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浜田和幸 参議院議員に聞く「日中関係改善」⑤
2016-01-08 12:38:28   From:篠原功   コメント:0 クリック:

日中両国は今後、どのような方向に進むべきか。日中関係改善のために精力的な活動を展開している参議院議員の浜田和幸氏に聞いた。その第五弾だ。




 参議院議員 浜田和幸氏に聞く
 
「日中関係改善で今求められるもの」⑤
 
 一昨年11月、そして昨年4月と安倍晋三首相と習近平国家主席による首脳会談が行なわれ、昨年5月には自民党の二階俊博総務会長が率いる約3000人が訪中し、日中両国の関係改善に向けて前進が見られる中、戦後70年の昨夏に出された「安倍談話」も大きな注目を集めたが、周辺国から一定の理解が得られた。さらに昨年11月には日中韓首脳会談が行われ、成果を上げた。しかし、その一方で中国による海洋開発に対して周辺国が強い懸念を表明するケースが続いており、日中関係も相変わらずきな臭い問題を抱えている。こうした問題をどのように解決すべきか。日中両国は今後、どのような方向に進むべきか。日中関係改善のために精力的な活動を展開している参議院議員の浜田和幸氏に聞いた。その第五弾だ。
 
 現在、憂慮されるのは経済至上主義の横行である。つまり、マネー中心主義ともいえる動きだ。この結果、アメリカ式の資本主義が独走し、「マネーがすべて」という価値観が世界経済に大きな影響を与えていると指摘しておかなければならない。
 例えば、ギリシャ危機が世界経済を激震させたことは記憶に新しい。この危機は、ギリシャ共和国における2009年の政権交代を機に財政赤字の実態が公表され、それまでの数字より大幅に膨らむことが明かにされたことに端を発して始まる一連の経済危機だ。
 ギリシャに対して「借りたお金を返さないのは問題だ」というようなことが言われているが、貸す側にも問題があると言わざるを得ない。なぜならギリシャが直面している問題は、IMF(国際通貨基金)が極めて高い金利でお金を貸している状況と深く関連しているからである。
 本来ならば0・9%ほどの金利で十分コストをカバーできるにも関わらず、IMFはギリシャに対して3・6%という高額な金利で貸していた。その結果、IMF自身が窮地に追い込まれたという図式になる。
 実のところ、IMFはギリシャから莫大な利益を上げてきていた。これこそ高利貸し的発想であり、国際的な調和、共存共栄ということから考えても問題がある。困っている相手の状況に配慮し、共に困難を乗り越えていくという「共助精神」が今こそ求められるのに、IMFも世界銀行もヨーロッパ中央銀行も表向きは口当たりのよいことを言っているが、一皮剥けばまさに弱ったエモノに群がる「ハゲタカ」に過ぎない。
 そこにはアメリカのマネー万能主義的な発想が色濃く反映されており、不快感を示す国も少なくない。例えば中国やロシアは、「ギリシャを救済するためにできるだけのことをやりましょう」と救済の姿勢を鮮明にしている。
 
国境を超えて人類が共存共栄で課題に挑め
中国のインフラ整備に世界の知見を活かせ
 
 こうした事態に注目すると、日本もマネー至上主義の限界というものにしっかりと目を向けることが不可欠である。というのはお金ですべてに決着をつけるという戦後のアメリカの過剰なマネー資本主義を容認することは、破綻の危機に瀕しているにもかかわらず、その背後で大儲けしているヘッジファンド(代替投資の一つ)の暗躍、さらには国家が関与するファンドが蠢(うごめ)くという事態を加速することになるからだ。
 例えばアメリカの投資銀行であるリーマン・ブラザーズが破綻して国際的な金融危機の引き金になった「リーマンショック」、さらにはタイを中心に始まったアジア各国の急激な通貨下落現象「アジア通貨危機」でもこうした動きがあったと指摘された。
 このような動きに歯止めをかけるには何が必要かというと、国を超えて人類が共存共栄すること。マネーだけに依存しない社会を作ることだと強調しておきたい。マネー資本主義との闘いという観点からも、我々自身が自分の問題として取り組まなければならない。今まさにそのような時期にきているのではないだろうか。
 その意味では、中国も長い歴史から培われた価値観・文化力、多民族を受け入れてきた柔軟性の今日的意味に注目し、それらを世界に向けて発信していくことが重要であろう。
 かつてフランスのナポレオンは「中国は深い眠りに入った獅子だ。目を覚ませば世界を震撼させるだろう」と語った。この言葉は400年以上前に発せられたものだが、中国の人々は長い眠りから目覚め、悠久の歴史の中で育んできた価値観をベースに、世界が抱える課題に挑もうとしているに違いない。
 そのような中国の前向きな動きを素直に受け取るという大局に立った発想がアメリカにもロシアにも、そして日本にも求められているのではないだろうか。その観点からも、日中の首脳が膝を突き合わせて話し合う、さらに日中だけでなく中国が進めようとしているインフラ整備に対して世界が持っている経験・技術・アイデアを共有しながら取り組むことが重要だと指摘しておきたい。
 中国が、世界が期待する大国としての責任ある未来創造に虚心胆懐な姿勢で臨むようになれば、21世紀の新しい課題に対して人類全体で取り組む流れが生まれると期待しているところである。(談)
 
【浜田和幸氏プロフィール】
 国際政治経済学者。米ジョージ・ワシントン大学政治学博士。東京外国語大学中国科卒。新日本製鉄、米戦略国際問題研究所、米議会調査局等を経て、2010年参院選にて鳥取県から立候補し当選。総務大臣政務官、外務大臣政務官兼東日本大震災復興対策推進会議メンバーを経て、現在、「日本の心を大切にする党」外交防衛調査会長。
 専門は「技術と社会の未来予測」「国家と個人の安全保障」「長寿企業の戦略経営」。
 ベストセラーとなった『ヘッジファンド』(文春新書)、『快人エジソン』(日本経済新聞社)、『たかられる大国・日本』(祥伝社)をはじめ著書多数。話題作も多く、マスコミや国会でも大きく取り上げられた。なお、『大恐慌以後の世界』(光文社)、『通貨バトルロワイアル』(集英社)、『未来ビジネスを読む』(光文社)、『エジソンの言葉』(大和書房)は中国、韓国でもベストセラーとなった。
 
 
 

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