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「第15回在日留学生音楽コンクール」を開催
2016-01-16 16:14:25   From:篠原功   コメント:0 クリック:

(公財)国際文化交流事業財団は、1月10日午後2時から国立オリンピック記念青少年総合センターで「第15回在日留学生音楽コンクール」を開催した。
 

フィナーレで留学生がステージに勢ぞろい
 
(公財)国際文化交流事業財団
 
「第15回在日留学生音楽コンクール」を開催
 
人的交流は世界的規模の文化交流や平和貢献に
 
  (公財)国際文化交流事業財団は、1月10日午後2時から国立オリンピック記念青少年総合センターで「第15回在日留学生音楽コンクール」を開催した。留学生同士あるいは留学生と日本人が音楽を通じて交流するのが目的。1980年1月13日の「第1回音楽コンクール」から開催してきたもので、今年で15回目を迎えた。その実績が関係各方面から高く評価されており、こうした人と人との交流は、世界的規模の文化交流や平和貢献にも繋がると期待されている。
 
  在日留学生数は、平成24年5月に13万7756人に達しており、昭和58年に策定した「留学生受入れ10万人計画」の目標の10万人を超えた。文部科学省では、留学生交流は人材育成を通じた「知的国際貢献」として位置付け、日本が目指す国際的に開かれた社会の実現にも大きく寄与している。
  留学生を歓迎する環境や体制を整え、各方面でさまざまな取り組みを行なっているが、このような支援活動は、文化的な活動を活発化させることによって、留学生の心のケア、親睦や交流を深める絶好に機会となっている。
  この日、コンクールに先立ち、まず、国際文化交流事業財団理事の三角正明氏が挨拶をしたあと、留学生が入場。高円宮妃殿下や審査員が紹介され、最初に留学生1~12組までがパフォーマンスを行なった。
  来賓が紹介された後、休憩を挟んで留学生13~24組までがパフォーマンスを行なった。この後、ゲストパフォーマンスに入り、最初に太鼓パフォーマー「無限-MUGEN-」。続いてフラメンコダンサー 奥濱春彦さんやHARU studioなど4名のア―ティストがパフォーマンスを行なった。
  審査発表の後、留学生を代表してベナン共和国のアパラ・コリヌさんが挨拶を行ない、華やかなフィナーレでステージの幕を閉じた。
  なお、このコンクールのオーディションは11月8日、東京大学インターナショナル・ロッジ駒場ロッジ本部で開かれ、22の国・地域から49組の留学生が参加した。関東以外にも北海道、岩手県などからも応募があった。
  厳正な審査の結果、次の留学生が優勝、優秀賞を獲得した。なお、財団ではコンクールに先だって出場者にアンケート調査を実施したので、それも併せて紹介したい。
 
【パフォーマンス部門優勝】
(13)陳金富さん(中華人民共和国 内モンゴル自治区) モンゴルの草原で恋人同士が熱い愛を表現するモンゴル族の踊り『心の草原』。従姉妹と一緒に出場。モンゴルのダンスを披露して見事優勝した。
 陳さんは現在、市川日本語学院に通っている。将来、音楽制作の仕事に携わるために留学先を日本に選んだ。現在は日本語を勉強しているが、卒業後は音楽専門の教育機関で音楽制作を学び、将来は「人の心に残るような音楽作りとダンスを極めていきたい」と回答した。よく知っている日本の有名人は、歌手の石川さゆり。演歌が好きで、特に『天城越え』がお気に入りとか。
 母国の長所や好きなところは「服のデザインと伝統的な歌。日本へは来たばかりなので、すべてが新鮮だ」という。日本で驚いたことは「お年寄りがとても元気なこと。内モンゴルのお年寄りは退職したら家にいることが多いが、日本のお年寄りは定年退職後もイキイキしているイメージがある」という。


華やぐフィナーレのステージ


音楽で世界が一つになった瞬間
 
【歌唱部門優勝】
(20)グェン・タン・ロンさん(ベトナム) 前回オーディションで落選。再チャレンジして今回見事に優勝。若い頃に離れた故郷を恋しく思う気持ちを歌った細川たかしの演歌『望郷じょんから』だ。
  彼は現在、神奈川経済専門学校に通っている。留学先を日本に選んだのは「日本は先進国で高い水準の教育を行なっているから。アジアでは一番大事な条件をクリアしていると考えたからだ」という。現在、専門学校で経済、経理(簿記)について勉強している。
 日本に来て感動したことは「日本人の心。優しさを感じたことが多い。昨年9月に静岡でホームスティをした。日本がベトナムに小学校を建てている。現在、朝日新聞の奨学生として新聞配達をやっている。配達時の雨風が大変。2年前に初めて雪を見た」という。
 将来は大学に進学すること。3月に入試を控えている。「政治・経済について勉強して社会主義制度のベトナムを発展させたい。日本の有名人で知っているのは明治維新の原動力になった福沢諭吉。この時代の人たちはとても偉いと思う。この人たちのお陰で今の日本があると思う」と回答した。
 母国の長所・好きなところは「4人家族がいて、私にとっては何よりも大切。この4月に帰省する予定」という。これからの日本に期待することは「100年前にベトナム人をサポートした日本人がいた。その人に知って日本に興味を持った。もっとベトナム人の留学生を受け入れてほしい」と回答した。
 
【パフォーマンス部門優秀賞】
(12)エイミー・シェーさん、カオル・タカヤマさん(アメリカ合衆国) バイオリンとピアノの演奏。音楽大学在学ではないのにレベルが高いと評価された。曲目は幸福感に満ちあふれた明るい曲想から『スプリングソナタ(春)』という愛称で親しまれている有名な曲。
 現在、二人は東京大学に在籍している。日本に留学した理由は、「日本語を5歳から勉強してきたこと。日本の文化・教育などに興味があるからだ。現在、東アジアプログラムに4年間在籍し、日本を中心とした研究を行なっている」という。
 日本に来て感動したことは「人が優しいこと。自動販売機が多いこと。とてもきれいで美しい国だと思う。パスモを失くしたが、誰かが拾ってくれて、チャージ残高もそのままで帰ってきたことだ」
 将来、目指しているのは、「グローバルな人材になること。日本、アメリカに限らず、世界のどの国でも通用する人になることだ」という。日本の有名人で知っているのは、明石家さんま、安倍晋三、宮沢賢治、坂本龍馬。母国の長所や好きなところは「土地が広くて自由なところ」。さらに日本に期待することは「外国人をもっと受け入れてほしい。日本人の世界進出。着物や浴衣など日本文化を保持してもらいたい」と語った。
 
【歌唱部門優秀賞】
(24)コリン・リムさん(マレーシア) 歌ったのは平原綾香のヒット曲『JUPITER』。難しい歌を幅広い声音で歌い上げたことが評価された。彼女は現在、洗足学園音楽大学に籍を置いている。日本に留学した理由は「日本文化が好き。日本人は礼儀正しくて親切。このような平和な国で勉強したかったから」という。彼女は現在、声楽を勉強しているが、将来は声楽演奏家になることだという。
 日本に来て感動したことは「日本人の丁寧さ。細かいところまで気を遣う日本人は本当に素晴らしい」と回答。日本の有名人で知っている人は福山雅治。母国の長所、好きなところは「マレーシアは多民族国家だから、ほとんどのマレーシア人はマルチリンガル。二つ以上の言葉が話せる」とし、これからの日本に期待することは「2020年の東京オリンピック」と答えた。

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