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一般社団法人 日本私立歯科大学協会が『第7回 歯科プレスセミナー』を開催
2017-03-17 18:30:52   From:篠原功   コメント:0 クリック:

一般社団法人日本私立歯科大学協会は、3月7日、『コンファレンススクエア エムプラス 「サクセス」第7回 歯科プレスセミナー』を開催した。


長谷川博雅氏


前田初彦氏

 一般社団法人 日本私立歯科大学協会

『第7回 歯科プレスセミナー』を開催
 
「歯科医学・歯科医療から国民生活を考える」
各エキスパートが研究分野の「最前線」を紹介
 
 一般社団法人日本私立歯科大学協会(所在地:東京都千代田区、会長:井出 吉信)は、3月9日、コンファレンススクエア エムプラス 「サクセス」(東京都千代田区)で『第7回 歯科プレスセミナー』を開催した。


◆「歯科」から人々の健康な生活をサポート

 このセミナーは「歯科」から人々の健康な生活を考え、サポートすることの重要性を広く認識してもらうことを目的に、同協会が2010年から開催しているプレスセミナーで、今年で7回目を迎えた。
 今回は、近年、口腔がんの増加などを背景に口腔の衛生環境が注目されていることから、「お口の中のあんな病気、こんな病気―虫歯と歯周病以外にも驚くほどたくさんの病気が!」と、「口腔病理学から観たASEAN経済共同体後のアジアにおける歯科医療への日本の戦略的役割」をテーマに講演を行なった。それぞれの専門家による最前線の研究結果を、参加した29名の報道関係者に伝えた。
 「お口の中のあんな病気、こんな病気―虫歯と歯周病以外にも驚くほどたくさんの病気が!」というテーマで講演を行ったのは、松本歯科大学歯学部長/同学歯学部口腔病理学講座教授の長谷川博雅氏。

◆「虫歯」「歯周病」だけではない「口の病気」
 
口腔病理を診断する専門医である口腔病理医の業務は、細胞診断、組織の生検や術中迅速判断、病理解剖である。現在、一般社団法人日本病理学会から口腔病理専門医が認定されている。
 口の病気には、二大疾患である「虫歯」と「歯周病」以外にも「感染症」、「嚢胞(のうほう)」、「アレルギー」、「先天奇形・先天性疾患」、「腫瘍」、「外傷」など多くの種類があるが、今回は特に舌、歯肉あるいは頬などの粘膜に起こる病気を中心に紹介した。
 口の粘膜に起こる病気には、唾液がたまって袋状になる「粘液嚢胞」のほか、麻疹ウイルスやヘルペスウイルスなどによる「ウイルス感染症」、カンジダ症に代表される「口腔カンジダ症」といった感染症がある。
 また、注意が必要な口腔がんの予備群として口に発生する病変で怖いのは「口腔(こうくう)がん」で、そのほとんどが「扁平上皮癌(へんぺいじょうひがん)」だ。
 その病気自体はがんではないが、がんになる可能性がある「潜在性悪性疾患」に「口腔扁平苔癬」「白斑症」「紅斑症」「慢性カンジダ症」「ニコチン性口内炎」などがある。これらは粘膜の変色が特徴なので、兆候があれば検査をしたい。

◆歯科の定期健診でがんを早期発見・早期治療

 2015年のデータでは、がんで死亡する方の約2%が口と喉(口腔と咽頭)のがんで、この約50年間に死亡者数が10倍以上に増えた。背景には高齢化があり50歳くらいから口腔がんのリスクが急激に高まり、男性では70代前半が発症のピークである。また、高齢者には複数カ所に腫瘍ができる広域癌化がよくみられる。
 口と喉のがんは粘膜に発生するため、目視検査や触診で兆候を見つけることができ、細胞診のための採取も容易で、早期であれば簡単な処置で済む。歯科受診が、早期に発見につながるので、定期的な健診を勧めたい。
 「口腔病理学から観たASEAN経済共同体後のアジアにおける歯科医療への日本の戦略的役割」というテーマで講演を行なったのは愛知学院大学歯学部 口腔病理学講座教授/日本病理学会口腔病理専門医研修指導医 前田初彦氏。
 2015年にASEAN経済共同体が発足した。ASEANの発展途上国では、歯科医師および関連医療従事者の数が不足している上、「ビンロウ」(アレカ椰子)の種子を噛む文化があるため、口腔がんの発生率が高い。

◆アジアの歯学教育の問題点と日本の戦略的役割

 愛知学院大学歯学部では、日本口唇口蓋裂協会と共同して、口腔病理診断の教育・研修の援助や、歯科診療ボランティア活動をアジア各国で行ってきた。それに続き、2010年から2012年に、日本学術振興会(JSPS:Japan Society for the Promotion of Science)の助成を受けて「新世紀に向けたアジアにおける口腔病理学の標準化と専門医化動向に関する戦略的調査」を行った。
その結果、マレーシアとスリランカは、口腔病理学の教育と口腔病理診断が行われているが、他の国では、口腔病理専門医の資格制度がなく、口腔病理学教育も行われていないケースもあることがわかった。
 教員の質と数の不足に対しては、日本の私立歯科大学による留学生受け入れのほか、教員などの人的資源を現地に供給し、主導権を握っていくことが望ましい。今後は、英語と母国語のできる人材を育成していくことが必要となる。
 口腔病理学講座の不足に対しては、すでに愛知学院大学歯学部口腔病理学講座、附属病院口腔診断部が、アジア諸国から歯科医師を招聘して教育し、母国における教育のリーダーを養成する活動を実施している。
 
◆ICT(情報通信技術)活用の歯科医療教育

 このほか、ICT(情報通信技術)を活用した歯科医療の教育コンテンツを提供することも有効だ。日本臨床口腔病理学会のMedical e-learningの英語版、各国語版の提供や、スカイプを利用した授業も可能である。併せて「歯科衛生士」の育成支援も行うべきであると述べた。
 ASEAN諸国の都市部や高額所得者層では、歯科医療の需要が高まっており、日本の歯科医師免許が使用できるカンボジアでは、日本人による歯科医院が開設されている。インドネシアのバリでも、現地歯科医師との共同開設で歯科医院が開設されている。その一方、郡部に住むBOP(Base of the economic Pyramid)層は、ほとんど治療を受けられないのが現実である。
 口腔がんの予防・治療を進めるにはICTの活用が有効だ。都市部では高度な診療遠隔医療システム、郡部では「特定非営利法人日本口腔粘膜機構(JOMNET)」などが提供する遠隔検診・スクリーニング方法の応用が可能である。患部の画像を携帯電話で日本へ送信し、日本の専門家が診断し、アドバイスを添えて返信することで、BOP層の口腔がんスクリーニングを行うことができる。

◆遠隔診断システム導入で日本の医療格差解消

 このような遠隔診断システムの導入は、それをモデルとした日本の無医村へのリバースイノベーションとして活用し、日本の医療格差を解消するヒントともなる。
 ASEAN経済共同体後のアジアにおける歯科医療への日本の戦略的役割としては、高度な歯科医療ではなく、BOP層の医療格差を解消できるようなシステムを構築することが重要であり、現実的であると考える。
 このように、開発途上国に対しては、箱モノの支援より、私立歯科大学によるFace‐to-faceの教育援助活動が有効である。また、活動継続のためには、国からの支援も必要である。
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