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浜田和幸 参議院議員に聞く「日中関係改善」①
2015-07-27 13:30:55   From:篠原功   コメント:0 クリック:

日中両国は今後、どのような方向に進むべきか。日中関係改善のために精力的な活動を展開している参議院議員の浜田和幸氏に聞いた。




参議院議員 浜田和幸氏に聞く

「日中関係改善で今求められるもの」

 昨年11月、そして今年4月と安倍晋三首相と習近平国家主席による首脳会談が行なわれ、5月には自民党のニ階俊博総務会長が率いる約3000人が訪中し、日中両国の関係改善に向けて前進が見られるが、今後、日中両国が真の関係改善に向かうのか。戦後70年の今夏に出される「安倍談話」も大きな注目を集める一方で、中国による海洋開発に対して周辺国が強い懸念を表明するケースが多くなり、日中関係も相変わらずきな臭い問題を抱えている。こうした問題をどのように解決すべきか。日中両国は今後、どのような方向に進むべきか。日中関係改善のために精力的な活動を展開している参議院議員の浜田和幸氏に聞いた。
                                  
 最近の世界情勢を見ると中国、ロシア、IS(イスラム国)、北朝鮮が4大脅威としてクローズアップされている。こうした状況下にあってアメリカがどのような外交政策を展開するかに大きな注目が集まっている。特に中国とアメリカの二国間貿易額を見ても互いに最大の通商貿易相手国であり、教育面の交流においても中国からアメリカへの留学生数は群を抜いて多い。
 しかし最近、日本とアメリカにおいて「中国脅威論」が幅を利かせるようになった。特に日本政府は、集団自衛権行使、安全保障法制などの改正に絡み、「中国脅威論」を利用して危機感を煽るという動きも出始めている。
 また、アメリカにとっては現在、日米同盟の真価が問われており、中国の軍事大国化への懸念は日米共通の課題となっている。さらにアメリカは財政危機という深刻な問題を抱えており、軍事関係技術の売込み、国防予算の削減が緊急性を帯びている。
 アメリカは長年にわたって「世界の警察官」を自認してきたが、前述した喫緊の問題解決と同時に「アジアへのリバランス」ということでアジア太平洋地域を重視する方向を堅持する考えだ。しかもアメリカは「世界の警察官」としての影響力を残したい。そのためにその一部を日本に肩代わりしてもらいたいというのが本音であるといってよい。
 近年、「世界の警察官」を任じてきたアメリカは衰退局面にあり、大きな転換点を迎えている。その結果、国際政治における中国とアメリカのせめぎ合いが激しくなっており、勢い日本への期待が高まる構図になっている。
 特に日米豪にとって中国の軍事的脅威を牽制することは共通の戦略的課題として正当化する理由づけになっている。最近、行われた日米豪や日米比3ヵ国の共同軍事演習は、まさにその具体的なアクションと位置付けられる。

米国の中国軍事的脅威論に組みしない
海洋資源開発で日本の「知見」活かせ

 近年来の国際的力学の趨勢を見ると、アメリカが衰退し、中国が台頭することは間違いないだろう。かつて大英帝国がアメリカに取って代わられたように、今後、米中の立場は逆転する――こうした見解は100年単位の歴史の転換点に立って中国やアメリカを見ている人たちの間ではすでに一般化しているといえよう。
 そうしたせめぎ合いの中で日本はアメリカからも中国からも一定の役割が期待されている。日本にとって真に国益にとってプラスになり、アメリカにとっても中国にとっても、さらに世界にとってもプラスの貢献ができるかどうかが今問われているといってよい。
 したがって中国の軍事的脅威をいたずらに持ち上げて、現在の平和と安定を脅かすというアメリカの一方的な主張に組みすることが、真に積極的平和主義といえるのかどうか疑問といわざるを得ない。
 中国が独自の国家戦略に基づいて南沙諸島での埋め立て工事を行い、東シナ海でガス田施設を建設していることについては、やはり当事国同士の話し合いが不可欠と考える。中国経済が大きく発展している中で海洋資源を開発してエネルギー供給を増やしたいと考えるのは当然だろう。
 海洋資源を活用するというのは中国にとっては必然的流れである。そこで問題なのは海底から天然ガスや石油を汲み出すにあたって、環境に対する十分な配慮や対策を講じなければ海洋汚染を引き起こしかねないということだ。したがって大局的な見地からいって汚染防止対策、安全対策をしっかりと講じる必要がある。
 日本は汚染対策や環境保全に関する研究開発ですぐれた知見を持っている。中国や周辺国としっかりと情報を共有すると同時に、政府間の取り組みとして技術交流を盛んにする必要があると提言しておきたい。(談)
                                                     
【浜田和幸氏プロフィール】
 国際政治経済学者。米ジョージ・ワシントン大学政治学博士。東京外国語大学中国科卒。新日本製鉄、米戦略国際問題研究所、米議会調査局等を経て、2010年参院選にて鳥取県から立候補し当選。総務大臣政務官、外務大臣政務官兼東日本大震災復興対策推進会議メンバーを経て、現在、次世代の党外交防衛調査会長。
 専門は「技術と社会の未来予測」「国家と個人の安全保障」「長寿企業の戦略経営」。ベストセラーとなった『ヘッジファンド』(文春新書)、『快人エジソン』(日本経済新聞社)、『たかられる大国・日本』(祥伝社)をはじめ著書多数。話題作も多く、マスコミや国会でも大きく取り上げられた。なお、『大恐慌以後の世界』(光文社)、『通貨バトルロワイアル』(集英社)、『未来ビジネスを読む』(光文社)、『エジソンの言葉』(大和書房)は中国、韓国でもベストセラーとなった。

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