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三菱レイヨン、欧州で炭素繊維の合弁 風力発電部材を製造
2016-09-20 12:29:12   From:日本経済新聞社   コメント:0 クリック:

これまでは炭素繊維を供給するだけだったが、合弁で部材の開発・製造まで取り組み、風力発電機メーカーの要望に迅速に対応する。
三菱レイヨンは欧州企業と組み、風力発電機向けの炭素繊維製部材を製造する合弁会社を10月に設立する。炭素繊維を使うことで、従来比で2割ほど軽量化した羽根(ブレード)用部材を開発・製造する。これまでは炭素繊維を供給するだけだったが、合弁で部材の開発・製造まで取り組み、風力発電機メーカーの要望に迅速に対応する。

 欧州の風力発電機メーカー各社に羽根の部材を納入している、デンマークのファイバーラインコンポジットと合弁会社を設立する。出資比率は三菱レイヨンが49%、ファイバーラインが51%で、デンマークに本社を置く。将来はデンマークの工場以外に、両社が中国や米国に持つ工場で炭素繊維製の部材を作ることも検討。2020年度に合弁会社で100億円の売り上げを目指す。

 風力発電の導入量を増やすには、1基あたりの発電能力を高めることが不可欠。風車のサイズを大きくして軽い部材を使う必要があり、ガラス繊維を用いた従来の部材から炭素繊維の部材に切り替える動きが加速している。20年ごろには風力発電向けの炭素繊維の需要は約2万6千トンになる見込みで自動車向けと同規模になる。三菱レイヨンは供給体制を強化して、風力発電向けを自動車向けと並ぶ柱に育てる。

 炭素繊維業界では単純に素材を供給するだけでなく、成型品を手掛ける「川下」の企業と組む動きが広がっている。風力発電機や自動車メーカーといった最終顧客の要望をいち早く反映し、炭素繊維の採用を促す狙いだ。

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