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ネット資金調達膨らむ クラウドファンディング 昨年度、国内VB向け投資の2割
2016-07-04 09:46:43   From:日本経済新聞   コメント:0 クリック:

  インターネットで不特定多数から小口資金を調達するクラウドファンディングを活用するベンチャー企業(VB)が増えてきた。新製品開発や販売拡大の資金に充てることに加えて、消費者の評価を探る市場調査にも利用されている。2015年度の総額は約283億円と国内VB投資の2割に相当する規模にまで膨れ上がった。

 「着心地が良く、雨の日が以前ほど苦痛でなくなった」。会社経営の鎌田宏史さん(33)はパーカーを片手に満足げだ。レインコートのように水をはじく機能にほれ、クラウドファンディングを通じて8600円を提供した。この綿製パーカーは衣料品製造販売のオールユアーズ(東京・世田谷、木村昌史社長)が発売した。表面に特殊なはっ水加工を施した。

 同社は開発資金をサイバーエージェント・クラウドファンディング(東京・渋谷、中山亮太郎社長)が運営する専用サイト「マクアケ」で調達した。昨年末から今年3月までに目標の4倍となる約400万円を集めた。資金提供者は金額に応じて商品をもらえたりする。ネットや商業施設で約2千着を販売した。実績が評価され、百貨店からも取引の相談がある。

 木村社長がマクアケに着目したのは「マーケティングや宣伝にも活用できるため」だ。好評なら交流サイト(SNS)で話題になって、小売業のバイヤーの目にとまる。必要資金が目標に到達しなくても、量産前にアイデアを練り直せる。

 クラウドファンディング市場が膨らんできた要因の一つは提供者に見返りがある「購入型」が定着してきたからだ。

 衣料品や雑貨の企画販売を手掛けるスペース(埼玉県羽生市、尾上豪社長)はカメラバッグを開発した。クラウドファンディングサイトを運営するレディーフォー(東京・文京、米良はるか社長)を通じ、約320万円を調達した。尾上社長は「サイトにはファッション感度の高い閲覧者が多いため自社のバッグとの相性が良い」と考えた。

 内部には取り外し可能な仕切りを付け、収納スペースを自由に変えられるようにした。価格は約3万円。見返りにバッグなどがもらえる。カメラを使わない人の間でも利用が増えている。

 クラウドファンディングが広がるのは、消費者心理にも起因する。被災地支援の募金のような感覚で「作り手を育てたい消費者は増えている」と調査会社のジャパンベンチャーリサーチ(JVR、東京・港)は語る。スマートフォンの普及で手軽に資金提供できるのも追い風だ。

 海外での販売拡大に向けて資金を集めたのは衣料品開発のリデザイン(東京・渋谷、江角泰俊社長)だ。パルコのサイトを通じ、2月に出展した米展示会の費用として約200万円を調達した。バイヤーからも評価を得て、アジアの百貨店に納入することに成功した。


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