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中国、中産階級はわずか18% 「 中産階級」の定義とは?
2016-11-16 12:13:04   From:人民網日本語版   コメント:0 クリック:

英エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)が2日に発表した最新報告は、中国人の4分の3が2030年までに中間所得層となり、現在世界第二位のエコノミーである中国は「中所得国」になると予測している。そのため、現在中国では「中産階級」が大きな話題となっている。 中国経済週刊が報じた。

中国労働学会の蘇海南・副会長は、「中国は現在、高中位所得国になっているものの、中国の中間所得層が社会総人口に占める割合は20%にも満たず、中国と同じ発展度の国の水準を明らかに下回っている。それゆえ、中産階級の数を拡大させることが急務」との見方を示している。

中産階級とは?

政府が制定する「中産階級」の明確な定義は今のところない。また、社会でも、中産階級の境界線をめぐって論争が続いており、さまざまな「定義」が登場している。「被中産階級」、「偽中産階級」、「超中産階級」など微妙な言葉も登場し、混乱を招いている。

今年7月、英経済誌「エコノミスト」は、「中国の中産階級2億2500万人は現在、世界で最も苛立ちを感じている」と指摘。「中国の中産階級」について、「世帯年収が1万1500-4万3千ドル(約124-464万円)。人民元に換算して世帯年収8-30万元」と定義した。

蘇副会長は、「世界における一般的な『中産階級』の定義は、所得や財産が社会の平均並みである、または収入や財産が中央値付近にある人々としている。この定義で計算すると、中国には現在、中間所得層が3億人以上いると予測される」としている。

しかし、このデータは、中国の今の国情とは明らかにマッチしない。

現段階で、中国社会の平均所得は高くなく、ほとんどの労働者の所得が平均以下。社会の分配構造は、先進国の「ラグビーボール型」にはほど遠く、下が大きく、真ん中から上にかけて細くなっていく「ピラミッド型」になっている。この点、蘇副会長は「世界における一般的な中産階級や中間所得層の基準をそのまま適用することは難しい」と指摘する。
 

長年の研究に基づき、蘇副会長は中国の中産階級を、「所得が全国、または現地の社会平均水準以上で、家庭の生活水準が全国、または現地において小康(ややゆとりを実感できる)レベルにあり比較的富裕な程度の人々」と定義している。

具体的に数値化すると、中産階級の所得は中国の各都市部・農村部の住民の世帯平均値から2.5倍の間にある。全国的には、2013年を基準にすると、労働者一人当たりの年収は6-15万元(約93-232万円)、世帯収入が8万5千-22万5千元(約132-349万円)で、住宅が全国平均以上の水準で、一定の金融資産を持っていれば、中産階級に仲間入りできる。一方、北京・上海、広州・深センなら、所得が全国平均の2倍でなければならない。13年を基準にすると、労働者一人当たりの年収が12-30万元(約186-465万円)、または世帯年収が17-45万(約263-697万円)で、住宅の問題が基本的に解决していて、一定の金融資産を有していなければ、中産階級に仲間入りできないとしている。

蘇副会長は、上記の定義を基にしたうえで、中国国家統計局が発表している統計や複数の研究機構の世帯収入の調査データを基準・参考にして、「現在、中国には中間所得の労働者が全国の労働者総数7億7千万人の20%に当たる1億6千万人いる。さらに、その扶養家族計2億4千万人以上を加えると、全国の人口総数13億6700万人の18%を占める」と算出している。もちろん、今年に入ってから上記の所得や財産の基準は向上しており、中産階級の数や割合も変化している可能性がある。


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