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浜田和幸 参議院議員に聞く「日中関係改善」②
2015-08-10 13:39:29   From:篠原功   コメント:0 クリック:

日中両国は今後、どのような方向に進むべきか。日中関係改善のために精力的な活動を展開している参議院議員の浜田和幸氏に聞いた。その第二弾だ。





 参議院議員 浜田和幸氏に聞く
 
「日中関係改善で今求められるもの」
 
 昨年11月、そして今年4月と安倍晋三首相と習近平国家主席による首脳会談が行なわれ、5月には自民党の二階俊博総務会長が率いる約3000人が訪中し、日中両国の関係改善に向けて前進が見られるが、今後、日中両国が真の関係改善に向かうのか。戦後70年の今夏に出される「安倍談話」も大きな注目を集める一方で、中国による海洋開発に対して周辺国が強い懸念を表明するケースが多くなり、日中関係も相変わらずきな臭い問題を抱えている。こうした問題をどのように解決すべきか。日中両国は今後、どのような方向に進むべきか。日中関係改善のために精力的な活動を展開している参議院議員の浜田和幸氏に聞いた。その第二弾だ。
                                                                                     
 現在、日米は、中国に対して軍事拡張路線を走っているとの見方で固定化している。こうした論調は、中国に「世論に差別的圧力をかけて封じ込めようとする動きである」と受け取られかねない。さらに中国を非難するための口実とも受け止められるだろう。
 本来、海洋資源は日本や中国が作ったものでもない。気の遠くなるような地球創生の過程で生み出された人類共有の財産なのである。それらをどのように有効活用すべきか、人類の知恵が今ほど問われているときはない。
 陸地や海底に眠っている資源を奪い合い、争いを激化させることは、一触即発の紛争や戦争に繋がりかねない。そのような軋轢をどのように乗り越えるか、互いに知恵を出し合うべきである。そのためには安倍晋三首相と習近平国家主席が立ち話しではなく、以前にオバマ大統領と習近平国家主席が2日間9時間にわたって会談したように、腰を落ち着けてじっくりと議論し、両国が持っている可能性を最大限に活かせるような話し合いを持つべきだ。
 9月3日に中国・北京で抗日戦争勝利70周年記念軍事パレードがあるが、このパレードには安倍晋三首相も招待されている。その前後にロシアのウラジオストクでプーチン大統領も出席してロシア極東地域の資源開発に関する大きなシンポジウムが開催される。このシンポジウムには日本企業も参加することになっている。
 ロシアは現在、ユーラシア経済圏の構築を推進している。一方、中国はユーラシア大陸を横断する東西交易の道を現代に蘇らせる取り組みを推進し、さらにサイバー空間や宇宙にまでそうした構想を広げようとしている。
 このように、今の時代は地球規模の大きな変化・視点で物事を判断すべだと強調しておきたい。同時にアメリカにもそのような大きな視点に立って世界戦略を展開して欲しいと願う。中国とロシアは相互協力関係を強化しているが、日中も一方的に相手国を非難し合うという「非難外交」からそろそろ卒業してもよいのではないか。
 
早期に「非難外交」からの脱却図れ
地球規模の視点に立った判断が重要
 
 先般、自民党の二階俊博総務会長ら3000人の日中友好使節団が訪中した。二階氏との会談に臨んだ習近平国家主席は、日中関係の戦略的重要性を強くアピールしている。もちろん戦後の日本の平和な歩みと同時に、戦前・戦中の日本の軍国主義が近隣諸国に大きな損害をもたらしたことについて反省を促すということにも言及していた。その意味で習近平国家主席のスピーチはバランスのとれたものだったのではないか。
 一方、日本の一部には自虐的史観が散見される。したがって中国との関係になると、どうしても中国から一方的に攻められているような感覚になりがちだ。一部の勢力が大変威勢がよく、そのためにバランスの取れた日中関係を阻害する原因にもなっている。
 日中両国が協力することによって世界的規模で拡大しつつある諸問題を解決できる可能性がある。しかし、敢えてそのような問題から目を逸らしているように思う。特にアメリカは国家戦略に基づいてTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)から中国を排除してきた。アジア・太平洋といっても最も大きな国である中国抜きで議論が行なわれている。したがって発想自体が元々破綻しているといわざるを得ない。
 アメリカにとっても日本にとっても中国は最大の貿易相手国である。さらにインドもインドネシアも重要である。しかし、そのような国々は除外されている。まさに片肺飛行のような状態でオバマ大統領はTPPを進めようとしている。
 単に通常の自由貿易の枠組みではなく、中国の経済・軍事・文化も含めて中国の脅威を前提とした封じ込め政策としてアメリカは大きく舵を切ってきたといえるだろう。そのような政策は世界の経済・安全保障を考えた時に決してプラスにならないと強調しておきたい。(談)
                                    
【浜田和幸氏プロフィール】
 国際政治経済学者。米ジョージ・ワシントン大学政治学博士。東京外国語大学中国科卒。新日本製鉄、米戦略国際問題研究所、米議会調査局等を経て、2010年参院選にて鳥取県から立候補し当選。総務大臣政務官、外務大臣政務官兼東日本大震災復興対策推進会議メンバーを経て、現在、次世代の党外交防衛調査会長。
 専門は「技術と社会の未来予測」「国家と個人の安全保障」「長寿企業の戦略経営」。
 ベストセラーとなった『ヘッジファンド』(文春新書)、『快人エジソン』(日本経済新聞社)、『たかられる大国・日本』(祥伝社)をはじめ著書多数。話題作も多く、マスコミや国会でも大きく取り上げられた。なお、『大恐慌以後の世界』(光文社)、『通貨バトルロワイアル』(集英社)、『未来ビジネスを読む』(光文社)、『エジソンの言葉』(大和書房)は中国、韓国でもベストセラーとなった。

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