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米財務長官「貿易戦争は望まない」 独財務相と会談
2017-03-17 16:24:08   From:日経   コメント:0 クリック:

 【ベルリン=赤川省吾】米国のムニューシン財務長官は16日に訪独し、ショイブレ独財務相と会談した。会談後の共同記者会見でムニューシン氏は「貿易戦争は望んでいない」と語り、ショイブレ氏も「一緒に問題を解決していきたいという認識で一致した」と応じた。発言からは立場の違いもにじんだが、ひとまず国際協調の枠組みを尊重する姿勢を示し、欧米間の亀裂を取り繕った。

16日、ベルリンで記者会見するムニューシン米財務長官(右)とショイブレ独財務相=AP
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16日、ベルリンで記者会見するムニューシン米財務長官(右)とショイブレ独財務相=AP

 ムニューシン氏は独南西部バーデン・バーデンで開かれる20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に初参加する。それに先立ち議長国ドイツの首都ベルリンを訪れた。

 会談では米独間で意見の違いが目立つ案件について突っ込んだ意見交換が行われたようだ。例えば自由貿易。ドイツはトランプ政権が保護主義に傾いたことを批判する。ショイブレ氏はこの件について「話し合った」と認めた。

 ただ会見では初会談での対立を避けようとする姿勢が目立った。ムニューシン氏は「貿易は公平であるべきだ」と述べ、税制などの競争条件を見直すべきだとの考えを示したものの、具体的にどんな対策を講じるかには踏み込まなかった。

 トランプ政権が提唱する「法人税の国境調整」と呼ばれる輸出補助制度については「まだ(制度は)わからない」と語るにとどめた。

 これまでトランプ政権はドイツに「通貨安で輸出を増やしている」との批判を浴びせてきたが、今回はトーンダウンした。

 ムニューシン氏は「通貨ユーロは多くの国で使われており、一国一通貨の制度とは事情が異なる」と発言。様々な要因が為替相場に影響を及ぼしているとの認識を示し、ドイツ責任論に言及しなかった。「長期的には強いドルはいいこと」とも述べた。

 安全運転でやり過ごした独米会談。次の焦点はG20での議論に移る。共同声明で貿易や為替に関する文言を見直すかどうかを金融市場は注視する。

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