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韓国ハンミ薬品、中国創薬VBと提携も
2016-07-13 09:59:32   From:日本経済新聞   コメント:0 クリック:

 韓国の製薬大手、ハンミサイエンスの中核子会社、ハンミ薬品が後発医薬品から新薬メーカーへの脱皮を急ぐ。李寛淳(イ・グァンスン)社長は日本経済新聞の取材で、研究開発(R&D)費の8割を新薬に充てる方針を明らかにした。成長が見込める中国ではR&D拠点を拡充。中国を中心に創薬ベンチャーを発掘する投資ファンドを設け、提携も視野に入れて有望な新薬の開発強化に向けた体制を整える。

 

 「今後は少しずつ後発薬の比重を減らし、新薬開発の専門企業としてR&D戦略を展開する」

 

 欧米製薬大手への新薬候補の相次ぐライセンス供与で、2015年に株価が一時約9倍にまで急上昇、業績も急拡大したハンミ薬品。その後の株価は伸び悩んでいる。市場が注目する次の成長戦略に関し、李社長は新薬メーカーへの転換を打ち出している。

 具体策として研究開発の新薬重視シフトを加速する。15年12月期の研究開発費は1871億ウォン(約170億円)と過去5年で倍増した。今後は連結売上高に占める比率で20%台の水準の投資を確保し、主に新薬開発にあてる。

 今年6月には肺がん治療の自社開発新薬「オリータ」を韓国で発売した。韓国や中国(香港、マカオ含む)を除く地域ではライセンス契約を結んだ独ベーリンガーインゲルハイム社が臨床試験や商業化の権利を持ち、ハンミは売り上げに応じてロイヤルティー収入を受け取る。

 ハンミ薬品は現在、28の新薬候補を持つ。糖尿病治療などの薬効を持続させる技術や自己免疫疾患治療剤は、ライセンス供与先の欧米製薬大手で臨床試験が進んでいるものが多い。ハンミは肥満や糖尿、自己免疫疾患、抗がん剤などを中心に研究開発を展開していく。

 

 「中国は全世界の医薬品市場のなかで高い成長が続いていくだろう。進出から20年に及ぶ経験を生かして中国市場を開拓していきたい」

 

 海外で期待をかけるのが中国市場だ。1996年に進出し、現在は北京で150人超の研究者や1千人超の営業部隊を持つ。中国全域にある約9千の医療機関をカバーし、中国の小児用医薬品分野ではシェア首位だ。

 さらに2026年までに約2億ドル(約200億円)を投じ、山東省煙台市の経済開発区に医薬品や機能性食品などの生産設備や研究開発センターを設ける。李社長は「煙台の設備は世界水準の新薬の実現に必要な施設だ。その前線基地として活用していきたい」と話す。

 

 「新薬開発はスピードが重要。自社のR&D組織をコンパクトに運用した方が有利な面がある。規模拡大よりも国内外の優秀な技術を持つベンチャー企業や研究機関などと協力しR&Dを進めていきたい」

 

 ハンミ薬品は外部の研究成果を活用する「オープンイノベーション」を重視する。6月末に創薬やバイオベンチャーを対象とした投資会社、ハンミベンチャースを設立し、創業者の林盛基(イム・ソンギ)会長らが100億ウォンを出資した。有望な新薬候補を持つベンチャー企業の発掘に力を入れる。

 ベンチャー発掘でも中国に着目する。李社長は「中国勢の新薬の開発能力は今や韓国との差はほとんど無く、韓国の先を行く企業もある」と話す。中国でオリータの開発パートナーに選んだ生命科学大手のZAI Labもその一社だという。

 オープンイノベーション戦略は自社開発の新薬候補を欧米の製薬大手に売却する「ライセンス・アウト」が中心だったが、「今後は外部の研究成果を取り入れるライセンス・インも積極的に実現したい」と李社長は話す。市場の期待に応えるには継続的な新薬候補の発掘が求められそうだ。


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