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武田薬品の外国人社長、「日本株式会社」に新風吹かせるか
2014-04-03 16:12:33   From:   コメント:0 クリック:

【東京】日本の薬品最大手、武田薬品工業のトップに内定したあと、クリストフ・ウェバー氏は自動車大手ルノー・日産自動車連合の最高経営責

【東京】日本の薬品最大手、武田薬品工業のトップに内定したあと、クリストフ・ウェバー氏は自動車大手ルノー・日産自動車連合の最高経営責任者(CEO)、カルロス・ゴーン氏のアドバイスを求めた。

 フランス人のウェバー氏と、ブラジル生まれでフランスで教育を受けたゴーン氏は、日本企業には珍しい外国人経営者だ。ゴーン氏は2000年代初頭に日産の再生を成し遂げた数少ない成功者の代表格でもある。

 ウェバー氏は、ゴーン氏とパリで会ったと述べ、日本の島国的な企業風土の中で成功するという難題に立ち向かっていくのだとあらためて自覚したと語った。


 ウェバー氏は2日、武田薬品の最高執行責任者(COO)に就任した翌日、ウォール・ストリート・ジャーナルとのインタビューに応じ、「わたしは沢山のリサーチをした。それ(日本企業の経営に当たること)が極めて困難だと言う人々は少なくない。しかし、わたしは統計学で学士号を取った経験があるので分かるのだが、ここには統計的に何か判断するのに十分な例(日本企業の外国人トップの前例)が存在しない」と述べた。

 ウェバー氏は6月に武田薬品の社長に就任する。同氏の社長指名は、日本企業で最も大胆な経営上の動きの1つだ。創業以来233年の歴史を持ち、同族経営が長かった武田薬品にとって、同氏は最初の外国人社長になる。同氏はまた、ライバル企業である英製薬大手グラクソスミスクラインから武田薬品に来た。つまり日本で伝統的な「生え抜き社長」とも対照的だ。

 だが、こうした動きは最近、日本でトレンドになっている。安倍晋三首相は企業にグローバル化を目指すよう求めている。国内市場が停滞ないし縮小しているため、海外での成長が不可欠だからだ。2011年の大地震と大津波を受けて、外国人は企業幹部だけでなく一部の一般従業員まで日本を去ったが、最近では日本国内で日本企業が外国人を増やそうとしているという。

 カジュアル衣料品店「ユニクロ」を運営するファーストリテイリングは、東京本社の外国人従業員の数を過去1年間で5倍の約100人に増やした。米携帯電話大手スプリントを最近買収したソフトバンクは、今年度に本社で外国人を54人採用する。これは前年度のほぼ2倍だ。

 現在、日本にいる外国人労働者の総数は約70万人だが、日本の人口の半分程度の英国のわずか6分の1にとどまっている。

 ゴーン氏は日産で成功を収めたが、何人かの著名な西洋人が日本企業で失敗している。ソニーのハワード・ストリンガー氏は2012年にCEOを退任した際、ソニーは日本人の指導者のほうがうまくやっていけると述べた。日本板硝子でも同年クレイグ・ネイラー氏が、取締役会との間で「根本的な不一致」があったとしてCEOを辞任した。オリンパスのマイケル・ウッドフォード氏は11年、隠匿された財務損失の存在を暴露して社長を解任された。

 武田薬品のウェバー氏は「ソニー、オリンパス、日産の状況は非常に異なっており、こうした企業で起こったことから結論を引き出すことはできない」と述べた。同氏は製薬業界に入る前、フランスのシャモニー近辺の山岳でプロのエクストリームスキーヤーだったこともある。

 武田薬品によるウェーバー氏登用は、同社の最近の一連の海外企業買収を受けた動きだ。2008年には米国のバイオ技術企業ミレニアム・ファーマシューティカルズを88億ドル(現在の為替レートで約9100億円)で買収した。11年にはスイスのニコメド社を96億ユーロ(同1兆3700億円)で買収した。しかしこうした海外企業を統合する作業が依然として未完成なことは同社幹部も認めている。

 武田薬品は主力製品の糖尿病薬アクトスに代わるヒット商品を見つけられずに苦しんできた。12年にはアクトスの特許が満了となった。

 武田薬品の長谷川閑史・現社長は、自身に会社を再編するビジョンはあるが、そのためには大きな変革が必要だと語った。

 あおぞら銀行社長の経験があり現在オリックスの米国法人の社長兼CEOを務める米国人ブライアン・プリンス氏は、欧米人の経営者は、不変性が価値と見なされている日本のような国では本格的な反転プランの推進に苦労するかもしれないとみている。

 

 プリンス氏は「ブラジル人の監督と少数の選手を雇っただけでブラジル式のサッカーをやれと教えることはできない」と指摘。「しかし、日本式のサッカーの技を磨くため、日本人と一緒にやっていくことはできるかもしれない」と述べた。

 ウェバー氏は2日、日本企業の伝統的な強さを尊重すると強調した。

 武田薬品は昨年、他に2人の外国人幹部を登用している。フランス人のフランソワ・ロジェ氏は最高財務責任者(CFO)に、米国と英国の国籍を持つデービッド・オズボーン氏は人的開発部門責任者に指名された。

 ウェバー氏は、「私が望んでいるのは、国籍の観点での議論から離れ、『このポジションに誰がベストか』を議論することだ」と語った。

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