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高まる中国企業のインド進出熱 直接投資が急増
2016-05-14 17:20:10   From:日本経済新聞   コメント:0 クリック:

インドに対する中国企業の進出熱が高まっている。
  インドに対する中国企業の進出熱が高まっている。国境紛争を抱え、ともに巨大な人口を持つライバルである中印の関係は歴史的に友好的ではなく、互いの企業進出も進んでこなかった。だが自国の成長鈍化に直面し始めた中国企業にとって、有望市場としてのインドの存在感は増す。インド側の中国企業への評価も高まりつつあり、中国からの対印直接投資は急増している。

 インド最大商都ムンバイの中部バンドラ地区にある金融街。中国の四大商業銀行の一角、中国工商銀行の動向が注目されている。同行がインド初の拠点としてここにオフィスを構えたのは2011年だが、昨年、オフィス内にM&A(合併・買収)の専門チームを設置。インド企業に対する中国企業のM&A助言業務をがぜん活発化しているからだ。

 「中国勢はインド企業に対する買収・出資に向け、水面下で急速に動き出している。ここ1~2年の動きだ」。M&Aアドバイザリーを手がけるGCAサヴィアン・インド法人の依田和之取締役は話す。実際、1月に中国の旅行サイト大手、携程旅行網(シートリップ)が印同業メーク・マイ・トリップの株式約27%を1億8千万ドル(約195億円)を投じ取得すると発表。中国勢のインドでのM&Aに対する関心の高さは明るみに出始めた。

 

建設機械大手、三一重工など中国企業はインドへの投資を活発化している(インド西部マハラシュトラ州の三一重工の工場)
 

建設機械大手、三一重工など中国企業はインドへの投資を活発化している(インド西部マハラシュトラ州の三一重工の工場)

 M&Aだけではない。同じ1月に耳目を集めたのは、中国の商業不動産大手である大連万達集団(ワンダ・グループ)だ。インド北部ハリヤナ州の工業団地建設を一手に引き受ける計画を明らかにした。事業費は100億ドルの見込みで、印国内で最大級の工業団地となる。中国建設機械大手の三一重工は2月、建機生産の拡大に向け、今後10年間で10億ドルをインドに投資する方針を明らかにした。

 中国からの対印直接投資(再投資など除く)は15年に急増し約8億7000万ドルと14年比6倍超となった。00年4月から14年末までの累計は4億5000万ドル。過去15年分の2倍の資金が15年単年で一気にインドに流れ込んだ。

 15年の対印直接投資の総額は393億ドル。急増したとはいえ、中国の割合は2%強とまだ小さい。だが、インドのKRチョクセイ証券のデベン・チョクセイ会長は「中国からの積極投資は始まったばかりだが、対象はすでに多岐にわたる。資本流入の流れは変わらないだろう」と見通す。中国の各社が続々と大型の投資計画を表明するなか、中国からの投資の比率も増していく可能性が高い。

 

 

 

 背景には中国経済の減速がある。自国の成長が鈍るなか、中国企業は海外の成長市場に打って出ざるを得ない。だが、「受け手」であるインド側の変化も大きい。

 「インド企業がM&Aを検討する際、中国勢を有望な買い手として認識し始めた」(GCAサヴィアン・インドの依田取締役)。中国勢の突出した資金力にインド企業も熱視線を送る。

 市場で中国製品の品質が見直され始めたことも、中国企業のブランドイメージを引き上げている。代表例はスマートフォン(スマホ)だ。14年ころを境に小米(シャオミ)、オッポなど中国メーカーが続々とインドに参入し、市場シェアを高めている。

 従来、中国スマホの印象は決して良くなかった。韓国・サムスン電子など有名ブランドの模造品が中国からインドに大量に流入、消費者から「チャイナ・モバイル」と呼ばれ、粗悪品の代名詞になっていたからだ。だが小米など中国ブランドが一定の品質の製品を売り出したことで悪印象は変わりつつある。「インドメーカーよりも、中国メーカーの製品の方が同じ価格なら高品質という評価が定着しつつある」(ムンバイ市内の携帯端末店)

 2国間のあつれきがなくなったわけではない。3月末、インド南部ゴア州で開かれた印政府主催の防衛展示会。印国内外1000社超が参加するなか、中国企業による展示はなかった。印政府が招いていないからだ。2国間の貿易収支はインド側の大幅赤字。中国勢を警戒する声は、なおインド産業界で根強い。

 だが、中国勢の進出機運が高まっているのは間違いない。昨年5月中旬、印マハラシュトラ州のファドナビス州首相は予定していた日本での投資セミナー出席を急きょキャンセルし、ほぼ同じ日程で訪中して現地の企業関係者ら多数と面談した。「中国は日本より意思決定が速い」。同氏は言い放った。日本の対印直接投資額は現状、中国を大きく上回るが、インド投資を計画する日本企業関係者は今後、中国勢を競合として意識する必要がありそうだ。

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