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三中全会が本日閉幕 中国の改革は新たな時代に
2013-11-12 15:50:21   From:   コメント:0 クリック:

 中国共産党の第18期中央委員会第3回全体会議(三中全会)が本日閉幕する。開幕前に多くの推測を呼び、議論の的となっていた中国の改革の
 中国共産党の第18期中央委員会第3回全体会議(三中全会)が本日閉幕する。開幕前に多くの推測を呼び、議論の的となっていた中国の改革の綱領的文書が間もなく発表される。これは習・李体制初の系統的な施政綱領とも見なされている。中国の改革の「ウィンドウ期」にあたり、改革の全面的深化の検討を使命とする今回の三中全会が改革の全体的ロードマップをどう描くのかに、各界は期待している。中国新聞網が伝えた。

■三中全会が本日閉幕 「改革の全体計画」を発表

 9日に開幕した第18期三中全会は12日に閉幕する。開幕前、メディアと中国の民衆は今回の会議を35年前の第11期三中全会と比較した。後者については「中国に改革開放という新たな時代を切り開いた」との認識で一致している。

 慣例に従い、三中全会は閉幕当日にコミュニケを発表する。国家行政学院の汪玉凱教授はコミュニケについて「今回の会議の全貌を主に紹介し、会議の主たる精神を重点的に指摘し、改革の全体的な構想と方向性を明らかにする」と説明した。

 中共中央党校の張希賢教授もコミュニケについて「どのような問題を解決したかを中心に、今回の会議の主たる精神を全党、全社会に通達することを旨とする、会議全体の全面的紹介だ」と説明した。

 第18回党大会以来の反腐敗の嵐の中で、蒋潔敏中央委員(前国有資産監督管理委員会主任)、李春城中央候補委員(前四川省党委員会副書記)、王永春中央候補委員(前中国石油副社長)という第18期中央委員会のメンバー3人を含む省・部級高官複数が失脚した。これらの高官は今回の三中全会には関わっていないはずで、その委員資格の変動についての記載がコミュニケにあるかどうかが注目される。

 この他、第18期三中全会の文書で最も重要なのが「改革の全面的深化における若干の重大な問題に関する中共中央の決定」だ。これは10月29日の中共中央政治局会議で草案を修正し、三中全会に上程したものだ。


 「『決定』は次の段階の改革の全面的深化の綱領的文書であり、将来の改革のロードマップを全体的に描くものとなるはずだ」。汪氏は「今回の三中全会は改革の『2.0時代』を切り開くかもしれないとの認識でメディアは一致している。すると、この『決定』は『2.0時代』の全体計画となる」と述べた。

 コミュニケと「決定」との関係について、中央党校報刊社社長兼編集長の謝春濤教授は「コミュニケは三中全会に関する全面的紹介だ。『決定』は会議の唯一の成果ではないが、もちろん最も主要な成果だ」と説明した。

■民衆の関心にいかに応えるか 「綱領性文書」に大きな注目

 会議が終盤に入り、メディアは「改革の全面的深化における若干の重大な問題に関する中共中央の決定」に次第に焦点を合わせている。メディアはこの文書を「改革の新行程の全体的綱領」と見ている。ある外国メディアは「世界中が東洋に視線を合わせ、中国の今後の命運を決定する改革方針の真の姿を急いで見ようとしている」と指摘。中国の庶民の間では、改革方針が民衆の関心にいかに応えるかも大きな話題となっていると報じた。

 「三中全会に各界がこれほど注目するのは、1978年以来の改革が大きな賛同を得ていることの反映だ」。謝氏は「特に中年以上の人にとって、改革は国家にとってプラスであるだけでなく、それ以上に個人にとって直接的な利益となる。だからこそ、中国の民衆は今度の改革にこれほど期待している」と述べた。

 改革の最終目的は人々に恩恵を及ぼすことにある。三中全会の開幕を前に実施された調査によると、中国の民衆が改革に求めるものは政府機能の転換、所得格差の縮小、独占の打破、戸籍制度改革、土地制度改革、金融システム改革といった、困難な課題に集中している。

 汪氏は、間もなく発表される「決定」は綱領的な改革方針だが、改革への民衆の期待に応えるものになるとの見方を示し「土地、財政、税制、金融、所得分配など社会的関心の高い困難な課題について、改革方針は具体的で、斬新な、はっきりした道筋を示すはずだ。余り大雑把に、曖昧にすることはあり得ない」と述べた。

 国家行政学院の竹立家教授は「中国の改革の命運に関わるこのトップレベルデザインは、全体性、協同性、全面性を強調する」と分析。「これまで改革を語る際は、経済を中心とする改革を強調することが多かったが、今回の三中全会では政治、経済、文化、社会、環境の『五位一体』の改革を強調する」と述べた。

 「経済改革以外に、汚職問題を解決するための政治改革と環境問題を解決するための総合的体制改革も焦眉の急だ」。張氏も「目下中国に必要なのは全面的な改革とアップグレードであり、発展が主軸で、反腐敗の政治改革が保証で、環境の改革と建設が基礎だ」と指摘した。


■改革は実行のサイクルに:利益構造を打破 全過程が抵抗を伴う

 利益構造を調整し、体制・制度を革新し、各方面の訴えのバランスを図る必要があり、経済発展方式の転換が待たれる。第18期三中全会閉幕後、新たな歴史的節目において、中国の改革の「堅塁攻略戦」は実はようやく始まる。

 慣例に従い、三中全会閉幕後に、会議の精神についての学習が全国で行われる。中央と各地も一連の活動を催して、会議の精神を宣伝する。こうした学習の貫徹自体も、改革の共通認識を改めて凝集する重要な過程だと専門家は指摘する。

 「改革には利益構造の調整が必要で、改革の推進には社会全体の協同が必要だ。全体改革方針の発表後、社会全体がこの方針について改めて共通認識を形成し、各方面がいずれもこの方針について認知し、同意し、改革の決意を社会の行動に変えるようにする必要がある」と汪氏は述べた。

 竹氏は「中国の改革には制度の後押しと連動が必要だ。全体の改革方針を打ち出した後、全国各地、各部門はこの改革の道筋を押さえて具体的な関連改革措置を打ち出す。その後ようやく、全面的改革の構造を展開することができる」と指摘した。

  「全体の改革方針の発表後、中国の改革は『実行のサイクル』に入る。この段階こそが改革のカギだ」。竹氏は「改革の推進は実行の効果を見る必要がある。改革の意義は実行の質を見る必要がある。そして改革の難しさは実行への抵抗を見る必要がある」と述べた。

 竹氏はまた「中国の改革はすでに難関攻略の深い領域に入った。日増しに固定化する利益の垣根を前に、『利益の難』にぶつかるのは改革方針の策定過程だけではなく、改革計画の実行過程での方が多い」と述べた。

 今回打ち出される全体の改革方針は、社会の深層の矛盾を解消し、内部圧力を緩和し、経済構造のモデル転換を推進するための「処方箋」となる。だが「処方箋」を得てようやく改革の戦は始まるのであり、戦役の前線に広がるのは厳しい試練に満ちた茨の道だ。これには執政レベルの勇気と知恵と同時に、社会全体の協同・連動が必要だ。

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