商社、発電所向けバイオマス燃料に力
2016-06-24 10:27:51 From:日本経済新聞 コメント:0 クリック:
双日はベトナムで発電タービンを回すために燃やす木質燃料の現地生産を18年にも始める。国営林業公社ベトナムフォレスト社(ビナフォー)と組む。両社は6月上旬に事業化調査で合意。今後、1年間をかけ具体的な計画を詰める。
ベトナムは製紙向け原料の一大産地で、双日とビナフォーは合弁で中部都市ダナンなど4カ所に生産拠点を持つ。各工場の敷地を活用し、バイオマス燃料工場を建てる方針。製紙原料の製造過程で余った木皮などから木質燃料をつくる。中長期的に20万キロワットの発電所を1年間稼働できる年100万トンの輸入を目指す。
伊藤忠はヤシの実の殻と木くずなどを固めた木質燃料を15年度に合計約12万トン輸入している。これを19年度に120万トンに引き上げる。複数のバイオマス発電所事業者と交渉を進めており一部は既に販売契約を結んだ。
現在はインドネシアとマレーシアでヤシ殻の回収業者から、中国・ベトナムでは木質燃料の製造業者から買い付けている。提携業者を順次増やして調達力を拡大。自社工場の設立も検討する。
住友商事は20年以降をめどに、サトウキビの搾りかすを使った燃料の輸入を始める。ブラジルの発電燃料会社に20%を出資。25年までに年間生産能力を現在の約18万トンから200万トンに高め、2割程度を日本に輸入する。現在はカナダから木質燃料を輸入している。調達品目を多様化し、需要増に備える。
木質燃料は三菱商事や三井物産などほかの商社も一部手がけているほか、日本製紙が17年春からタイで生産・輸入する計画。ただ、これまで年100万トンを超える規模で生産や輸入している例はなかった。
経済産業省は発電量が安定しているバイオマス発電を30年度に全電力量の4%程度に引き上げる目標を打ち出した。再生エネルギーの固定価格買い取り制度(16年度)では、もみ殻や輸入材のバイオマス発電による電気の買い取り価格は1キロワット時あたり24円。太陽光発電(出力10キロワット以上)も同24円だが、今後の低下が見込まれる中、バイオマス発電の買い取り価格は相対的に高くなるとみられる。
前の記事:日産自動車、中国で低価格EVを発売へ
次の記事:夏季ダボス会議開催迫る 準備に余念なく=天津市

コメントのランキング
- ·山形から世界へラジオ配...(2)
- ·女優・王メイ子さん 日...(1)