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日航ハワイ線、攻めて守る 全日空に対抗
2016-08-19 16:32:26   From:日本経済新聞   コメント:0 クリック:

日本航空が1954年の就航以来、牙城としてきたハワイ路線で相次ぎサービスを打ち出している。18日、資生堂パーラーと組んで、日本発ホノルル線の機内食を刷新することを発表。座席配置を変えて機内での快適性を高める取り組みでも先手を打つ。ライバルの全日本空輸が超大型機の投入などで攻勢にでるなか、高いシェアを守れるのか。今後の国際線の競争にも影響を与えそうだ。

 「子どもの頃、父に連れて行ってもらった。世界で一番のポタージュとハヤシライス、と言っていた」。18日、都内で記者会見した日航の植木義晴社長は父で人気俳優の故・片岡千恵蔵氏との資生堂パーラーの思い出を振り返った。

 肉がほろっと崩れ、濃厚なうまみが広がる。「ご飯に合う洋食」として知られるビーフシチューを再現するため、数カ月間、資生堂パーラーのシェフと日航のケータリング会社がレシピを練った。9月1日から成田と中部、関空から出発するホノルル線のエコノミーなどで提供。リピーターを飽きさせず、新たなファン獲得も目指す。

 日航の「ハワイ開拓史」は長い。60年代から航空券とホテルなどをパッケージにした旅行商品を企画・販売。84年から「ホノルルマラソン」を協賛、冬季の誘客にも努めてきた。成田と羽田発着だけの全日空に対し、関空や中部からも路線を巡らす。年間の便数ベースのシェアは日航が全日空の約2倍だ。

 日航にとってホノルル線のエコノミーは、将来の顧客をつかむ意味でも重要なポジションだ。他社より提供できる座席が多いため、普段は日航を利用しない客が乗る可能性がある。若年層も多い。こうした顧客をファンにするために機内食以外でもサービスを磨く。

 すでに足元を約10センチメートル広げた「新・間隔エコノミー」を採用。背もたれを薄型化し、座席間隔も広げた。座席数は減るが快適性は高い。加えて17年1月には大型機「B777」の座席を窓側から2人―4人―3人と奇抜に改修する。他の路線と比べて多いカップルが横並びで座れる確率を高めるためだ。他社の3人―3人―3人の座席と大きく差異化できる。

 日航がサービスを強化するのは他社が攻勢を強めているためだ。

 全日空は欧州エアバスの超大型機「A380」を3機調達し、19年春にもホノルル線に投入する方針を打ち出した。ファーストクラスなど高級感あるシートを並べる。A380は従来機と比べると2倍超の旅客を運べるため、ホノルル線の提供座席数は2割増える。

 同社は昨年度、国際線旅客数で初めて日航を上回った。ビジネス客を中心に据えた戦略が奏功している。リゾート市場でも日本人になじみ深いホノルル線の大幅強化で勢力拡大を狙う。

 米ハワイアン航空は今年12月に羽田から、天文台やコーヒー産地で知られるハワイ島コナを結ぶ路線を新規就航する。日本からの唯一の直行便になる。

 ライバルの台頭もあり、日航の日本―ホノルル路線のシェア(便数ベース)は首位を保ちつつも、04年の45%から16年には30%に低下。全日空は同じ期間に2.5ポイント高めて15%とした。日航にとって青く澄んでいたハワイの海はレッドオーシャンに変わりつつある。

 日航は経営破綻後に東京以外を離発着する海外路線を大幅に削減したが、ホノルル線だけはほとんど削っていない。日航にとって特別な路線であるホノルル線で他社にシェア拡大を許すようであれば、国際競争での立ち位置は厳しくなる。


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