中国語  日本語
ホーム > デジタル記事 > 記事全文

島田陽子さんがハリウッド映画に挑む
2014-02-19 17:17:36   From:篠原功   コメント:0 クリック:

国際女優の島田陽子さんがハリウッド作品・復活第一作目に挑んでいる。『DRY』という作品で、島田さんは主人公の母親役として出演する。


国際女優の島田陽子さん
 
 国際女優の島田陽子さんがハリウッド作品・復活第一作目に挑んでいる。『DRY』という作品で、島田さんは主人公に重要な役割を与える母親役として出演する。この物語はロサンゼルスの街で出会った、二人のラブストーリー。ミュージシャンのニコとレストランのシェフのトーマスは国籍も生まれた環境も異なる。ニコは母と一緒に日本からロスに移住してきた。そこに予期もしない未来が待ち受けていた。オイルショックの影響で暗いロサンゼルスの街。二人の出会いが街に小さな光とぬくもりを紡ぎ出す。  
 
国際女優復活第一作目『DRY』  
主人公ニコの母親役として存在感  
 
 島田陽子さんは3歳からクラシックバレエを習い、高校まではバレリーナを目指していた。テレビドラマのデビュー作は1970年度版の『おさな妻』。翌年放映の『続・氷点』では辻口陽子役を演じ、最終回の視聴率は42・7%に達した。  
 以降、出演依頼が殺到、1970年代の映画・ドラマで正義感あふれた良家の子女役を数多く演じた。1980年の『将軍 SHOGUN』における演技でゴールデン・グローブ賞を受賞し、「国際女優」と呼ばれている。  
 島田さんは「18歳から映画・テレビでお仕事をしてきて、出演作品は100本近くになります。若い頃は事務所に与えられたお仕事をやってきたわけですが、成長するに従って世界が見えてきました。自分のやりたい方向が次第に明確になってきました。そこで独立して自分の目指す島田陽子像を追求していくことになりました」という。  
 転機となったのは島田さんが26歳の時に前述した『将軍 SHOGUN』でヒロインのまり子役を演じたこと。このテレビドラマはアメリカ・NBCの渾身の企画・制作・放送で、14時間連続スペシャルドラマ。このヒロインのまり子役に指名されたのだ。  
 「初めて日本を出て、アメリカでお仕事をしました。大ヒットするかどうか判りませんでしたが、アメリカで公開されると爆発的なブームになり、その後、全世界で大ヒットとなりました。当時、大きな作品に出演している自覚はありませんでしたが、ゴールデン・グローブ賞主演女優賞を受賞し、アメリカとの接点が出来て、世界に目が向くようになりました。日本だけで活躍する女優ではなく、日本人として世界に演技を表せていける女優になりたいという思いが強くなっていきました」と島田さん。  
 これを契機に島田さんは10年以上日本から離れ、世界に軸足を置いた。しかし、母が病に倒れたため日本に戻ることを余儀なくされた。「もう浦島太郎のようでした。日本社会も大きく変わり、私自身のものの考え方も変わっていきました。当然のように日本での仕事が難しくなっていきました。女優というのは本物を目指さなければなりません。一般的に俳優は不特定多数の支持を得ようとします。それが人気というものです。しかし、自分の意志や方向性が強過ぎると、それが難しくなります」  
 こうした狭間で島田さんは悩み苦しんだという。18歳から全力疾走してきた島田さんは40代に入ってから「自分を取り戻したい。仕切り直したい。今後の進むべき方向を考え直さなければならない」という思いが強くなったという。  
 
『DRY』が再出発を決定づける  
世界中の素晴らしい作品に出演を  
 
 いわば燃え尽き症候群に襲われたようになった。日本に住んでいるが、絶えず海外に足を運び、人生を模索する日々が続いた。周囲からは「最近、映画やテレビに出ないね」と言われるようになった。こうした中でオファーがかかったのがハリウッド作品『DRY』で1月後半から撮影に入っている。島田さんはこの作品への出演オファーで大きな啓示を受けた。「やりたいことがはっきりしてきました。一生この仕事を続けていくとの思いを新たにしました。まさに再出発にふさわしい作品です。ニコラス・ダンレビイは32歳の新進気鋭の監督です。ショートフィルムでもカンヌ映画祭で高い評価を受けています」と目を輝かす。  
 島田さんの役は前述した主人公ニコに重要な影響を与える母親役。未来のロサンゼルス――。地球環境・宇宙環境が大きく変貌し、エネルギー不足が世界を覆う混沌社会が街に蔓延する。人間関係も乾いてドライになる一方。喪失感が色濃く漂い、男も女ももがきながら生きている。心を病んだニコの母は施設を出て、ロサンゼルスの街を彷徨しながらさまざまな人と出会い、失った人々との信頼・愛情、そして自分を取り戻す。メインはニコとトーマスのラブストリーだが、未成熟な若者の彷徨いと、成熟した大人の彷徨いを描くことでストーリーに重層的な奥行きが広がる。  
 「島田陽子といえば『将軍 SHOGUN』のイメージが強いと思いますが、この作品は現在の私を見ていただくための切符になると思います。大きく成長した私を見ていただきたいですね。世界中に素晴らしい映画監督がいます。素晴らしい作品と巡り合うため、地球の果てまで飛んで行く気持ちで作品に立ち向かって行きたいですね」と力強く抱負を語った。  

熱に関連する単語の検索:国際派女優が大ブレーク

前の記事:高円宮妃久子殿下が世界らん展大賞を視察
次の記事:TPPテーマ研究シンポジウム

分享到: 收藏