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第58回研究会・シンポジウムを開催
2013-05-03 17:41:00   From:人民日報海外版.日中新聞日本語版556号   コメント:0 クリック:

独立行政法人 科学技術振興機構(JST)・中国総合研究センター 主催 講師に蔡成平新浪財経日本支局長を招き 中国マスメディアの近現代史を講演


市民の間に広がる「微博(ウェイボー)」
携帯情報端末が中国社会を変える?
 
 さる3月21日、東京都内において、独立行政法人 科学技術振興機構(JST)・中国総合研究センターの主催で、第58回研究会が開催された。今回は、中国の大手ポータル「新浪網」のニュースサイト「新浪財経」の日本支局長である蔡 成平氏を講師に招き、「中国マスメディアの実態と微博革命」と題する講演が行なわれた。「微博(ウェイボー)」とは、中国のソーシャルメディアで、「中国版ツイッター」とも呼ばれる情報サービス。書き込む文字の制限(140文字)はあるものの、ユーザー同士が気軽に情報交換できることや独自のサービスなどが付加され、市民の間で広く普及している、という。近年ではビジネスツールとして、また新たな「ジャーナリズム」としての利用・期待も高まっている、という。当日は100名を越える人々が集まり、熱心に耳を傾けた。ネットリテラシー(情報ネットワークを正しく利用することができる能力)
 
 
大きく変わった中国の新聞媒体
80年代以降、急速に媒体数増加
 
 講演が始まると、「新浪財経」の日本支局長である蔡 成平氏は、中国のマスメディア政策、メディアの変化、そしてネットメディアの発展について詳しく概要を紹介した。
 中国メディア、特に紙媒体の管理体制だが、中央宣伝部を頂点にツリー構造で各省における宣伝部が連なっている。また出版に関しては「国家出版総署」があり、テレビ・ラジオなどの専門部署あったが、先ごろ、国務院の合併の中でこの二つの部門が合併され「国家出版広電総局」に、そしてネット管理のため国務院に「ネット管理弁公室」が開設された。中国では「中央宣伝部」と「国家出版広電総局」そして「国務院ネット管理弁公室」という3つの部門でメディアを見ている。
 さる1月9日、香港の「亜州週刊」は、中央の大手新聞だけでなく、地方の影響力のある有力新聞についても、各省の宣伝部を通じて、出版前に記事をチェックする「閲評員」体制・方針が進められている、と報じた。「亜州週刊」は今日、全世界で発行されている唯一の中国語による週刊誌。
 蔡氏は「中国マスメディアの変容」として、新聞メディアの変化を紹介した。1949年当時、中国内には計281種の新聞が発行されており、50年代、60年代を迎えると、紙による媒体は1700種を越えていた。その後、文化大革命によってマスメディアは「人民日報」や「解放軍報」など、党と軍の機関紙に限定され、その種類は42まで減じた。文革の終了とともに紙媒体は急増し80年時点で382種に、そして89年には規制前と遜色のない1618種へと増加していった、という。発行部数も80年時点で約7415万部から、89年には1億5148万部へと順調に増加していた。
 80年代以降の中国の新聞メディア、その変化の特徴の一つとして、「党機関紙の減少」と「都市報の増加」がある、と蔡氏。「文革」当時と異なり、改革解放政策の進展に伴い、党機関紙の多くが発行部数を減じており、79年時点で600万部を数えた「人民日報」はね91年時点で約200万部に減った、という。この間、部数を伸ばしたのは「青年報」や「経済日報」などの専門紙や庶民の生活を中心とした「夕刊紙」あるいは、海外情報などを転載している「参考消息」といった媒体が部数を伸ばした、という。
 一方、90年後半に入って、成都や武漢、広州などで「都市報」を次々に発行、新聞社自身が販売網を確立。熾烈な販売競争が本格化したといい、「おまけ」戦略や「値引き」なども激化した、という。こうした地域情報の充実は党機関紙にも及び、首都「北京」の情報提供だけでは部数拡大に繋がらなくなっていった、という。
 また、熾烈な競争は中小新聞社の経営を圧迫、結果的に新聞メディアの再編・統廃合が進んだ。ある地域では、競争に伴う値下げで、通常価格の五分の1で販売されたケースや、「朝刊」「昼刊」「夕刊」の1日3回発行を進めた新聞社もあった。
 一方、こうした熾烈な競争の結果、新聞広告も右肩上がりに増加していった。99年時点の中国国内で発行されている新聞の高校収入は約110億元。この数字は1983年時点の145培に及んでいる。
 蔡氏は続いて、中国のネットメディアの近況について紹介した。ネットメディアの特徴として「現在、中国内で最も重視されているメディアだろう」「急激に変化し続けている今の中国の『速度』に唯一対応できるメディアがネットではないか」と紹介した。
 蔡氏は中国のインターネット黎明期から、「ポータルサイト」の発展といった「ネット産業の歴史」を紹介すると、現在、ネットメディアが抱えている課題、「産業化」「規制」「双軌制」「宣伝機関からの脱皮」を説明、その先にあるという「微博(ウェイボー)」について詳しく説明した。

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