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カカオ豆国際価格、6年ぶり高値
2016-07-08 10:07:30   From:日本経済新聞   コメント:0 クリック:

 チョコレート原料となるカカオ豆の国際価格がおよそ6年ぶりに1トン2500ポンドを超えた。主産地西アフリカが生育期の天候不順で不作となったためだ。世界的に供給不足感が強くなっている。英国の欧州連合(EU)離脱決定でポンド相場が主要通貨に対して下落したこともポンド建て価格の上昇要因となった。

 ロンドン市場の先物価格(期近)は現地時間6日の終値が前日比1.6%高の1トン2525ポンド。2500ポンドを超えたのは、アフリカ産地の出荷減にロシア、中国など新興国の需要増が重なった2010年7月以来。5月中旬の直近の安値に比べて2割高い。7日朝の取引でも2500ポンド台で推移している。

 コートジボワールやガーナなど西アフリカの産地は昨年秋から冬にかけて深刻な雨不足に陥り、カカオの木が打撃を受け、カカオ豆の収穫量が減った。消費量は欧米や新興国を中心に微増傾向にある。

 国際ココア機関(ICCO)によると、15ココア年度(15年10月~16年9月)の世界生産量は403万9千トン。前年度に比べて4.6%減少し、18万トンの供給不足が生じる見通しだ。

 ポンド安も値上がりに拍車をかける。英国のEU離脱が決まった6月24日以降、ポンド相場はドルに対して14%近く下落した。ポンド建てのカカオ豆に割安感が強まり、買いが広がっている。「供給不足を背景に値上がりが見込める商品として、投機マネーが流入している可能性もある」(専門商社のコンフィテーラ=東京・港)

 円はポンドに対して上昇しており、ポンド建て価格が上がった影響は日本ではほぼ相殺されている。ガーナなどからカカオを購入している明治によると、現時点では調達価格に大きな影響は出ていないとしている。

 現在は西アフリカの天候が比較的安定し、10月に始まる新しいココア年度では生産量が回復するとの見方が出ている。一方で「生産量の7割を西アフリカに依存しており、供給体制が常に不安定」(大手商社)という商品特性もあり、今後の天候次第では供給不安が再燃する可能性もある。


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