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トランプ氏「一つの中国に縛られず」 中国の反発必至
2016-12-12 11:26:29   From:日本経済新聞社   コメント:0 クリック:

トランプ次期米大統領は11日放送のFOXテレビの番組で、中国が全ての中国を代表する唯一の合法的政府で、台湾を中国の一部とみなす「一つの中国」という従来の政策を米国が維持していくかは、中国の対応次第だとの考えを表明した。相手を揺さぶりながら交渉を優位に運ぼうとするトランプ流の発言とみられるが、中国の反発は必至だ。

 

FOXテレビのインタビューを受けるトランプ氏(10日、ニューヨーク)=AP

FOXテレビのインタビューを受けるトランプ氏(10日、ニューヨーク)=AP

 トランプ氏は同番組で「私は完全に『一つの中国』政策を理解している」と力説。一方で「貿易関係などで(中国と)合意を得られなければ、なぜ『一つの中国』政策に縛られないといけないのか」と言明した。「一つの中国」政策を維持するかどうかを見極める具体的な政策として中国の通貨政策や、南シナ海での海洋進出、北朝鮮の問題での対処を挙げた。

 米国は第2次世界大戦後、毛沢東率いる共産党と蒋介石の国民党で内戦状態になっていた中国に対し、共産主義への対抗のため当初は国民党を支持していた。しかしニクソン大統領が1972年に電撃的に中国を訪問し、米中関係正常化で一致。79年に米国と中国は外交関係を樹立した。

 台湾を中国の一部とする「一つの中国」の原則の下で、米国は79年に台湾と断交。一方で有事の際に台湾の防衛や武器提供などを可能にする台湾関係法を制定し、台湾との非公式関係を構築するなど、中国と台湾とのバランスをとった外交を進めていた。

 

 トランプ氏は2日、台湾の蔡英文総統と電話で協議。米台の断交以来、初めてとなる米国と台湾の首脳のやり取りが明らかになった。ペンス次期米副大統領はこれに関して「米国の中台政策に変更はない」と述べ、「一つの中国」政策を維持する方針を示していた。

 中国は台湾問題を譲歩できない「核心的利益」と位置づけている。2日の蔡総統との電話協議についてトランプ陣営に抗議したばかり。中国外務省は「台湾問題は米中関係のなかで常に最も重要で、最も敏感な問題だ」と強調し、台湾問題を適切に扱うよう求めていただけに衝撃は大きい。

 中国外務省はトランプ氏の出方を見極めるため、正式就任前の言動には抑制的に反応する方針を示している。ただ、外交関係者の中にはトランプ氏の外交政策への不信感が徐々に高まっている。共産党機関紙の人民日報系の「環球時報」(電子版)は「トランプ氏は外交経験がないため強硬派の影響を受けやすい」と警戒感を示した。

 トランプ氏は11日放送のテレビ番組で蔡氏との電話協議を「聞かされたのは1、2時間前だ。会話は短時間で、お祝いを受けた。電話を取らないのは失礼」と説明。米中央情報局(CIA)が大統領選でロシアの介入があったと結論づけたとの米メディアの報道には、「ばかげている」と一蹴した。

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