日中などの為替政策監視を継続 米報告書
2017-04-15 18:06:12 From:日経 コメント:0 クリック:
トランプ政権下で初めての為替報告書は、オバマ前政権の手法を踏襲した。(1)対米貿易黒字が年200億ドル超(2)経常黒字が国内総生産(GDP)の3%超(3)為替介入による外貨購入がGDPの2%超――という条件を維持し、中国、日本、韓国、台湾、ドイツ、スイスを昨年10月に続いて監視対象に指定した。
中国を為替操作国と認定するというトランプ氏の公約を棚上げし、日本や欧州などの通貨政策を厳しく批判するのも避けたが、貿易不均衡の拡大や安い円、ユーロに対する根深い不満をにじませた。ムニューシン財務長官は「相手国・地域の為替操作は米国の労働者と企業に多大な困難を強いる」と指摘しており、不公正な通貨政策への監視を強化する方針だ。
日本については「あらゆる政策手段」を動員して内需を拡大し、貿易不均衡の是正につなげるよう求めた。財政出動や構造改革に加えて金融緩和の必要性にも触れており、日銀の政策運営を「円安誘導」とみなさない立場を明確にした。
ただ「円が過大評価されているという証拠はほとんどない。過去20年間の平均に比べ、実質的に20%低い水準にある」と強調し、一段の円安をけん制した。「ユーロは2000年以降の月中平均より実質的に10%安い」とも指摘した。
中国に関しては「大規模な為替介入を継続的、一方的に実施し、人民元の上昇を遅らせてきた」と批判した。ただ2015年8月から17年2月にかけて、8000億ドルの外貨を売って人民元の下落を抑えてきたとの試算も示し、今後の対応を注視する姿勢をみせた。
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