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四国八十八箇所 牛子華の山水画世界
2014-05-29 16:32:03   From:   コメント:0 クリック:

写真26日に開かれた開幕式典三宅議員(左)と牛氏(右) さる5月26日から31日にかけて、都内東京中国文化センターにおいて、四国八十八箇


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26日に開かれた開幕式典

三宅議員(左)と牛氏(右)





 さる5月26日から31日にかけて、都内東京中国文化センターにおいて、四国八十八箇所霊場開創1200年記念「四国八十八箇所 牛子華の山水画世界 in東京2014展」が開催された(協賛:愛媛県華僑華人連合会、株式会社砥部焼千山、後援:中国駐日本国大使館文化部、中国国家観光局(東京)、公益社団法人日本中国友好協会、一般社団法人東京華僑総会、日本中国文化交流協会、日本中華文学芸術家連合会、中文産業株式会社)。遣唐使として中国へ渡り、真言密教を日本へ伝えた空海。42才の時、修行で巡った四国の霊場は今日、「四国八十八箇所」として現在も多くの人々が巡礼している。17年前、香川県砥部町に山水画のアトリエを開いた牛子華氏は、「四国八十八箇所」を幾度と無く訪ね、四季折々の「札所」の姿を活写してきた。

 26日には開幕式典も開かれ、当日は来賓として中国大使館より何静公司参事官、楊宇参事官兼大使館報道官、王軍大阪総領事館副総領事が出席したほか、衆議院議員である玉木雄一郎民主党副幹事長、三宅伸吾参議院議員、愛媛県砥部町の佐川秀紀町長をはじめ、美術団体「双樹会」の小浜喜平治理事らが出席、東京での個展開催をおおいに祝った。

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 2012年の「日中国交回復40年記念」事業の一つとして、香川県高松市でスタートした「四国八十八箇所 牛子華の山水画世界」展は、その後「徳島」での個展を経て、2014年5月26日、東京で3度目となる巡回展が開かれた。

 出展者である牛子華氏は17年前の1997年、愛媛県砥部町にアトリエを開いた水墨画家で、以降「四国八十八箇所」をテーマに数多くの山水画を執筆、現在まで50あまりの霊場を幾度と無く訪ね、作品を描いてきたという。

 牛氏へ「最も気に入っている自身の作品」について尋ねると「善通寺(香川県、四国霊場第75番札所)」との答えが返ってきた。

 その作品は会場奥、壁一面を使って展示されていた。表具も含め幅8メールを越す大作で、来場した観客の多くが作品の前で足止める。

 「善通寺」は空海の父親「佐伯直田公」の法名である「善通」から名づけられたとされる寺院で、唐の都である長安に建つ「青龍寺」を模して建立された、とも。水墨画が持つ墨の濃淡で表現された寺院の姿は儚げで幽玄な趣が深い。

 会場内には牛氏の代表作30点が展示されており、山西省西安市にある「青龍寺」を描いた作品や、美術団体「双樹会」で07年に「双樹大賞」を受賞した「長城朝輝」など数々の作品が展示されていた。 

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 5月26日に開かれた開幕式典では、まず主催側を代表して東京中国文化センターの石軍センター長がマイク前に立ち「四国八十八箇所 牛子華の山水画世界 in東京2014展」の開催を祝った。

 石センター長は「私はこの展覧会に二つの意義がある、と思う。一つは、展示された絵画には寺院が描かれているが、実際には『人』、もう少し詳しく言えば、弘法大師、空海が描かれていると思う」「空海は1200年前の中日文化交流の使者。牛子華先生は八十八箇所の絵画を通じて、改めて空海の偉大な業績の再現に深く寄与すると思う」「もう一つは、強い信念だ。牛先生は17年前、八十八箇所をテーマに山水画描かれ、今日まで継続されている。その信念に改めて敬服したい」と語った。

 続いて、来賓を代表して中国駐日本国大使館より楊宇参事官兼大使館報道官、三宅伸吾参議院議員、愛媛県砥部町の佐川秀紀町長、美術団体「双樹会」の小浜喜平治理事が次々にマイク前に立ち祝意を伝えた。

 楊参事官は冒頭、今展開催を改めて祝うと「中日交流2000年の中で、文化交流は絶えず両国国民の心を結ぶ重要な架け橋」「仏教交流はその中でも最も歴史の古い交流の一つ」「長年来、牛先生が四国八十八箇所の山水画に没頭され、 今回、代表作30点を東京で展示された。皆さん、作品を通じて、中日間の文化交流、仏教の交流の深さを改めて感じることができる、と信じている」と語った。

 

「弘法大師」縁の寺院を活写

代表作30点を東京で一般公開

 

 空海と同じ香家川県讃岐出身である三宅議員は、「私の政治の師である自由民主党副総裁、日中友好議員連盟会長でもある高村正彦衆議院議員は、現在の日中関係を『戦術的互損関係にある』、といわれた」「本日は『戦略的互恵関係』に向け、すみやかに移行するその第一歩になる、と確信している」と語った。

 佐川町長は挨拶の中で空海と「四国八十八箇所」、お遍路の道行きについて紹介、「『八十八』は人が持つ煩悩の数。全霊場を巡ると煩悩が消えるとされている」と語ると「今年は『四国八十八箇所』は開創1200年記念。今、世界遺産に登録すべく、一生懸命頑張っているところ」と続けた。また佐川町長は「牛先生は97年に砥部町にアトリエを開かれ、以来、寺院を描き続けてこられた。牛先生が両国の文化の架け橋となることは間違いない。そしてこれからも両国の友好のために、牛先生に頑張っていただきたい」と語った。

 小浜理事は「牛先生は07年、双樹会より『双樹大賞』を受賞された。大賞の受賞はおよそ12年振り。水墨画での大賞受賞は私自身も嬉しかった」と語ると、牛氏との出会い・交流について紹介。そして「長く日本で頑張ってくれている牛さんを応援している」「今、いろんな方が両国の間がギクシャクしている、とおっしゃる」「中国の文化があってこそ、今の日本の文化がある。日本を嫌いにならないで下さい」と語りかけた。

 来賓各位からの祝意を受けてマイク前に立った牛氏は冒頭、感謝の言葉を伝えると「多くの方々のご協力・ご支援で、東京において個展を開くチャンスに恵まれた」「私は17年前来日し、『四国八十八箇所』の霊場、そのうち50ヵ所を山水画で描いてきた。今回の展示はその半分に当たる」「数は少ないが、私の作品を通じ、四国の自然、山水の魅力、八十八箇所霊場が持つ『平安の文化』を感じ取っていただければ幸いだ」と語った。

 その後、場内ではテープカット式典へと移行、来賓各位が一斉にテープに鋏を入れると、賑々しく「四国八十八箇所 牛子華の山水画世界 in東京2014展」がスタートした。

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 当日は開幕式典に続いてオープニングパーティも開かれ、四国華僑華人連合会の張嘉樹会長が挨拶した。乾杯の音頭はメディアプロデューサーである渡辺満子氏が唱えた。乾杯に当たって渡辺氏は、祖父である大平正芳元内閣総理大臣の思い出、72年の「日中国交正常化交渉」の際の「乾杯の音頭」のエピソードを披露すると、改めて牛氏にエールを贈った。

 


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