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第8回「東京-北京フォーラム」、東京で開催
2012-07-26 16:24:18   From:人民日報海外版.日中新聞日本語版519号   コメント:0 クリック:

 さる7月2・3日の2日間、都内ホテルオークラ東京において第8回となる「東京-北京フォーラム」が開催された(主催:言論NPO、中国...


 さる7月2・3日の2日間、都内ホテルオークラ東京において第8回となる「東京-北京フォーラム」が開催された(主催:言論NPO、中国日報社、後援:外務省、総務省、中国国務院新聞弁公室、中国駐日本大使館、日中経済協会、中国国際経済交流センター、中国人民対外友好協会)。同フォーラムは日中間の議論交流、相互理解促進のためのプラットフォームとして05年8月、北京においてスタートしたフォーラムで、その後は北京、東京間で毎年交互に開催、「日中国交正常化40周年」を迎えた2012年は東京で開催されたもの。フォーラムでは2日に「全体会議」「分科会」、そして3日は改めて全体会議を開き「東京コンセンサス」をまとめ発表した。3日に開かれた記者会見では主催側を代表して言論NPOの代表である工藤泰志氏が登壇、4項目で構成される「東京コンセンサス」を高らかに読みあげた。
 「東京-北京フォーラム」は日中間における民間交流、言論交流が改めて重要となったことを受けて、日本の民間非営利団体である「言論NPO」と中国の「中国日報社(チャイナデイリー)」、そして北京大学国際関係学院との間で民間主導の議論の場、プラットフォーム作りで05年に合意したことが始まり。以降、毎年、中国と日本との間で交互に開催されてきたもので、両国の有識者、官僚、要人らが多数参加、意見交換を通じて「よりよい両国関係」の構築を目指している。
 第8回を数えるフォーラム開催に先駆け、同フォーラムを主催する言論NPOと中国日報社は、今年の「日中共同世論調査」の結果が公表された。毎年実施されている調査で、日本側は今年4月から5月、18才以上の男女並びに産官学の関係者2000名を対象にアンケートを実施、延べ1600件の有効回答を基に作成された。
 今回の調査では、8割を超える日本人が中国に対して「良くない印象を持っている」と回答。一方、中国側は前年より改善したものの、日本に対してマイナスの印象を持っている人が6割を越えた、とするショッキングな内容となった。
 この調査結果を踏まえて開催された今回の「東京-北京フォーラム」では、2日の「全体会議」においても、両国関係の重要性、相互理解の重要性を改めて指摘する発言が相次いだ。
 全体会議では日本側主催者を代表して大和総研理事長で前日本銀行総裁である武藤敏郎氏が挨拶したほか、政府機関を代表して玄葉光一郎外務大臣が登壇した。一方、中国側主催者を代表して中国日報社の朱 霊総編集長が登壇、挨拶したほか、政府機関を代表して中国駐日本国大使館より程 永華特命全権大使が登壇、挨拶した。
 その後全体会議は基調講演として福田康夫元総理大臣、公益社団法人 国際文化会館理事長で元国連事務次官である明石康氏、そして中国国務院元総理で中国国際経済交流センター理事長の曾 培炎氏、国務院新聞弁公室の王 晨主任が登壇、大勢の人々が詰め掛けた会場内に向けて、両国関係の重要性、相互理解の更なる深化、東アジアの2大国としての責任の重さ、協力を通じて、アジア、世界における平和と安定、繁栄への貢献などが指摘された。
 その後、同全体会議では、モデレーターとして、前駐中国特命全権大使の宮本雄二氏、国家発展改革委員会マクロ経済研究院常務副院長である王 一鳴氏が登壇、パネルディスカッションが開かれた。日本側パネリストとして公益財団法人 経済同友会代表幹事である長谷川開史氏、自由民主党政務調査会長代理である林 芳正参議院議員、そして細野豪志環境大臣が出席した。また中国側パネリストとして全国政治協商会議外事委員会主任である趙 啓正氏、全国人民代表大会財政経済委員会副主任委員である呂 祖善氏、中国国際経済交流センター副理事長兼秘書長である魏 建国氏が出席した。
 2日に開催されたフォーラムはその後、「政治対話」「経済対話」「メディア対話」「安全保障対話」「地方対話」をテーマとする分科会へと移行、それぞれ専門の立場からよりよい日中関係作りに向けた意見交換が行なわれた。
  第8回「東京-北京フォーラム」でまとめられた「東京コンセンサス―日中の民間による日中関係発展の提案について―」
 第8回、東京-北京フォーラムは2日間にわたって東京で行われ、政治経済、安全保障、地方、両国民間の感情の相違に関して総勢で約100人の両国の有力者、有識者が議論に参加した。
 私たちの関心は、日中両国は国交正常化40年をきっかけに、相互信頼を深化させ障害を克服し、いかに両国関係の安定的な発展を促進するか、にある。
 両国間には大きな共同利益が存在し、日々増え続ける共通課題に直面しているが、それらの課題は十分に解決されず、両国民間に相互不信や相互理解の相違が目立っている。
 私たちは、「対話の力」でこうした両国の障害を乗り越え、かつ両国民間の相互理解を深め、未来に向かって新しい関係を作り上げたいと考えた。
 この目的を実現するために、私たちは議論し合い、以下の合意をまとめた。
それを、日中の民間による日中関係発展への提案、すなわち「東京コンセンサス」として提唱する。

1)双方は次のように意見が一致した。日中両国は一衣帯水の隣国であり、両国は2000年以上の友好関係を持ち、共通する文化背景を有する。アジアにおける歴史的、地政学的な主要な強大な隣国として両国間には共通利益が多く存在する。
 そのため私たちの対話は、現実に存在する課題に一喜一憂するのではなく、長期的に共生し協力し栄える道を探り合い、揺るぎない信頼関係を構築するという究極の目的を見失わず、常に問題を冷静に見つめ長期的な相互利益の観点から実際的な解決策を探るための真摯な努力を惜しまない。
     
2)双方は次のように意見が一致した。日中両国には政治制度、社会体制、文化伝統などにおいて違いがあり、また、それぞれの発展の仕方は異なっているが、両国は相互に尊重しあい、共通点を見つけ出し異なる点は残しておくという姿勢により、両国国民の交流と相互理解を促進させ、相互の認識を改善していくべきである。
 両国の民間の対話は、国民同士の相互理解に支えられた政府関係の構築を支援し、両国関係を安定的に発展させ、両国が新しい世界の構築に枢要な役割を果たすうえで、さらに大きな責任と役割を与えられている。両国政府の政策は国民の支持なくして存立できないことは自明であり、両国国民は、自分たちが両国の社会に対してだけではなく、国際社会に対しても責任を持つに至ったことを自覚しなければならない。
 民間の様々な交流や対話は政府外交を補うものである。むしろ、私たちは政府外交が達成できないことについても、一歩や半歩先んじた議論を行い、課題や障害を乗り越える役割を担っていく。
 現在の日中関係において、国民同士の相互理解と相互尊重をいかにして作り上げるかが喫緊の課題であり、両国社会の各分野、特に政治家、経済人、メディア関係者、青少年及び地方同士の率直かつ誠実な対話が拡充されることを求める。
     
3)双方は次のように意見が一致した。地域情勢や世界情勢は複雑な変化の最中にあり、日中両国は双方の共通利益という観点から、日中両国は両国関係や・アジア地域・世界の3つの側面で協力関係を拡大し、日中韓の自由貿易地域の構築を積極的に促進し、更にこれを地域、世界に拡大することを目指しつつ、両国および地域の平和や安定と繁栄に貢献するべきである。
 そのため、日中双方は次のように提唱する。東アジアの2つの大国として、日中はゼロサム思考を捨て、地域協力レベルの向上とアジア経済の振興、地域の平和と発展、協力体制を保つために尽力するべきである。
     
4)双方は次のように意見が一致した。アジアの安定が、アジアの発展と繁栄の必須条件であり、アジアにおける領土や海洋権益をめぐる問題は、アジアの安定の基礎に悪影響を与える。これらの問題は、率直かつ誠実な対話を通じて解決策が示されるべきである。
 民間対話は、政府とは異なる特別の使命を有しており、この観点から、われわれは、まず対立や衝突が顕在化しないように早急に危機管理と事態冷却の強固なメカニズムを構築することを、両国に求める。
 また、私たちは、領土などのデリケートな問題で両国民間の感情的な反発がさらなる悪化となることを防ぐため、議論を継続的に行うと同時に、こうした障害を乗り越えるための共同研究を進め、次回のフォーラムに報告することでも合意した。

 以上の合意を実行に移すために、本フォーラムの日本と中国側主催者は今後の民間の対話づくりに責任を持って取り組むことを約束する。
 

 



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