳で初めて映画を作り、生涯で8本の映画を世に送り出したと語り、「映画が楽しめる、作れる――そのためには平和が大切なんだと語っていた」と生前の愛川さんの言葉を紹介した。
 新人女優賞は『ソロモンの偽証』での熱演が光った藤野涼子さんが選ばれた。藤野さんは1万人の中から33人に絞られ、最終的に主役の座を射止めた。批評家の垣井道弘さんは「泣き虫だが立ち直りも早い。真っ直ぐなところが胸に迫ってくる。人間として女優として大きく育ってほしい」と批評した。藤野さんは「先輩たちのようにいい演技をして頑張りたい」と決意を述べた。
 新人男優賞は同じく『ソロモンの偽証』に出演した板垣瑞生さん。「アマチェアでヒヨコの自分が賞をいただいた。これを家宝にして精進していきたい」と語り、もう一人の新人男優賞の山田涼介さん(『グラスホッパー』)は「猟奇的な役だったが、受賞は光栄。撮影が終わった後、血だらけで浅野さん(忠信)とお風呂に入り、浅野さんから『映画にどんどん出なさい』と言われた。映画に貢献できるような役者になりたい」と語った。


主演男優賞の浅野忠信さん


主演女優賞の多部未華子さん


新人男優賞の板垣瑞生さん


新人男優賞の山田涼介さん


新人女優賞の藤野涼子さん


ダイヤモンド大賞の山田洋次監督
 
◆ダイヤモンド大賞に吉永小百合さん、山田洋次監督
 
 ゴールデン・グローリー賞は草村礼子さん、仁科亜希子さん、浜田光夫さんが受賞した。草村さんは「小学校の頃に大好きな映画に出会った。その後、四半世紀を映画とともに生きてきた。100歳まで現役で頑張りたい。映画で元気になり、ニコニコしてほしい」と微笑んだ。
 また、仁科さんは「63年の中で何度も大きな病気をしてきたが、頑張ってきたので神様がご褒美をくれた。今後も賞に恥じないように頑張りたい」と語り、浜田さんは「日本映画の黄金期の昭和35年に運よく映画に出て、その後、とんとん拍子に映画に出てきた。この賞をバネに頑張りたい」と語った。
 この後、『駆込み女と駆込み男』の満島ひかりさんが助演女優賞、『ビリギャル』の伊藤淳史さんが助演男優賞を受賞した。満島さんは「年齢より上の色っぽい役をやらせてもらった。先輩たちをいろいろ見習い、スタッフやキャストの皆さんに助けてもらい感謝している。少しずつ素直になり頑張りたい」と語った。また、伊藤淳史さんは「素晴らしい賞は光栄。奇跡を起こして慶応大学に合格させるという教師の役。頑張った分だけ結果が出る。スタッフの皆さんに感謝している」と語った。
 多部未華子さんは、『ピースオブケイク』で主演女優賞を受賞した。批評家の平山充さんは「2005年に新人賞を受賞してから10年になる。身長も高くなり、演技の幅も広がった。10年の月日が大人にした。今後はコメディアンとしての飛躍も期待している」と批評した。多部さんは「一つの作品で喧嘩したり、支えあったり。老若男女が集まって完成させた。演じる年齢も職業もさまざま。今後も苦しんだり、楽しんだりして頑張りたい」と語った。
 浅野忠信さんは『岸辺の旅』で主演男優賞を受賞した。批評家の津島令子さんは「3年にも及ぶ失踪後、突然、妻の元へ姿を現す男を演じたが、この役は浅野さんしか演じることができない」と批評すれば、浅野さんは「若い時から映画の現場に身を置いてきた。映画の現場は大変だが、今日、賞をいただき、頑張らないといけないと思った。運が良くて監督やスタッフに恵まれ、面白い映画にたくさん出ることができた」と振り返った。
 このほか、監督賞を『バクマン。』の大根仁氏、作品賞を『ソロモンの偽証』が受賞した。また、ダイヤモンド大賞を吉永小百合さんと映画監督の山田洋次さんが受賞した。吉永さんはこの日、スケジュールの都合により欠席し、ビデオメッセージを寄せた。吉永さんは、山田監督と一緒に受賞したことに「光栄!」と語り、「浜田さん(光夫)とは青春時代に95本の映画で共演し、助けてもらった。119本の映画に出演したが、映画が大好き。これからも映画の世界で仕事ができれば。見守っていただけたらありがたいです」と語った。
 一方、山田監督は「年を取ったらどんな映画を作ればいいかと考える。力が抜けて軽やかな、年老いた人間しか作れない作品を作ろうと思っていたところに賞をもらった。淀川長治賞ありがとう」と語った。

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