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言論NPO「東京会議」で外務大臣の岸田文雄氏が「特別講演」
2017-03-09 18:25:48   From:篠原功   コメント:0 クリック:

言論NPOの「東京会議」オープンフォーラムで行った外務大臣の岸田文雄氏の特別講演の大要は次の通り。


岸田外相
  
言論NPO「東京会議」オープンフォーラム
 
外務大臣の岸田文雄氏が「特別講演」
 
外交政策には確固たる「羅針盤」が必要
自由・民主・自由貿易・法の支配を強調
 
 言論NPOの「東京会議」オープンフォーラムで行った外務大臣の岸田文雄氏の特別講演の大要は次の通り。
                                    
 岸田氏は、先進国では雇用、難民・移民問題をはじめ、反グローバリズム、ポピュリズムの動きが台頭していることを指摘。一方、アジアでは力による一方的な現状変更への不安が増しており、それが一過性のものかどうかを見極めていく必要性があるとしたうえで「どうあっても国際秩序、自由と民主、自由貿易、法の支配という基本的価値観は揺らいではいけない」と強調した。
 さらに、これらは2度の世界大戦の反省の上に築かれた。戦後、世界が大切にしてきた原則的価値観だ。それによって負の問題に真剣に対処する必要があると述べた。
 特に「北朝鮮の核・ミサイル開発は新段階に入っている。東シナ海・南シナ海の力を背景にした現状変更、国際法に基づかない動きに注意しなければならない」と語った。また、岸田氏は、今年は世界的な変化が想定され、不透明さが増していると述べ、だからこそ「外交政策における羅針盤が必要であり、それは自由と民主、自由貿易と法の支配という基本的価値観である。それによって具体的な課題に対処し、しっかりとした舵取りをしていきたい」と決意を述べた。
 また、「今後は極端な議論に走らず、バランスが重要であり、それがキーワードになる」とし、バランス重視の政策・外交を進めていくと述べ、「わが国は、安全保障環境の厳しい現実を直視し、毅然とした対応をしなければならない。国民の命や暮らしを守るための安全保障についてしっかり考え、同時に好ましい国際環境を作るための政治対話や外交努力が必要だ。ここでもバランスが重要である」と述べた。
 さらにいずれの国においても雇用、経済対策が重要課題として浮上しており、その課題解決のためには世界経済を中・長期的に捉え、地球儀を俯瞰する視点で地域を見ていくという、バランスのとれた外交の必要性を強調した。
 
◆違いを乗り越え、対話で国際協調を促進
 
 ここで岸田氏は、外交を進めるうえで重視すべきポイントを二つ挙げた。
 一つ目は、日米同盟を日本外交の基軸にし、自由・民主・法の支配という基本的価値を戦略的利益にするということ。
 特にアジアの安定は日米共通の課題であり、戦後71年間強化してきた日米同盟で地域の平和と繁栄を守るという政策を新ガイドライン、平和安全法制として確立、抑止力・対処力を強化してきたと力説。「先般の日米首脳会談では良いスタートを切った。これを基礎として政策を進めていくことになるが、日本の考えを理解してもらう努力を続け、国際社会に対するコミットメント、リーダーシップを発揮していきたい」と語った。
 二つ目は、自由貿易は重要な基盤であるということ。この点について日米首脳は自由・公正ということで一致したとして、そのスタンダードな姿がTPPであり、日本がイニシアティブを取り、求心力を強めながら、議論を深め、自由貿易の旗を振り続けたいと強調した。
 そのためにもG7の重要性が高まるとし、G7が自由・民主・自由貿易・法の支配という基本的価値を築き上げてきたことを指摘。「国際協調主義・グローバル主義に挑戦しているところだ」と語った。
 「そこで重要なのは対話の枠組みであり、G7は基本的価値を共有する集まりである。その連携の重要性はますます高まるだろう」と強調した。特に日本はG7の安定に貢献する覚悟が必要だとし、「激動する世界にあって思考停止は許されない。違いばかりを強調するのではなく、不透明だからこそ対話が大切。対話に基づいて外交を展開していきたい」と決意を述べた。
 

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