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浜田和幸 参議院議員に聞く「日中関係改善」③
2015-09-07 16:33:33   From:篠原功   コメント:0 クリック:

日中両国は今後、どのような方向に進むべきか。日中関係改善のために精力的な活動を展開している参議院議員の浜田和幸氏に聞いた。その第三弾だ。




 参議院議員 浜田和幸氏に聞く
 
「日中関係改善で今求められるもの」③
 
 昨年11月、そして今年4月と安倍晋三首相と習近平国家主席による首脳会談が行なわれ、5月には自民党の二階俊博総務会長が率いる約3000人が訪中し、日中両国の関係改善に向けて前進が見られるが、今後、日中両国が真の関係改善に向かうのか。戦後70年の今夏に出された「安倍談話」も大きな注目を集めた。一方、中国による海洋開発に対して周辺国が強い懸念を表明するケースが多くなり、日中関係も相変わらずきな臭い問題を抱えている。こうした問題をどのように解決すべきか。日中両国は今後、どのような方向に進むべきか。日中関係改善のために精力的な活動を展開している参議院議員の浜田和幸氏に聞いた。その第三弾だ。
 
 前号で私は米国が中国脅威論を煽り、その封じ込めに舵を切っていることは世界経済にとって決してプラスにならないと指摘した。
例えばTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)は、自由貿易と通商拡大を建前に掲げているが、秘密交渉にこだわっていることに問題がある。日本の農業や医療関係者はTPPについて「日本は一方的に攻められており、国益が損なわれている」と反対しているが、米国は別の立場から捉えているようだ。
特に米国はTPP交渉参加国のベトナムに中国からの繊維輸入削減を求めている。中国はこのことを問題視しており、この一例からもTPP交渉において別の意図が見え隠れしている。
つまり、米国は自由貿易に反する形でベトナムに不公平な貿易を要求、その刀で中国の内政・外交を批判している。自由貿易交渉でありながら、政治的な思惑が色濃く出ており、そこには軍事的に中国を抑え込むという意図があるようだ。TPPを自国の利益という狭い視点でしか捉えず、環太平洋地域の利益拡大という全体観に立って判断されていないことは大変危険だと指摘しておきたい。案の定、中国、インドネシア、インドなどを排除したTPP交渉は漂流している。
今年5月に自民党の二階俊博総務会長の3000人訪中団が中国を訪問したが、同じ頃、私も北京を訪問していた。訪中した目的は、日本政府及び日本企業が中国の環境問題にどのような協力をできるかを模索するためのものだった。私は中国で環境保護省をはじめ、企業、大学、研究機関など、環境問題に取り組んでいる人たちとさまざまな意見交換をしてきた。
そこで再確認したのは、現在、中国が抱えている最大の弱点であり課題は「環境問題」ということだった。中国は、現在、急速な経済成長の「負の側面」として大気・土壌・水質の三重苦に悩まされている。
言うまでもなく、この環境汚染の最大の被害者は中国の人たちである。一部の国営企業が環境基準を無視して汚染物質を垂れ流し、工場にクリーンな石炭燃焼装置を付けずに操業するケースが多く、それがなかなか改善されないという実情がある。黄砂、酸性降下物、PM2・5といった中国発の健康破壊物質による被害は広がる一方だ。
そこで日本が培ってきた環境保護技術や法的規制ノウハウが中国人たちの生命と財産を守るために役立つのではないかと考える。中国人たちと危機感を共有し、環境保護のために最善を尽くすことが日本政府や日本企業にとっても重要な使命だと強調したい。
 
日本の環境保護技術で中国に貢献を
中国人観光客に歴史・文化の魅力発信
 
同時に次のようなことも最近痛感している。現在、「3K」―つまり「健康」・「環境」・「観光」というキーワードで中国から多くの観光客が日本にやってきて「爆買い」をしているが、日本の「3A」―つまり「安心」・「安全」・「安定」が関心を集めているからだ。
今や中国人海外旅行者は1億人を突破し、中国人が世界中に出かけるようになっている。しかし、訪日中国人観光客数は、2014年で約241万人といったところだ。この数字から中国人富裕旅行者の大半は日本以外の欧米などの国・地域に行っていることがわかる。
では、それらの国々で中国人観光客は何を買っているのか。日本でのように紙おむつ、便座、化粧品、サプリメントなどを買っているわけではない。文化的なものや先端医療へのニーズが高いのだ。社会・歴史・文化・芸術というものに興味を示し、そこにお金と時間を使っているのが実情である。
日本には中国との長い交流の歴史の中で中国から伝わってきた文物が数多い。大陸文化が日中交流の歴史の中で日本の社会や文化に影響を与え、新たな進化を遂げてきたものだ。中国人観光客に親近感を持ってもらえるような素材がたくさんある。
免税品の買物ツアーも悪くはないが、日中交流の歴史に根差した文化を発見する観光を中国の人たちにアピールすべきだと考える。これこそが本物の「おもてなし」になるに違いない。(談)
 
【浜田和幸氏プロフィール】
 国際政治経済学者。米ジョージ・ワシントン大学政治学博士。東京外国語大学中国科卒。新日本製鉄、米戦略国際問題研究所、米議会調査局等を経て、2010年参院選にて鳥取県から立候補し当選。総務大臣政務官、外務大臣政務官兼東日本大震災復興対策推進会議メンバーを経て、現在、次世代の党外交防衛調査会長。
 専門は「技術と社会の未来予測」「国家と個人の安全保障」「長寿企業の戦略経営」。
 ベストセラーとなった『ヘッジファンド』(文春新書)、『快人エジソン』(日本経済新聞社)、『たかられる大国・日本』(祥伝社)をはじめ著書多数。話題作も多く、マスコミや国会でも大きく取り上げられた。なお、『大恐慌以後の世界』(光文社)、『通貨バトルロワイアル』(集英社)、『未来ビジネスを読む』(光文社)、『エジソンの言葉』(大和書房)は中国、韓国でもベストセラーとなった。
 
 

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