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骨董品鑑定の真髄、オークション市場の現状と将来
2017-01-06 18:45:18   From:篠原功   コメント:0 クリック:

このほど文化部藝術品評估鑑定委員会委員、北京榮寶拍賣有限公司主席拍賣師の左安平氏(副總経理)が来日したので鑑定のあり方、オークション市場の現状と未来について聞いた。


左安平副總経理

骨董品鑑定の秘訣、オークション市場の現状と将来
 
文化部藝術品評估鑑定委員会委員、北京榮寶拍賣
有限公司主席拍賣師の左安平氏(副總経理)に聞く
 
 中国では近年、筆、硯、墨、紙の文房四宝と印章、書画骨董などを売買する市場が活況を呈しているが、その大取引の場が骨董品オークションだ。ここで重要な役割を果たしているのが優れた骨董品検定士、鑑定士、オークション専門家で、健全な取引を促進するのがこうしたプロの確かな目だ。このほど文化部藝術品評估鑑定委員会委員、北京榮寶拍賣有限公司主席拍賣師の左安平氏(副總経理)が来日したので鑑定のあり方、オークション市場の現状と未来について聞いた。
 
◆「真・精品・保存性」を重視
 北京榮寶は、北京市西城区の琉璃厰に位置する。筆、硯、墨、紙の文房四宝と印章、書画骨董などを販売する中華老字号の老舗だ。清朝康熙11年(1672年)に松竹斎として開業したというから伝統・実績を兼ね備えた権威ある老舗中の老舗だ。1894年から現在の名称になり、「北に栄宝斎、南に朶雲軒(上海の朵云轩)あり」という言葉があるように、多くの文人墨客が訪れることで知られている。
 左氏は、この北京榮寶副総経理として活躍してきた。こうした品物の取引では本物と偽物を見分けることが重要だ。そこで左氏は検定士・鑑定士として、さらにオークション界の第一人者として、それらを見分ける検定・鑑定を行い、投資者に正しい知識を付与する一方、市場の未来を予測し、的確な投資情報も提供している。
 左氏がこの世界で確固たる実力者であることは、中国のコングロマリットである万達グループの投資顧問や、上場企業の新疆廣江の芸術顧問といった重職を兼務していることからも解るだろう。
 芸術品市場は若干下火傾向にあるが、これからは選び抜かれたものを売買する傾向が強まるという。「その際、真(本物)であり、精品(良質なもの)であり、古くても保存性があるものが選ばれる」と強調する。


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◆30年のキャリア、実力は折紙付き
 特に収蔵画の取引は依然堅調だという。この市場には富裕層が参入しているが、投資家の鑑定能力はまだまだそれに追い付いていない。そこで勢い失敗しない投資術が求められ、左氏のような検定士・鑑定士、オークション界のプロが本物と偽物を見分ける鑑定眼を養うよう指導することになる。
 左氏は、こうした指導を30年間にわたって行ってきた。したがってその実力は折り紙付き。前述した企業の芸術・投資顧問以外にも、政府機関の顧問をはじめ、清華大学清博委員会芸術委員、同大五道口金博芸術協会顧問、中国国家画院芸術委員などの重職も兼務している。このほか、骨董品展覧会の開催で中米文化交流を促進する中米貿易促進会実行会長を務めており、1月27日にはアメリカで中国の春節パーティーを催す。このパーティーにはアメリカの有名俳優、一流企業のトップなどVIPが多数参加する。
 
「文化を愛し尊敬する気持ちが大切」
自身も書画をたしなみ、篆刻も手掛ける
 
◆鑑定は5分野から厳しく精査
 左氏は自ら検定・鑑定を行うだけでなく、後進の育成にも力を注ぎ、講習会・講演会をなども頻繁に開催している。後進にノウハウを伝授し、ビジネスを活性化する一方、市場の健全化にも寄与している。
 一昨年秋にはロサンゼルスで中国を代表する著名なオークション検定士・鑑定士として中米文化工作について講演を行ない、好評を博した。また、中国で有名な中国国家博物館精品展で、中国美術協会主席の劉大為、国家画院常務副院長の盧禹舜の両氏と並んで、左氏もスピーチした。
 ちなみに左氏個人は、芸術品にどのような興味を持っているのだろうか。「私は投資だけでなく、文化を愛する気持ちを大切にしている。その国の文化や平和を愛する気持ちを尊敬することだ。日本の芸術品の場合は、日本画、壺、銀製品、銅製品が気に入っている」と語る。左氏は、自身も書画をたしなみ、篆刻も行う。検定や鑑定、さらにはオークションを開催するためには、その世界に没頭しなければ作家や作品に肉薄できないからだ。
 さらに鑑定で重視していることについても聞いてみた。まず、「鑑定は5分野から厳しく精査する。紙の年代、印鑑、筆の使い方、表装の仕方、書法だ。印鑑は複製できるし、画も複製できる。しかし、書は一気に書き上げるから模倣することはできない」という。
 また技量だけでなく精神面も重要だという。「文化に対して高度な理解があれば、芸術品の良し悪しはすぐ解る。そのためには文化に対する高度な教養や思考が必要だ。例えば水墨画の場合は、画くときの筆や墨の変化を理解することだ。それに精通すると本物か偽物かの判別ができる。さらに書画家の個性や特徴を熟知することが必要だ」と語った。

  左安平氏のプロフィール】
   1962年9月2日北京に生まれ、中国社会科学院研究生院卒業し、考古と文物鑑定を専攻した。1986年に北京栄宝斋に入り、書画商売に従事。同時に著名書画鑑定専門家王大山先生に師事、鑑定書画を修得する。1994年に北京栄宝拍賣有限公司に入り、書画募集と鑑定に従事し、北京栄宝拍賣有限公司首席拍賣師となる。
   1997年に中国身体障碍者連合会、中国保利拍賣公司、北京匡時拍賣公司等会社の100以上のオークションイベントの司会を担当し、オークション中新芸術品の最高記録を作った。長年にオークションに従事し、多くの実績を遺し、業界関係者から中国オークション界の第一人者と賞賛されている。
    現在職務は次の通り。
    北京栄宝拍賣有限公司業務総経理▽中国初めて国家登録拍賣師▽中国文化部艺术品評価鑑定委員会委員▽中国非物质文化遺産委员会芸術顧問▽中国国画研究院芸術顧問▽清华大学金博芸術協会顧問委員会委員▽中国労働社会保障部指导センター講師▽中国画家協会理事▽北京中博雅文物鑑定センター専門家委員▽中国儒释道(アメリカ)文化傳媒センター董事▽美中经贸文化促进会執行会長
 

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