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中国で年間60万人が過労死 主な原因は「過酷な残業」
2016-12-14 12:39:18   From:人民網日本語版   コメント:0 クリック:

統計データによると、中国では、過酷な労働を強いられるストレスによって過労死に至る人が年間60万人に達し、中国はいまや世界で最大の「過労死」国家となった。長時間におよぶ残業が、「過労死」の主な原因となっている。ラジオ中国之声「全国新聞聯播」の報道を引用して中国放送網が伝えた。

統計資料によると、中国で「過労死」の脅威にさらされている人は、すでに肉体労働者から頭脳労働者にシフトしており、かつ、若年化の傾向を呈している。また、過労死はIT業界特有の現象ではなく、広告・メディア・医療・金融など各業界にも「魔の手」が及んでいる。

医学的に解明すると「過労死」は、労働時間が長く、業務内容が重く、多大な心理的ストレスが加わり、精魂共に尽き果てた「半健康状態」にまで至り、そのような問題が改善されない状態が長期間続き、ある日突然身体に潜んでいた病気が発症して急激に悪化し、治療が間に合わず生命に危害が及び死に至ることを意味する。

浙江新華病院の黄抒偉・副院長は、「過度なキツイ労働が積み重なることで、体内で内分泌(ホルモン)の一部のバランスが崩れる。特に、交感神経の興奮状態が長時間続くと、心拍のリズムが乱れる。これによって起こるのがいわゆる心臓発作で、突然死の主な原因だ。疲労の蓄積の自覚症状は人によって異なるが、精神的に落ち込む、注意力が散漫になる、怒りっぽくなるなどがその例だ」と指摘した。

「過労死」を招く直接的原因となる5大疾病は、順に、冠動脈疾患、大動脈瘤、心臓弁膜症、心筋梗塞、脳出血。このほか、消化器系疾患、腎不全、感染症も「過労死」の原因となり得る。性の疾病も“過労死”を招く。

当然のことながら、「過労死」は臨床医学上の概念だけにはとどまらず、社会医学上の概念をも含んでいるという見方もある。心理学を専門としている侯公林教授は、「まず、ストレスの根本原因を突き止めること。次に、仕事を計画的に進める。水分摂取や睡眠に気を付け、適当な運動によってストレスを解放する。ストレスを抱えた状態で、飲酒や喫煙にふけってはならない」と提案している。

政策による保護という観点から見れば、中国の「労働法」第36条には、「8時間労働」が規定されおり、「毎週の平均労働時間は44時間を超えてはならない」と定められている。このほか、「企業従業員有給年次休暇条例」が2008年に施行された。だが、その後10年近く経過したが、一部の企業にとって、本条例は「ただの紙切れ」に過ぎないのが現状だ。このため、「労働者の権利を保護する法制度が本当に現実社会に浸透しない限り、何の罪もない労働者が次々と倒れる問題は根本的に解決されない」との意見もある。


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