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「墨・劇-水墨で描く中国伝統劇-中国劉海粟美術館収蔵
2012-06-05 12:04:32   From:   コメント:0 クリック:

水墨画で表現された「中国戯劇」の主役たち 鮮やかな衣裳、名場面など独自の画風で表現






 

さる5月12日(土曜)から27日(日曜)まで、都内文京区に位置する日中友好会館美術館において、公益社団法人 日中友好会館並びに国立劉海粟美術館の主催で、「墨・劇-水墨で描く中国伝統劇-中国劉海粟美術館収蔵作品展」並びに京劇人物画の大家として知られる李 文培氏の「戯劇人物画新作展」が開催されている(協力:上海東方青少年国際文化交流中心、社団法人日中文化スポーツ協会)。中国の伝統的絵画技法である「水墨」を用いて「伝統劇」の役者たち、名シーンを描く「墨・劇」は、近年存在感を増している。伝統技法を踏襲しながらも、個々の画家が持つ独自な表現が追及された「墨劇」は、水墨画の新たな可能性を示している。今回、日中友好会館と上海市の「国立劉海粟美術館」は、「墨劇」の魅力を日本に紹介すべく作品展を企画したもので、5月11日には、同展の開会式が催された。日中友好会館の竹田勝年理事長、国立劉海粟美術館の張 堅館長、画家の李 文培氏、そして来賓を代表して中国駐日本国大使館より哈斯巴根一等書記官が出席、テープカット後、会場内ではギャラリートークも開催され、賑やかな開幕式となった。
(見出し)
総合芸術「戯劇」を水墨で描く
画家の個性が光る独特な表現も
(本文)
 上海市・虹橋地区に立地するに国立「劉海粟美術館」は、中国の新美術運動の創始者であり、中国の「近代美術教育の父」として名高い劉海粟氏(1896年~1994年)の偉業を称え、劉氏の作品収蔵、研究を目的に95年に設立された国立の美術館だ。5000平方メートルの館内には、劉氏の作品、代表的な油絵や中国画や書のほか、氏が収集した歴代の著名な芸術家、「程 十髪氏」や「関良氏」、「林 風眠氏」らによる書・絵画作品が収蔵されている。
 「劉海粟美術館」と日中友好会館が共同で開催したのが「墨・劇-水墨で描く中国伝統劇-」展だ。「墨・劇」とは中国の伝統的な絵画手法である水墨を用いて描かれた伝統劇の名シーン、人物画を指す。中国の伝統劇は、古くから「土偶」や「壁画」「年画」、「剪紙」、「影絵人形」など、様々な方法を用いて表現されてきた。近現代に入り、多くの文人画家らによって、「伝統劇」を演じる主役達の人物画、名シーンを水墨画で描く「墨・劇」が普及してきた。
 伝統劇が最初から内包している「文学性」や「音楽」「舞踊」「技法」を一体化した「総合芸術性」、あるいは劇として描かれる中国の「歴史」、物語の「思想」や「哲学」、そして、一つの動作で様々なことを表現する「写意性」は、多くの画家たちを魅了、作品のモチーフとして数多くの作品が描かれ続けてきた、という。
 伝統劇を演じる役者たちは、伝統的な技法、表現方法のルールを守り、踏襲しながらも、自身ならではの独特な表現を突き詰めていく。また戯劇で用いられる音楽や舞台美術、衣裳デザインなども同様だ。
 一方、画家たちも役者たちと同様に、画家としての感性から戯劇を見、独自の表現を打ち立てており、中国伝統文化の新たな可能性としても注目されている、という。
 今回開催された「墨・劇」展では、劉海粟美術館の数ある収蔵品の中から44点を選りすぐり公開している。
 今回、「墨・劇」展と同時に、京劇人物画家として名高い李 文培氏の作品展も併催された。氏は77年、歴史人物画「曹操」が全国美術展に入選、その後数々の賞を受けている大家だ。近年は日本で創作活動を続けており、今回、新作5点が公開された。
(見出し) 
中国「戯劇」と「水墨画」の共通点
劇が持つ哲学・思想も水墨の題材に
(本文)
 5月11日に開かれた「墨・劇」展の開会式は、来賓紹介の後、まず日本側主催者を代表して公益社団法人 日中友好会館の竹田勝年理事長がマイク前に立って挨拶した。竹田理事長は「今年は皆さんもよくご存知の通り、『日中国交正常化40周年』にあたる。この記念すべき年に日中友好会館の美術館において、『墨・劇-水墨で描く中国の伝統劇展』を開催することができ大変嬉しく思っている。同時に日本で創作活動を付けられている李 文培先生の作品展も併催でき大変光栄に思う」と語り、続けて「今回の作品展では、劉海粟美術館より作品44点をお借りし展示している。また李先生のご好意により新作5点を展示した」「『墨・劇』の魅力は、劇中の人物を描くだけにとどまらず、劇中の『哲学』、精神のバックグラウンドについても画家達が迫っていることをご理解いただければ、作品を楽しむ一助になるのでは…。こうした展示を通じて、中国文化が一層親しみやすくなり、日中双方で理解が進んでいくことを期待している」と語った。
 竹田理事長の挨拶に続いて、中国側主催者を代表して国立劉海粟美術館の張 堅館長がマイク前に立った。
 張館長は「本日、春爛漫の季節に中日双方により『墨・劇展』が盛大に開催されることを大変喜んでいる」「今回の日本での作品展開催にご協力いただいた皆さんに厚く御礼申し上げる」と語り、続けて「『墨・劇』展は、劉海粟美術館が長期にわたって取り組んできた美術展であり、中国文化部より『優秀公共推薦プログラム』に認定されている。03年よりカナダ、ドイツ、ウクライナ、シンガポール、オーストラリアなど世界各国と中国国内の数多くの場所で展覧会を開催してきた」「各地で大変高い評価を受けてきた」と語る。
 また張館長は「本展は中国の伝統的な戯劇、物語を題材に、水墨画という表現形式を用いて創作された芸術の一つ」「作品は戯曲と絵画が中国の文化、社会において共通点があることが見出され、中国の芸術における興味深い一面が現れている」「今回の美術展を通じて、私達は中日両国、そして上海と東京という二つの都市の間で、文化交流が促進されることを願っている」と語った。
 次に、同時開催展の主役である画家の李 文培氏が挨拶のためマイク前に立った。李氏は「本日より日中友好会館において、皆さんは中国の伝統戯劇を題材に、水墨で描かれた人物画を鑑賞いただけるようになった」「芝居の人物画は、芸術家のそれぞれの感性が表現されている。『墨・劇』は戯劇と水墨画を融合させた独特の魅力を発揮している。芝居と水墨という二つの伝統の確かな融合だとも思っている」と語る。李氏は「劉海粟先生の作品、そして劉先生が所蔵された緒類な画家たちの作品と、海外の美術館で私の作品が同時に展示されることは大変光栄なこと」「私は長年、中国の京劇院を仕事場とし、目や耳から覚えていくことは全て京劇だった」「舞台上の役者方の一挙一動、喜怒哀楽の姿は私を感動させてきた」「長年、その感動を描き付けてきた私の心の糧となっている」「私にとって中国の京劇と中国の水墨はまさに天から与えられたご縁だと思う」「それぞれの長所がより融合し、水墨のとして表現されているところも楽しんでいって欲しい」と語った。
 続いて、来賓を代表して中国大使館より哈斯巴根一等書記官が開催を祝う来客らに向けて挨拶した。哈斯巴根一等書記官は、来賓各位に向けて美術展開催の尽力を労うとともに「中日両国は一衣帯水の間柄であり、長い友好交流の歴史も持っている。新たなイベントを迎え、両国の友好関係が益々発展していくことを願っている」「今年は『日中国交正常化40周年記念』であり『日中国民交流友好年』として、数多くのイベントが両国で開催されている。多くの民間交流を通じて、中日の友好交流が益々深まっていくことを祈念している」と続けた。
 その後、来賓らによるテープカット式が行なわれ、賑々しく「墨・劇」展がスタートし、会場内では劉海粟美術館の学芸員によるギャラリートークが開催され、当日来場した観客は熱心にその説明に耳を傾けていた。

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