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戯曲人物画東京展
2013-08-06 15:04:07   From:篠原功   コメント:0 クリック:

東京中国文化センター中国戯曲人物画上海研究会社団法人日中文化スポーツ協会中日平和友好条約締結35周年記念「粉墨雅集―中国伝統劇人物...




東京中国文化センター
中国戯曲人物画上海研究会
社団法人日中文化スポーツ協会

中日平和友好条約締結35周年記念

「粉墨雅集―中国伝統劇人物画東京展」

京劇・昆劇などの人物画40幅展示
中国作家7人来日、揮毫、京劇披露

【リード文】
 東京中国文化センターは、中国戯曲人物画上海研究会、社団法人日中文化スポーツ協会と共同で中日平和友好条約締結35周年記念「粉墨雅集―中国伝統劇人物画東京展」を開催した。この展示会は、中国の優れた芸術を紹介するため、古典演劇である京劇・昆曲などの伝統劇を題材とした人物画の創作作品約40幅を展示した。7月26日午後2時から東京中国文化センターで開幕式が行われた。この日は中国から作家たちも参加したほか、中日両国の伝統劇関係者も招待し、清唱(京劇の歌)を披露した。

【本文】
 開幕式では、最初に東京中国文化センター・センター長の石軍氏が挨拶した。石軍氏は「中国伝統劇の成果は世界的広がった。京劇は世界文化遺産であり、それを世界に広めることで中国伝統劇を大いに発揚する。そのため中国は伝承・発揚する努力を続けている。今後もこの分野に多くの画家が加わり、伝統劇と人物画への理解が深まることを願っている」と述べた。
 続いて中国大使館領事部参事官の呂小慶氏と社団法人日中協会理事長の白西紳一郎氏が祝辞を述べた。最初に呂氏は次のように祝辞を述べた。
 「今日の展示会は雅な集い。文化や雅は人間の大切な要素。そこにこの展示会の重要な意義がある。特に東京中国文化センターで展示会を開催したことが重要な要素となっている。さらに中日友好・交流の中心である。京劇は中国の誇りである。その人物画展示会が日本で開催されるのは素晴らしい取り組みである」
 「私は以前に外交官として皇居に招かれ雅楽を見学した。そのときに印象に残っているのは中国と日本は文化的な繋がりが深く、すでに中国で失われている伝統文化が日本で生きているということである」
 「京劇役者の梅蘭芳は3度も日本に来ている。そのため日本で大変親しまれている。三国志も大変親しまれ、楊貴妃の墓もあちこちにあり、日本文化の一部になっている。その意味でこの展示会は大変意義深い」
 「先程、会場で三国志の趙雲を画を拝見した。韓国の女性大統領は初恋の人が趙雲だった。こうしたことからも東アジアの繋がりの深さを痛感する。京劇は一時期、伝承が危なかった時期があった。今回の展示会では絵で新しい継承が行なわれていることを実感した」
 「この展示会では誇張、写実、鮮烈なイメージを作り上げている。これらは人間にとって大切なこと。芸術は国と国の人民の理解を深め、心の架け橋になる。現在、日中間は困難な局面にある。だからこそこのような展示会は重要な意義がある。しかし、昨年は何百個ものイベントが行われた。文化は水が流れるように続いていることを示した」

李文培氏らが画家を代表して謝辞
「戯曲と人物画は中国の宝である」

 一方、白西氏は次のように祝辞を述べた。
 「現在、日中間は島の問題で揉めているが、引き分け、中庸の精神を発揮して解決したらよいのではないか。私は李文培先生を尊敬している。三国志は大変面白い。特に趙雲は勇敢な男で、若い時からファンだった。しかし、60歳を過ぎてもう一度三国志を読み返したら周瑜が好きになった。孫権と周瑜、劉備と諸葛孔明、毛沢東と周恩来――というようにいつの時代にも有能な参謀がいた」
 「京劇はいつの時代にも応用が出来て人間関係を偲ぶことができる。伝統京劇を見せてもらうと、政治・経済・外交に関わった人間から見れば、今の時代では誰に相当するかと想像を巡らすことも一つの楽しみだ。面白い絵が多いので、じっくりと楽しんでご鑑賞していただきたい」
 この後、社団法人日中文化スポーツ協会会長の李文培氏と中国戯曲人物画上海研究会会長の陳九氏が謝辞を述べた。
 まず、李氏は次のように謝辞を述べた。
 「戯曲と人物画は中国の宝である。中でも水墨画と人物画は二つの宝の融合であり、集合である。京劇や水墨画は日本で大変愛されている。その意味で人民の友好交流の架け橋になると思う。戯曲人物画は省略・誇張・偽物を本物に見せるというのが特徴。戯曲人物画は写実的で水墨画と同じ」
 「明、清の時代の文人は新しい活力を注入した。なぜ活力が出てきたかというと、文人の個人的な嗜好が注入されたからである。つまり戯曲人物画は画家の個人的嗜好の乗り物になっている」
 「水墨画は劇の中に画を、画の中に劇を表している。水墨画は画家の精神を表すと同時に、絶えず新しい発見をしている。したがって水墨画は古くて新しいものである。伝統の中に現代的な感覚を併せ持っている。伝統の継承の中から新しいものを発現している」
 「この会場で展示されている戯曲人物画は、画家によって表現が異なっている。芸術的な違いも大いに楽しむことができるだろう。水・墨・線・色が一つになり、美しい画が生まれている」
 「芸術の発展では探求が必ず必要。芸術が繁栄するための不可欠の要素である。東洋には強靭な生命力がある。その強靭さが作品に込められている。今年は中日平和友好条約締結35周年を迎えた。中日友好が大きな木に育つよう頑張りたい」
 一方、陳氏は次のように謝辞を述べた。
 「今回の戯曲人物画展からは中国5000年の伝統が見てとれる。私は梅蘭芳コレクションだった人物画を目にしたことが、戯曲人物画に入るきっかけになった。戯曲人物画は伝統劇と絵画を融合、東洋文化を凝縮したものである」
 「このような戯曲人物画は20世紀の文人たちが発展させてきた。先程、趙雲とか楊貴妃の話題が出されたが、戯曲人物画が東洋において文化として重要なものがあると認識している。本日展示の戯曲人物画は芸術家たちの伝統文化の粋が込められていると思う」
 「そのため中国にとっても日本にとっても、東洋文化として共感を呼び、誰にとっても親しみやすいものだと思う。このような文化交流会が頻繁に行われ、両国人民から喜ばれることを希望する。今回の主催者、イベントに携わってくれた皆さまに感謝申し上げたい」
 ここで中国から来日した7人の画家、プロデューサらが紹介され、来賓・来場画家らによってテープカット式典が行われた。また、作品鑑賞、揮毫交流会、京劇清唱(東京京劇クラブ)の呉敏、曹里の両俳優が京劇の名場面を演じた。
 

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