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池袋西口、魅力磨く 地権者ら再開発始動
2016-05-17 09:32:29   From:日本経済新聞   コメント:0 クリック:

 池袋駅西口の駅前再開発が動き出す。地権者などでつくる再開発準備組合によると、対象区域は東武百貨店を含む約5.3ヘクタールで、東京ドームを上回る広さの大規模開発となる。同組合は2018年度に東京都の都市計画決定を受け、商業施設が入る高層ビル建設など具体的な計画づくりを進めたい考え。順調に進めば33年度までに再開発が完了する。

 再開発の対象区域は道路約2.3ヘクタール、公園約0.3ヘクタールで、残る約2.7ヘクタールは商業施設など。準備組合は「つながるまち」を主なコンセプトとして、現在は池袋駅に滞留しがちな買い物客らを西口駅前に呼び込む魅力づくりに重点を置く。

 同組合は都による都市計画決定が出た後、20年度に再開発組合の設立認可を目指す。並行して参画企業などと具体的な高層ビルの建設や既存の建物の撤去に関する計画を策定。23年度以降にビル建設に着工し、33年度をめどに再開発を完了させる構想だ。

 現在、西口公園の周辺は老朽化した小規模な建物が多い。再開発計画では商業施設が入る高層ビルを建設し、駅から西口公園周辺まで人の流れをつくることでエリア全体の魅力を高める考えだ。

 準備組合には7割を超える地権者が加入。東武百貨店の親会社の東武鉄道も参加している。このほど事業協力者として三菱地所と三菱地所レジデンスを選び、具体的な構想を練り始めた。

 計画では西口に商業施設を含む高層ビルの建設が予定されているため、組合メンバーの東武も再開発に合わせ、百貨店など商業施設の刷新を検討するとみられる。

 西口には東京芸術劇場があるほか、西口公園も様々な文化イベントの会場として利用されている。組合は再開発を機に、文化・芸術の発信拠点としての機能をさらに充実させたい考えだ。

 地元の豊島区は西口の再開発に合わせ、線路をまたいで東口と西口をつなぐ地上のデッキの建設も検討する。現在は東口と西口を移動する人の多くは、駅の地下通路を通ることがほとんど。駅から町に人が流れない要因の一つになっていた。

 池袋駅西口の再開発を巡っては、07年度に豊島区が主導して「池袋駅西口まちづくり勉強会」を開始。09年度に町づくり協議会が発足し、14年度に東武鉄道が参加した。15年7月には池袋駅の東西にまたがる143ヘクタールについて、政府が建築に関する規制緩和や税の優遇措置を適用する「特定都市再生緊急整備地域」に指定した。

 JR東日本の調査では池袋駅の乗車人数は1日約55万人と、新宿に次いで2位。豊島区によると、池袋駅全体の利用客は1日あたり約260万人に上るが、同駅西口周辺は築30年以上の建物が9割を占めるなど、「町に魅力が乏しく、駅に人がとどまっている」(同区)との指摘がある。


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