中国語  日本語
ホーム > 経済 > 記事全文

関心は「サミット後」海外勢、政策停滞を懸念
2016-05-27 09:22:19   From:日本経済新聞   コメント:0 クリック:

  26日の日経平均株価は続伸した。主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)で焦点となる財政出動や金融政策を先取りするかのように、建設・鉄道株の上昇が目立った。だが、熱気は局地戦どまりで市場全体に広がらない。外国人投資家の関心は、サミット後に漂う政策停滞リスクに移っている。

 この日、市場のテーマになったのがインフラ需要だ。リニア中央新幹線の延伸前倒しが伝わったJR東海は一時3%上昇。建設株は大林組や松井建設など高値更新が相次ぎ、業種別日経平均(建設)も年初来高値に迫った。

 だが、午後にサミットの主会場、賢島(三重県志摩市)で世界経済討議が始まると、相前後して相場は失速。一時前日比200円高まで上昇した日経平均も、終わってみれば15円高だった。建設株のにぎわいも目先筋の買いにすぎないとの見方がもっぱらだ。

□   □

 外国人は既に、サミット後をにらんでいる。安倍晋三首相が衆参同日選や消費増税延期カードをなかなか切らず、日本株に海外年金などの長期投資家が戻ってこない。

 「青木率(アオキ・レシオ)」。霞が関・永田町周辺に出入りする外国人投資家の間で、こんな指標が注目されている。かつて「参院のドン」と呼ばれた青木幹雄元参院議員会長が重視したとされ、内閣支持率と与党支持率の合計を指す。

 青木率は100%を超えると「安泰」という。eワラント証券が各種世論調査を基に試算したところ、直近は84%。経験則から選挙では「非改選議席×青木率」が獲得議席の目安になる。

 7月の参院選で自民党の非改選議席と青木率を基に獲得議席数をはじくと55議席程度。改選議席数は上回るが、状況は衆参同日選となれば一変しかねない。「衆院では大幅に議席を失う可能性がある」(同証券の土居雅紹氏)。世界経済はリーマン・ショック前に似ているとしながら、手詰まり感のある安倍政権にしびれを切らす投資家もいる。

□   □

 サミットでアベノミクスの成果を世界に発信したい安倍政権だが、選挙が政権の基盤強化につながらないとしたら――。外国人は、こうしたシナリオを描き始めている。バンクオブアメリカ・メリルリンチの5月のファンドマネジャー調査では、世界の投資家の日本株配分状況は2012年12月以来の水準に下がった。

 外国人に沸いた銘柄も潮が引き始めている。工作機械大手、アマダホールディングスは2年前、100%株主還元を打ち出した。自己資本利益率(ROE)革命の先鞭(せんべん)を付けたが、3月末の外国人株主比率は36.7%と直近1年で約10ポイント下がった。

 政策停滞リスクを吹き飛ばすには「道半ばのままのアベノミクス」(フィデリティ・インターナショナルのデビット・バックル氏)を再定義するしかない。「バイ・マイ・アベノミクス」は金融緩和と財政政策に成長戦略を組み合わせ、デフレ脱却を実現する戦略だった。サミット後の政権運営を見通せないなら、今度は「バイ・バイ・アベノミクス」が現実味を帯びる。

(関口慶太)


熱に関連する単語の検索:サミット後 関心

前の記事:沢井製薬、米後発薬に参入 4品目申請、まず17年に発売
次の記事:都内訪日客、昨年初の1000万人超え 消費も最高、1兆円台 五輪へ受け入れ体制拡充

分享到: 收藏