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野村総研・松野氏 中国経済のモデル転換は日本に機会
2016-07-25 18:38:56   From:   コメント:0 クリック:

中国経済の成長ペースが徐々に鈍化するのにともない、中国経済はこれまでの常態から新常態(ニューノーマル)へと転換を始めた。中国経済のこうした質的な変化は、中国に進出した日本企業にとってチャンスでもあれば挑戦でもある。中国日報網が伝えた。

清華大学・野村総研中国研究センター(TNC)の松野豊理事はこのほど取材に答えた中で、「中国と日本の間には膨大な貿易取引量が存在し、中国の経済規模から考えて、その経済成長のペースダウンが日本企業に極めて大きな影響を与えるのは当たり前のことだ。特に中国の自動車、家電、電力、原材料などの各製造業が必要とする基礎部品や製造設備の需要が減少すると、日本経済にとっては大きな打撃だ」と述べた。

日本の経済は内需主導型で、輸出をはじめとする外需が占める割合は先進国の中で低い水準にある。だが松野理事は、「これは日本の国内総生産(GDP)だけをみた場合のことだ。日本企業は中国や東南アジア諸国で製品を製造し、できあがった製品を製造地から欧米などの先進国に輸出している。日本の対外純資産は世界一で、実際のところ、日本経済の経常赤字を支えてきたのは企業が海外事業で得た利益だ。そこで経済大国の中国で経済が減速し、落ち込めば、日本企業の海外事業も縮小することになり、また日本が中国や東南アジアに輸出する付加価値の高い部品の需要も減少することになる。よって中国経済が日本経済に与える影響は両国間の貿易関係だけで判断することはできない」と指摘した。

中国の経済構造はモデル転換しつつある。松野理事は、「中国の人件費の上昇と構造のモデル転換により外資系企業に変化が生じ、日本企業は製造拠点を中国から東南アジアなどに移している。そこで中国からの輸入の規模が縮小しつつある。中国の製造業の伸びが鈍化し、日本が中国に輸出する部品や生産資材も需要の減少が始まっている」と説明した。

松野理事は、「日中の経済貿易関係の変化は単に世界と中国の経済情勢の変化が引き起こしたもので、日中関係などの政治的要因とはほぼ無関係だ」との見方を示した。

松野理事は、「中国が実施する『新常態』の経済政策は、経済の中速で安定した成長を示す数値を単純に追求するものではない」とした上で、「その目的には、内需主導型経済成長モデルへの転換が含まれ、産業構造の労働集約型から付加価値型への転換も必要だ」と述べた。

また松野理事は、「中国政府の政策には明らかに変化が起きている。この変化は中国で貿易に従事する外資系企業にとって、重大な折り返し地点になる」と述べた。

松野理事の指摘によると、「日本企業にとって、中国の経済構造や産業構造のモデル転換ニーズに対応した事業には、好調な発展の見通しがある。これまでの環境保護や省エネ・汚染物質排出削減などに、内需の拡大、サービス産業の発展、中国企業のグローバル化支援の3点が新たに加わり、日本企業の中国におけるビジネスチャンスはさらに多くなった」という。

また一方で、「こうしたビジネス分野と日本企業とでは中国に期待する内容が異なる。そこで中国に変化に合わせて、日本企業も業務戦略の調整をはかる必要がある。たとえば日本企業にとって、中国企業はかつては事業の重要な補完役だったが、これから世界規模で事業を展開する際には、中国企業を重要なパートナーとみなす必要がある」という。

松野理事は、「日本企業はこうした戦略調整をまだ十分に終えていない。その原因は、一つは日本企業がグローバル戦略を正確に制定していないことにあり、またもう一つの大きな原因として日本企業が中国での事業展開に不安をぬぐい去れないということがある」と率直に指摘した。

松野理事が言う日本企業の不安とは、中国企業が今後、知的財産権を厳格に保護するかどうか、国際貿易のルールを守るかどうか、中国政府が自国市場において外資系企業を公平に扱うかどうか、日中間の政治的要因が両国の貿易や文化交流に影響を及ぼすかどうかといった不確定性のことだ。

松野理事は、「日本企業は対中投資の過程で、3つの分野に魅力を感じている。1つ目は中国の内需拡大政策、とりわけ中所得層の消費の拡大だ。日本製品の品質とサービスが中国でも評判になれば、ビジネスチャンスはさらに多くなる。2つ目は中国のサービス業の発展だ。日本は流通産業と第三次産業の経営管理で豊富な経験があり、中国での事業拡大の可能性は高い。3つ目は、中国企業のグローバル化支援だ。世界の新型工業国・地域向けに製品開発を行う際に、日本企業は中国企業をパートナーに選ぶことを考えるようになる。たとえば日本企業が製品コストを引き下げる技術をもった中国企業や発展途上国向けの優れた市場営業販売能力を備える中国企業を選ぶ可能性がある」と述べた。

松野氏は、「中国の内陸地域では中所得層が急増しており、こうした人々をターゲットとした消費財などの分野が、これからの日本企業に巨大なビジネスチャンスをもたらすことになる。だが日本企業は引き続き主要拠点は沿海地域に設立し、中国の貿易パートナーを介した内陸部での売上拡大戦略を主に採用するとみられる」との見方を示した。
 

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